近頃、麻生の知性バッシングがマスコミと、その関連分野で流行っているようである。
http://news.goo.ne.jp/hatake/20081121/kiji2680.html
特にgoo ニュース畑の上の記事は、麻生が、宮崎駿に苦言を呈されたことに便乗する形で麻生批判の意見を募ろうとするものであった。
滅多に更新しないこのブログの記事を見てもらうとバレバレであるが、かくいう私も結構サブカル的領域のネタに反応しがちである。別の記事にも書いたが、中身よりも外見がキモヲタ風であるので、その手のネタを人前で言うときは慎重になる。
ほっておいても自然とへこむジャンルなので、麻生とか文化庁がオタク文化を持ち上げてくれるのは、まあ歓迎である。
ただ、海外まで含めて、これが産業になるかどうかは微妙だと思っている。
国内では十分一大産業として成立していると思うし、国内需要の下支えがあれば、文化的アウェイの不利さがあったとしても、それなりに海外展開は続けられるとは思うが。
コカコーラとかマクドナルドみたいに、文化から文明へと成りきれないのが、この手のジャパンアニメの限界ではないかと思っている。
どう成りきれないかって、クリエイター達が書きたいと思っているテーマが、血の気の多い男どもに万国共通なハリウッド映画的冒険心でなく、むしろ寅さん的心の襞だからだ。そこには、どうしても読み手にある程度の文脈的理解を要求してしまうところがある。
Jホラーが、ハリウッドと違う手法で成功してみせることで、ハリウッドの関心を一時的に集められたが、一つのスタイル以上の展開を見せられず、あっという間に下火になったように。
でも、おそらく国内では、ドメスティックホラーとして、Jホラーは作り続けられるであろうし、それを国内と海外の好事家だけが愛でるという形で存続すれば十分だと思っている。そして、日本のオタク文化も、きっとそういう展開を示すのではないかと思っている。
ただ、マニア市場を狙うにしても、ある程度知名度は稼いでおかないと、市場として育たないので、まあ麻生-文化庁にはがんばってもらいたいものである。
最初に引用した掲示板においても、賛否両論出ている。別に宮崎駿も、麻生もオタク文化代表だとは思っていないので、この手の議論については好きなようにやっておくれというのが僕のスタンスである。
首相のやるべきことというのに、正解はないし、彼の戦略が成功するかどうかは、後世への影響を見て判断する必要があるしね。
一つだけ危惧するのが、オタク文化というのはあくまで「サブ」カルチャーなので、それを、教育的配慮に基づいて清く正しく育てられてしまうと、ひょっとしたら枯れてしまうのではないかという点である。
今のアニメ、コミックの隆盛を見ていると、そんなことでは枯れそうもない、猥雑なエネルギーをきちんと感じるのでまあ大丈夫だとは思うが。
文化庁の描いたオタク文化の絵をみんなが正解だと思ってしまえば、そういう括りの中でみんなが滅んでしまう可能性はあるよね。
浮世絵だって、決して芸術ではなく、枕絵とか艶っぽいのもいっぱい作られているし、時の明治政府が浮世絵の、西洋文化圏の芸術家達への影響を見誤ったせいで、一つの文化が滅んだとする意見もあるのは知っている。
でも、明治という時代が、おそらく日本の全国民が江戸文化を懸命に否定した時代だったのなら、浮世絵は滅ぶべくして滅んだのであり、もし明治政府が少々頑張ったとしても、まあ、浮世絵で日本が多少金儲けができたのと、一部の名作が後世にきちんと伝えられたくらいだろうから、大した影響を与えなかったのかもしれない。
ところで、なんで、頭書の掲示板をわざわざ選んだかというと、この掲示板の中で「電車の中でコミックモーニングや「社長島耕作」を読んでいても、やはり恥ずかしいのでしょうか? 」
とか、
『私なんか電車内で読むのはもちろん、
マーカー引いたりポストイット貼ったりしながら読んだりしますよ。
「なぜ、この漫画は面白いのか」
「なぜ、このシーンで感動したのか」
「なぜ、この一見意味のないシーンがあるのか」
そういう「作り手側の視点」で見れば、ジャンプなんかそこらのビジネス雑誌より
ずっと実用的だと思うし。 』
とかいう意見に対して、
それぞれ「恥ずかしいorあさましい」と思ったからです。
前者の人に対しては、「島耕作」は、出世とか野心ばりばりでしかも自分の実力じゃなく、環境要因的に勝利しているので、それはわかりやすい作品であるが決して名作じゃないよと思っているからで、もっといい作品を読みましょうよと言いたくなります。
後者の人に対しては、漫画を文学的手法で研究しているならともかく、単なるサブカルチャーである漫画から、そういう無理な姿勢で無理矢理前向きなものを引き出すのもやっぱりあさましいと感じました。
いずれも、個人の趣味の問題なので、あれこれ言うべきじゃないですが、こういう掲示板で高らかに宣言されると、ちょっとねーって感じで。
NHK BSがやたらとオタク文化系番組を作っているのも、そういう政府方針が背景に
あるのであれば、ちょっと嫌な感じである。
まあ、それぞれの番組が、一応深夜枠で放送されていて、しかもみんなそれなりに
楽しいので、まあいいのであるが。
