よんたまな日々

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高橋克彦「高橋克彦の怪談」

2006年11月12日 | 読書
表紙の絵に惹かれて思わず買ってしまった本です。
表紙の絵は、鰭崎英明の「蚊帳の前の幽霊」。部屋に釣った蚊帳の片隅にほつれ髪髷姿の女性の幽霊が佇んでいて、足元には行灯が仄かに照らしているという絵です。

内容は、よくある恐怖話短編集。この手のやつとして、最近は新耳袋シリーズとか、読者の投稿シリーズとか、よくあるのですが、やはりプロの作家が書いたやつは、一編一編印象的だわぁと感じました。

僕の好みに合ったのは、
「妻を愛す」「祖母の箪笥」「幽霊屋敷」「針の記憶」「記憶の窓」「大好きな姉」
の6編です。
設定を理解する前に、読み終わってしまったというか、登場人物が多すぎてこなれていないと感じたのもあって
「鬼火」「冥い記憶」
の2編。
それ以外は、エッセイぽくて、軽いものが多かったですが、全体としてはやはりぞくぞくと怖くなります。高橋克彦は、「本当に怖いものは人の心」と主張しているらしく、
「変性男子」「夜光鬼」「奇縁」
などは、怪談話として怖いというより、人の心の怖さよという話になっています。

恐怖話好きにはお勧めです。でも、まあよくできてはいますが、普通の怖い話集なので、そういうのが苦手な人を改宗させるほどではないですが。

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