はーちゃんの気晴らし日記

気ままに 楽しく 書きくけこっこ!

クマ

2004年10月19日 | クマ
クマが我が家にやってきたのは7年前。
横なぐりの雨の降る夜だった。
駅まで娘を迎えに行った時、急ぎ足で車に乗り込んできた娘の腕に真っ黒い犬がいた。

娘が駅を出ると、犬を3匹連れて散歩している人に出会い、後をチョコチョコついて歩いていた子犬を見て、
「わぁ~可愛い!」
と言ったところ、
「かわいいなら、あげるよ」
と飼い主と思われる人に言われたので、そのまま抱いてきたと言う。

「この犬、飼ってもいいでしょう?」
突然のことで返事のしようもなく、その飼い主は、すでにどこかへ行ってしまい、雨と風の中、子犬を置き去りにするわけにもいかず、そのまま家に連れて帰ってきた。

子犬を連れて玄関に入ると、主人と息子が飛んで来た。
全員で取り巻くように見ている中、子犬は、おびえたような目をして、一人一人を上目遣いで見ていた。
主人は
「連れてきちゃったもの今更、戻すわけにはいかないだろう」
と言い、息子は、やけにうれしそうに昼食の残り物を食べさせていた。

翌日、息子は頼みもしないのに、首輪やリード、食器類を買い込んできた。
よほど、犬が来たことがうれしかったようだ。
息子の提案で名前は「クマ」と付けられた。
足の先と尻尾の先、それに胸の辺りが真っ白で、まるで小熊のようだったので、その名前はぴったりだと思った。
クマはしばらくの間は不安そうで、散歩に連れて行こうとしても家から離れようとはしなかった。

その後、一度だけ以前の飼い主に会ったことがあり、その時にクマの誕生日を聞いてみたけれど、よく覚えてはいないようだった。
だいたい生後2ヶ月位だろうという返事だったけれど、実際は3ヶ月くらいになっていたように思う。

現在、クマは7歳になり、白いものがずいぶん目立ち始めている。
初めて家に来たときの、あの上目遣いの不安そうな目を今でも忘れることができない。


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