・・・略・・・
「雌性化は・・・永久的なものであると思われた。
早い段階での暴露が 潜在的な雌雄同体を含む非常に珍しい反応を産み出すものと思われる」
と彼らは考えた。原因は工場の排水に含まれる物質だったが特定はされていない。
彼らはこのほかにも ウナギの早熟などを「汚染に誘発された性の変化」の例ではないかとしている。
ウナギが何らかの刺激によって 数年早く成熟していることを示す証拠がある。
これはミミズよりひとまわりほど大きなウナギで 成体になってから
回遊の準備として起こるはずの目の肥大や色素の変化と言った
二次性徴が早く起こっているものだった。
この早すぎる成熟につられて 大西洋の真ん中のサルガッソー海への回遊に旅立ってしまえば
十分な栄養の蓄積がないウナギの体はそれに耐えられないだろう。
この研究は 環境中のホルモン類似物質が実際に野生生物の
生殖を撹乱していることを如実に示していた。
・・・略・・・
「1930年代以降 世界で150万トンものPCB類が生産されたと見積もられる」と
レインダースは警告した。「計算では 生産された全PCBの20~30%が・・・
環境中へ放出されており・・・PCBの生産はすでに行われていないが
全生産量の70%以上が現在も使用され この先 環境中へ漏れ出る恐れがある・・
PCBの適切な回収・処分処置が強制的に実行されなければ
この有害物質は現在よりもはるかに重大な環境問題を引き起こすだろう」
・・・略・・・
「今こそ さまざまな化学物質が人間にどんな影響を与えているかを考えなければならない。
そして さらに重要なのは 環境中に存在する性分化に害を及ぼす化学物質を特定し
管理し 排除するために何ができるかを考えることだ」
・・・略・・・
それぞれのグループがレポートを発表した。
この最後の三日間の大作業によって 自分たちが大問題に直面しているとの認識で全員が一致した。
すべての証拠を目の前にして コルボーンはこう考えた。
「そもそも これは野生生物だけはでなく 人間をも含めた生存に関する問題です。
このままでは 何をするにも遅すぎて手の打ちようがないという
取り返しがつかない事態になりかねません。
どれくらい待つことができるか 更にどの程度の証拠を集めなければいけないかを決めたうえで
それなりの行動を起こさねばなりません。
それがこの先どれほど状況を好転させられるかを決定すると言えるでしょう」
数か月後 出席者全員の総意が書面にまとめられた。
彼らの結論は明白で決定的なものだった。
私たちはつぎのことを確信している。
環境中に放出された合成化学物質の多くは 少数の天然物質と同様に
人間を含む動物の内分泌系を撹乱する作用を持つ。
それらは残留性の化合物であり 殺虫剤 工業化学製品などの合成物質である。
多くの野生生物が すでにこれらの化合物によって影響を受けている。
(via namk1)
1 month ago /256 notes / Source: namk1
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