「最上のわざ」
 
この世の最上のわざは何?
 楽しい心で年をとり、働きたいけれども休み、しゃべりたいけれども黙り、
失望しそうなときに希望し、従順に、平静に、おのれの十字架をになう。

 若者が元気いっぱいで神の道を歩むのを見ても、ねたまず、
人のために働くよりも、謙虚に人の世話になり、弱って、
もはや人のために役だたずとも、親切で柔和であること。

 老いの重荷は神の賜物、古びた心に、これで最後の磨きをかける。
 まことの故郷へ行くために。

 おのれをこの世につなぐ鎖を少しずつ外ずしていくのは、真にえらい仕事。
 こうして何も出来なくなれば、それを謙虚に承諾するのだ。
 神は最後に一番よい仕事を残してくださる。
 
それは祈りだ。
 
手は何もできない。
 けれども最後まで合掌できる。
 
愛するすべての人のうえに、神の恵みを求めるために。
 すべてをなし終えたら、臨終の床に神の声をきくだろう。
「来よ、わが友よ、われなんじを見捨てじ」と。
                          (ある牧師の言葉)

 





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