
「両親と一緒に行くけど、あなたも一緒に見に行かない」
とツノ坊に誘われたのがこの映画。
元々見たかったところへきて、名脇役の大滝秀治さんの最後の作品となった
ことから「ますます見たくなった」そうです。
ここは一番、嫁さんの両親孝行するかと、週末に出掛けました。
とどうでしょう、同じように「ますます見たくなった」と感じる人が世間には
多いんですね。もうロードショーも終わりかけの映画なのに、ほぼ満席でした。
田中裕子演じる妻に先立たれた夫(高倉健)が、妻の遺言で、富山から妻の
故郷である長崎の海へ散骨に出掛けるというストーリーです。
主演の高倉健が81歳というのには驚きました。
摂生と鍛錬の賜物でしょうね。
若い頃の田中裕子は好きじゃなかったけど、中年になった以降の彼女は何とも
言えぬ魅力があります。
この二人以外にも、実力派俳優が勢揃いっていう感じです。
これも高倉健の引力なんでしょうか。
散骨のための船を出してくれた漁師を演じるのが大滝秀治さん。
散骨を無事終え、港に戻ってきて、大滝さんにお礼をいう高倉健。
それに大滝さんが、
「久し振りにきれいな海ば見た」
と返事する。映画には映っていませんが、この映画のメイキングのTVドキュ
メンタリーを見ると、高倉健がこの大滝英治のセリフに感動して思わず涙を
流しているシーンが何度も流れたのを見ていたので、一体どんなに感動的な
シーンだろうと意識を集中していましたが、私には普通のセリフにしか
聞こえませんでした・・・
80歳になったら分かるようになるのでしょうか・・・?
一番わかりにくいのは、なぜ田中裕子が高倉健に故郷まで散骨に行かせた
のかという点です。
自分の故郷を見せたかったのかと思ったのですが、どうなんでしょう?
それもあって見終わった後、どうもすっきりしませんでした。
富山から長崎の道中、天空の城 竹田という場所に高倉健が立ち寄りました。

ここは田中裕子との思い出の地で、彼女が生前、ここでミニコンサートを
開いたという設定でした。
これが日本か、沖縄のグスクのようでもある、見たこともないような景色に
胸を打たれ、帰ってきてからネットで検索したところ、兵庫県の朝来市の
竹田城跡でした。
ヒマラヤを望むチベットのような雰囲気で、ぜひ行ってみたいところに
なりました。
田中裕子の歌声が流れましたが、彼女がこんなに歌がうまいとは知りません
でした。心にしみる歌声。映画が終わっても心に残りました。
これが彼の最後の主演作かとも言われていますが、どうなるのでしょうか?
山に散骨って、ちょっと考えますね~
だって山を登る人たちにいつも踏まれるなんて・・・
海が好きでなく、山の方が好きですが、散骨なら
私はやっぱり海ですね。
自宅の庭に埋めてもらうというのもいいと思っています。
中央アルプス駒ケ岳から軽石のような骨を・パラパラ。とっても抵抗がありました。でもその奥様のにこやかなお顔を拝見しほっと。これでお父さんの好きな山の土になれたからと・・・明るいお顔でおっしゃいました。暮らした土地は仮住まいで生まれたところに帰りたいと、何時もの暮らしの中で言っていたので散骨を実施されたんでしょう。私たちも初めの方で参りました。最近は映画は良く出かけますね。脳のためにも良いです