http://news.goo.ne.jp/hatake/20081121/kiji2680.html
特にgoo ニュース畑の上の記事は、麻生が、宮崎駿に苦言を呈されたことに便乗する形で麻生批判の意見を募ろうとするものであった。
滅多に更新しないこのブログの記事を見てもらうとバレバレであるが、かくいう私も結構サブカル的領域のネタに反応しがちである。別の記事にも書いたが、中身よりも外見がキモヲタ風であるので、その手のネタを人前で言うときは慎重になる。
ほっておいても自然とへこむジャンルなので、麻生とか文化庁がオタク文化を持ち上げてくれるのは、まあ歓迎である。
ただ、海外まで含めて、これが産業になるかどうかは微妙だと思っている。
国内では十分一大産業として成立していると思うし、国内需要の下支えがあれば、文化的アウェイの不利さがあったとしても、それなりに海外展開は続けられるとは思うが。
コカコーラとかマクドナルドみたいに、文化から文明へと成りきれないのが、この手のジャパンアニメの限界ではないかと思っている。
どう成りきれないかって、クリエイター達が書きたいと思っているテーマが、血の気の多い男どもに万国共通なハリウッド映画的冒険心でなく、むしろ寅さん的心の襞だからだ。そこには、どうしても読み手にある程度の文脈的理解を要求してしまうところがある。
Jホラーが、ハリウッドと違う手法で成功してみせることで、ハリウッドの関心を一時的に集められたが、一つのスタイル以上の展開を見せられず、あっという間に下火になったように。
でも、おそらく国内では、ドメスティックホラーとして、Jホラーは作り続けられるであろうし、それを国内と海外の好事家だけが愛でるという形で存続すれば十分だと思っている。そして、日本のオタク文化も、きっとそういう展開を示すのではないかと思っている。
ただ、マニア市場を狙うにしても、ある程度知名度は稼いでおかないと、市場として育たないので、まあ麻生-文化庁にはがんばってもらいたいものである。
最初に引用した掲示板においても、賛否両論出ている。別に宮崎駿も、麻生もオタク文化代表だとは思っていないので、この手の議論については好きなようにやっておくれというのが僕のスタンスである。
首相のやるべきことというのに、正解はないし、彼の戦略が成功するかどうかは、後世への影響を見て判断する必要があるしね。
一つだけ危惧するのが、オタク文化というのはあくまで「サブ」カルチャーなので、それを、教育的配慮に基づいて清く正しく育てられてしまうと、ひょっとしたら枯れてしまうのではないかという点である。
今のアニメ、コミックの隆盛を見ていると、そんなことでは枯れそうもない、猥雑なエネルギーをきちんと感じるのでまあ大丈夫だとは思うが。
文化庁の描いたオタク文化の絵をみんなが正解だと思ってしまえば、そういう括りの中でみんなが滅んでしまう可能性はあるよね。
浮世絵だって、決して芸術ではなく、枕絵とか艶っぽいのもいっぱい作られているし、時の明治政府が浮世絵の、西洋文化圏の芸術家達への影響を見誤ったせいで、一つの文化が滅んだとする意見もあるのは知っている。
でも、明治という時代が、おそらく日本の全国民が江戸文化を懸命に否定した時代だったのなら、浮世絵は滅ぶべくして滅んだのであり、もし明治政府が少々頑張ったとしても、まあ、浮世絵で日本が多少金儲けができたのと、一部の名作が後世にきちんと伝えられたくらいだろうから、大した影響を与えなかったのかもしれない。
ところで、なんで、頭書の掲示板をわざわざ選んだかというと、この掲示板の中で「電車の中でコミックモーニングや「社長島耕作」を読んでいても、やはり恥ずかしいのでしょうか? 」
とか、
『私なんか電車内で読むのはもちろん、
マーカー引いたりポストイット貼ったりしながら読んだりしますよ。
「なぜ、この漫画は面白いのか」
「なぜ、このシーンで感動したのか」
「なぜ、この一見意味のないシーンがあるのか」
そういう「作り手側の視点」で見れば、ジャンプなんかそこらのビジネス雑誌より
ずっと実用的だと思うし。 』
とかいう意見に対して、
それぞれ「恥ずかしいorあさましい」と思ったからです。
前者の人に対しては、「島耕作」は、出世とか野心ばりばりでしかも自分の実力じゃなく、環境要因的に勝利しているので、それはわかりやすい作品であるが決して名作じゃないよと思っているからで、もっといい作品を読みましょうよと言いたくなります。
後者の人に対しては、漫画を文学的手法で研究しているならともかく、単なるサブカルチャーである漫画から、そういう無理な姿勢で無理矢理前向きなものを引き出すのもやっぱりあさましいと感じました。
いずれも、個人の趣味の問題なので、あれこれ言うべきじゃないですが、こういう掲示板で高らかに宣言されると、ちょっとねーって感じで。
NHK BSがやたらとオタク文化系番組を作っているのも、そういう政府方針が背景に
あるのであれば、ちょっと嫌な感じである。
まあ、それぞれの番組が、一応深夜枠で放送されていて、しかもみんなそれなりに
楽しいので、まあいいのであるが。
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