豊かな世の中とは、どんなテーマでも「品のあるユーモア」で、きちんとふざけられる世の中のことだと思うのです。 ヨシタケ シンスケ
このあと どうしちゃおう | |
ヨシタケ シンスケ | |
ブロンズ新社 |
今月のことばは『このあとどうしちゃおう』という絵本に添えられたパンフレッからとりました。作家ヨシタケシンスケさんへのインビュー記事です。
今月は、『このあとどうしちゃおう』という絵本が、深くて面白い絶品な絵本なので、これをどうにか紹介したい。絵本自体を紹介したいから、寺の掲示版にふさわしい、ことばを絵本から探したという、言葉があって本があるのではなくて、本があって言葉があるという、少しばかりさかさまな事情があるのです。
新聞(H28.11.22付け日経新聞夕刊文化欄)などでも紹介されていたり、版を重ねてずいぶんと売れている本なので、ご存じの方も多いでしょう。「亡くなったおじいちゃんのベッドの下からノートが出てきた。中には死後の計画がずらり。(てんごくにいくときのかっこう)とか(みんなをみまもっていくほうほう)、(みんなにつくってほしいきねんひん)」。なんて具合の本です。
絵本の本文の言葉を紹介すればよいのですが、やはり絵本なので、絵がないと伝わらない。そこで、作者のインタビュー記事から拝借しました。拝借ついでにつぎのような一節はどうでしょうか。
(インタビュアー)大事な人を失ったときに、その死をどうのりこえるか、その選択肢を増やすための本だとも思います。
(ヨシタケシンスケ)そうですね。たとえば何でもいいんだけど、「私はケーキが好きだから、死んだらケーキをお供えしてね」と言われた場合、その人の死後にケーキをお供えすることで、その人がいなくなったあとも何かしてあげることができるし、生前の願いを叶えてあげられたことで、残された方は救われますよね。そういうことをもっと、バリエーション豊かに、面白おかしく話しちゃおうよ、というのがこの本の狙いです。
ご高齢の人に「この絵本、読んでみたら」なんて薦めるのは、ちょつときついかな。大人の絵本なのですが、子どもにもわかったら良いとはおもうけれど、何歳くらいならば、読めるのだろうか。