よんたまな日々

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時代の気分

2007年09月24日 | ネット生活
先日、BSアニメ夜話のスペシャルで、押井守特集をやっていました。作品の紹介だけでなく、番組の後には、押井監督自らが作品について語ったり、タレントで押井ファンの人が集まってトークするなどの趣向もありました。
その中の一つで、「うる星やつら ビューティフルドリーマー2」の後のトークショーで、タレントの一人が
「その当時の僕らの時代の気分」
という言葉を使っていて印象的でした。

僕らの世代で行くと、幼い頃の浅間山荘事件などは、一つの時代の気分の象徴だと思うのですが、バブルがあって、阪神大震災があって、オウムがあって、失われた十年があってと、後から思い出せる時代の気分というのもあるのですが、「うる星やつら」がシンボルとなった時代の気分って何だろうと考えてしまいました。

別の誰かが批評で、『「うる星やつら」以前は、全てのフィクションは日常へと帰ってきていたが、「うる星やつら」は日常から非日常へ移行したまま、そこが新たな日常となった画期的な作品である。』という意味のことを言っていたような気がします(出典など不明)。
「うる星やつら」は僕が高校の頃にテレビ放送されていて、僕の文芸部の自分の作品の中で「日常の中の非日常」という言葉を使って、それが現代社会の先生がその言葉を授業でそのまま使ったので、非常に驚いて、思わず僕が言った言葉を引用したのか確認してしまったということがあったのですが、まさしく、そういうのが、そのタレントの言った「時代の気分」ではないかと感じた。

この後、バブルが来たり、「ジャパン アズ ナンバーワン」なんて本が出版されて、日本人は、貧乏で勤勉という自己イメージを大きく修正することになるのですが、その前段階として、ハレを非日常としてではなくて、日常の中に取り込んで行ってもいいじゃないかというか、身分相応という束縛から脱出しようという意識が強くあったような気がします。

時代の気分を大きく反映する事件があれば、その頃の気分というのをよく思い出せるのですが、80年代後半に高校生だった僕が、熱心に見ていたうる星やつらの再放送なんかを見て、どう思っていたのか、もうすっかり忘れていたことに改めて驚きました。

バブル真っ最中に貧乏学生で、結構、派手に働いて、派手に儲けて、派手に遊んでいる人達に、ルサンチマンを感じていたのは、今でもよく覚えているのですけど。

はたして、このブログがいつまで続くのか、いつまで読めるのかわかりませんが、これも何らかの形で時代の気分は反映しているはずで、将来読み返してみて、今の時代の気分がわかるものになればいいななんて、ちょっと考えています。


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1 コメント

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Unknown (h_tutiya)
2021-06-08 02:54:25
自分へのコメント。このブログ、とても長く続いていますよ。この記事も2021年に誰かが読んでくれて、その後2021年の私が読みました。長く続くことで見えて来る景色もありますね。これからも頑張りましょう。
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