磯輪日記

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ドラマ『坂の上の雲』秘話

2015年05月15日 22時04分15秒 | オフ・ビジネス

如水会名古屋支部の5月例会。
今月の講師は、昭和56年社会学部卒 NHK名古屋放送局長の菅さん。



あの大河ドラマ以上のドラマ『坂の上の雲』のエグゼクティブ・プロデューサー
です。これ以外にも、『翔ぶが如く』『ちゅらさん』なども手掛けたそうです。

この菅さん、もうひとつ別の顔があって、同じNHKの『ためしてガッテン』の
小野文恵アナウンサーの旦那でもあるんですって! 

        

 「こっちの方が興味ある!」

っていうのはなしね 笑


  ドラマの原作 司馬遼太郎さんの小説は「2000万人が買った
  本ですが、全8巻あって、すべて読んだ人はその内の1/3とも
  言われています。


私はもちろんすべて読んでいますよ。


  漫画家の黒鉄ヒロシさんと菅さんが話した時、黒鉄さんが、

   「この小説には、実在、フィクション含めて3,000人が
    登場するけど、誰もがその中に、

    『あ、これはオレだ!』

    と思える人物がいるんだよね。
    でも10年経って、もう一度読むと、今度は別の人物が
    自分だと思える。
    それがこの小説の魅力なんだよね」

  と語ってくれました。
  その時思ったのは、この小説は秋山兄弟と正岡子規の三人が主人公
  だけど、本当の主人公は『明治日本』じゃないかと思うようになり
  ました。

  2001年に制作許可が下り、全編が完成したのが2011年。
  司馬さんが全8巻の小説を書き終えるのと同じ年月を要しました。

  朝ドラでも、大河ドラマでも、実は、台本は撮影しながら、その
  様子を見て、書いています。つまり撮影している2-3本先まで
  しかできていないのが普通なんです。
  でもこのドラマは壮大な海外ロケもたくさんしているので、
  制作費用のことを考えると、何度も同じ場所にロケにはいけません。
  何せ、みなさんから頂いている受信料が元ですから 笑
  そこで最初に全部台本を書き上げ、それから撮影を開始しました。

と、ひとつの例として、ドラマのある場面を見せてくれました。



それは、秋山真之が松山の浜辺から舟に乗り神戸まで渡り、そこから鉄道で
新橋、そして銀座、最後は兄の好古の住む下宿までたどり着くという7分
少々のシーンでした。

その7分ちょっとだけで、広島の宮島、愛知の明治村、中国・上海、
茨城、福島でのロケと、それにCG(コンピュータ・グラフィック)を
加えているそうです!!

海外ロケでは役者のギャラを節約するため、助監督やヘアーメイクなどが
役者の振りして演じているし、上海のロケでは主人公を演じる本木雅弘と
助監督演じる客引き以外の  人はすべて中国人のエキストラでした。


講演後の質疑応答で、

 「一番大変だったことは何ですか?」

という私の質問に、

  大河ドラマのように長編のドラマは、役者もスタッフも、
  撮影されたものが放映され、それを見ることが、収録を継続
  するためのモチベーションになります。

  この『坂の上の雲』は、それを上回る、90分×13回の全編を
  3年間掛けて放送するという異例のドラマ。撮影開始から最初の
  放送までだけでも1年掛かりました。その間、関係者一同、完成
  した映像を一切見ることができないんです。そういう状況で
  みんなの気持ちを保つことが一番大変でした。

  それで仮編集フィルムをつくって、それを見てもらい、何とか
  モチベーションを保つことができました。


ドラマづくりも経営も、結局は人なんですね。

講演の時間があまりに足りなくって、残念でなりませんでした。
ドラマ同様、90分×13回シリーズで、全編漏れなく聞きたかったな~



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3 コメント

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コメントも (磯輪)
2015-05-16 20:10:45
 野村さん

開放講座、聴きたかったな~

コメントも小説、ドラマにならって 2部構成とは、
やるね、野村さん 笑
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Unknown (野村由美)
2015-05-15 22:13:21
あ、上のコメント私です!
返信する
Unknown (Unknown)
2015-05-15 22:12:54
以前、開放講座で講演していただきました。名古屋局長に栄転されたのですね。その折も、奥様の話題をだすと「そうそうあの人の方が任期があるから、すぐ話題をもっていかれてしまうんですよ」って、ちょっとにやけていました。依光ゼミ、いきものがかりくんのゼミの
先輩です。
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