胸が痛むニュースの中で

昨日は、Ｍさんの告別式でした。
Ｍさんと私が知り合う前からずっとお付き合いのあった人から、私が知らなかったＭさんの事を色々聞きました。

以前も書きましたが、私がこの地に来て、初めて内職をしたのが、編み物の仕事でした。
当時、若い人向けのファッション雑誌に載っているメーカーのニット服を作る仕事でした。
私とＭさんが編み、お隣のＳさんが綴じるという風に役割分担をして、数十枚のセーターを仕上げていました。
仕事が多いときは、パートに出るよりお金になりましたが、その仕事も季節物なので、あまり仕事がない時は、数ヶ月もの間、全く仕事がなく、１円のお金も入ってこない時期もあったので、ローンを抱えていた私は、早々とその仕事に見切りをつけて、パートに出てしまい、編み物からは縁遠くなりました。
でも、Ｍさんは、ずっと編み物を続けていたようです。
Ｍさんも、その後、編み物の仕事は辞めて、外に働きに出るようになったのですが、合間、合間に編み物は続けていて、いずれは、編み物だけで食べて行きたいと、亡くなるまで、その夢を持ち続けていたそうです。
息子さんの話では、若い頃は、森英恵さんの仕事を請け負っていて、森氏がデザインした服を編んでいたということでした。
Ｍさんは、享年７４歳でしたが、戒名には、大好きな編み物の「編」という文字が入っていました。
息子さんたちの希望で、入れてもらったそうです。
「Ｍさんらしいな」と、会葬者は、口々に言っていました。

Ｍさんは、癌のため、骨が外側の形だけで、中はスカスカになっていたと聞きましたが、火葬した後の骨は、思ったよりしっかりしていました。
特に、片方の足の骨は、太く、形がそのまま残ってました。
でも、最後に折れたというもう片方の足は、原型をとどめていませんでした。
全部の骨を骨壷に入れたとき、中から、長いボルトが出てきました。
最初に腕の骨が折れたときに、保護のために入れたボルトです。
１センチ幅、２０センチくらいの長さのあるボルトが、左腕に埋め込まれていたのですが、病気が進行すると共に骨が溶け、徐々にボルトが露出してきて、それが痛んだそうです。
Ｍさんが、私に「痛むのよ」と言っていたのは、その部分が痛むということだったようです。
彼女が、自分から何も言わなかったので、私からは、つっこんだ話は聞けませんでした。
「いつかは、元気な姿でみんなに会いたいから、それまでがんばる。だから、私の病気の事は、みんなに言わないで」
と、Ｍさんが、言っていたため、詳しい話は私たちにはできなかったと、次男さんは言っていました。
最期まで、元気な姿に戻ることを目指していたＭさんだったようです。

辛かったよね。
きつかったよね。
これで、やっと楽になったのかもしれないね。
でも、編み物の夢は実現することができず、それはさぞかし残念だったろうなと思いました。

最近は、芸能界でも衝撃的なニュースが続きました。
川島なお美さんの死と、北斗晶さんの乳がんの手術。
癌のニュースが続いていた時、裏のＭさんの多発性骨髄腫による死。
身近なＭさんの死で、癌の恐ろしさを実感しました。
心の中におもりを抱えているような暗い気持ちになりました。

でも、そんな中で、明るいニュースもありました。
ブログ友の癌克服です。

＜今日先日のＣＴ検査の結果聞きに行ってきました。
来年１月２５日でまる５年経過です。
３カ月に一度の検診が来年１月より１年検診になりました。
多くの皆様に支えられやっと癌を克服できたこと嬉しく思います。
来年１月２２日が最終検診ですが もう大丈夫ですとのハンコを先生にもらったので安心です。
目の前の曇りが取れた感じです。＞


癌は、５年が勝負だと言います。
彼女も、この５年の間、体調不調がたびたびあり、その度に転移を疑い、眠れない日々を過ごしていたようです。
これは、私たち癌の経験のない人間には、計り知れない恐怖だろうと思います。
それでも、先生から「もう大丈夫」と太鼓判を押され、目の前の曇りが取れたという言葉に私も、心から安堵しました。
暗いニュースが続いた中、私の気持ちの救いになりました。

土曜日の日中は、孫の幼稚園の運動会で、夕方からＭさんのお通夜。
そして、昨日の告別式と火葬で、ほぼ一日がかりになってしまいました。
この二日間の忙しさで、風邪を引いてしまったらしく、昨日、火葬を待っている間、急に体調が悪くなりました。
孫のミニが風邪を引いていたため、それをもらってしまったのかもしれません。
家に帰ってから、ずっと横になっていましたが、熱があったようです。
今日は、仕事も休んで、病院で薬をもらってきました。
私は何故か、すぐに孫の風邪をもらってしまいます。
家族の誰も移らないのに、何故か、私だけが、いつもしっかりもらってしまいます。
体力がないのかなぁ。