つれづれなるままに

恐れ多くも、兼好法師のような文才はありませんが、日常の出来事を「ブログ」に表現できれば幸いです。’05.01.27.大安

◆トランプ考 

2016-12-10 22:56:33 | Weblog
トランプ次期米大統領は政権移行チームのトップにマイク・ペンス次期副大統領(インディアナ州知事・弁護士)を任命、娘イバンカさんもチームに加わる。

米大統領選でトランプ氏が勝利を決めてから9日で1カ月。東京金融市場では円安・株高が続き、日経平均株価は9日11カ月半ぶりに1万9000円台を回復した。就任前の同氏への期待が先行する「トランプ相場」が世界市場にも波及している。

我々は、米国の失業率4.1%、インフレ目標2%に対して1.6%にまで近づき、順調に景気回復状況にあるとみていたのですが、地方都市の疲弊ぶりは深刻で、とくに白人中年層の不満は「隠れトランプ支持者」として「生活が苦しいのは外国のせいだ」というトランプの言説に賛同したようだ。

バレンタイン(元ロッテ監督)の駐日大使の報道や習近平と個人的関係の深いブランスタド・アイオア州知事の中国大使に任命。反面、蔡 英文(中華民国総統)との電話会談するなど従来の政治家と異質な面を呈している。

トランプ氏の旧友であり選挙で力を尽くしたジュリアーニ(元ニューヨーク市長)氏が政権移行チームの意向で国務長官に就任ができなかったのが問題。

トランフ氏は経済人で実利主義者で交渉を重視する新しいタイプの政治家とみる。

参考までに、11/11投稿のブログにも触れた、大統領就任直後に着手する政策・「100日行動計画」の概要を参考までに述べる。

① 【ワシントンの腐敗した政治と利益誘導のための癒着を一掃するための6つの対策】:
1,すべての連邦議員に任期の制限を課すため、憲法の修正を提案する。
2、連邦政府の職員数の自然減を目指すため、新規採用を凍結する。
(軍事、公安、公衆衛生に関する職は除く)
3、連邦規制を新たに1つ制定するごとに、既存の規制を2つ廃止する。
4、ホワイトハウスと連邦議会の当局者が、離職後5年間、ロビー活動することを禁じる。
5、ホワイトハウスの当局者が、外国政府のためにロビー活動することを永久に禁じる。
6、外国人ロビイストが、アメリカ国内の選挙のために資金集めをすることを全面的に禁じる。

② 【アメリカの労働者を守るための7つの行動】:
1、NAFTA=北米自由貿易協定の第2205条に基づき、再交渉、あるいは離脱の考えを表明する。
2、TPP=環太平洋パートナーシップ協定からの離脱を表明する。
3、財務長官に、中国を為替操作国として認定するよう指示する。
4、アメリカの労働者が不当に扱われるような貿易協定を全て特定し、それらの不正を直ちになくすために、アメリカの法律と国際法に基づくあらゆる手段を用いるよう、商務長官とアメリカ通商代表部に指示する。
5、50兆ドルに相当する雇用を生み出すシェールガス、石油、天然ガス、精炭など、アメリカのエネルギー資源の生産における規制を撤廃する。
6、カナダから南部テキサス州に原油を運ぶキーストーンパイプラインなど、オバマ大統領とクリントン前国務長官によって中断されていたエネルギーインフラ計画を再開する。
7、国連の気候変動対策への巨額な資金拠出を取りやめ、その資金を、アメリカ国内の水道や環境インフラ整備の改善に使う。


③ 【地域の安全を回復し、憲法の定めた法の支配を取り戻すための5つの行動】:
1、オバマ大統領が憲法に違反して行ったすべての大統領権限や覚書、命令を取り消す。
2、連邦最高裁判所のスカリア判事の後任として、アメリカ合衆国憲法を支持し擁護する人物を、私の20人の候補者リストの中から選ぶ作業を始める。
3、不法移民の摘発に消極的で、「聖域」(※1)と呼ばれる都市への連邦予算の支出を取りやめる。
4、犯罪歴のある200万人以上の不法移民の強制送還を始め、受け入れを拒否する国にはビザの発給を停止する。
5、テロが多発傾向にあり、事前審査が適切に行われていない地域や国からの移民の入国を一時的にやめる。移民希望者に対するアメリカへの入国審査は、極めて厳格に行う。

④ 【中間層への減税と税制簡素化法】:
年4%の経済成長を目指し、新たに2500万人の雇用を創出するための経済計画を実施する。大幅減税と税制の簡素化を、通商政策の見直し、規制緩和、エネルギー規制の撤廃とともに行う。
これまでで最大規模となる減税は中間層のために行う。
子どもが2人いる中間所得層の世帯には、35パーセントの減税を行う。現在、7つある税率区分は3段階に減らし、納税様式も大幅に簡素化する。法人税率は35%から15%に引き下げ、海外に眠る数兆ドルのアメリカ企業の資金を、税率10%で還流できるようにする。

⑤ 【企業の海外移転防止法】:
企業が海外移転を目的に、アメリカ人労働者を解雇することを阻止するために関税を課すほか、その企業の製品を非課税でアメリカに返還させる。
⑥ 【アメリカのエネルギーと基盤整備事業法】:
官民パートナーシップと税の優遇措置を通じた民間投資によって、10年間にわたって1兆ドルの基盤整備への投資を行う。
⑦ 【学校選択と教育機会法】:
公立学校、私立学校、チャーター・スクール、マグネット・スクール、宗教学校、あるいはホームスクールの希望する学校に、子どもを通わせる親の権利を守るために、教育予算を振り分ける。コモン・コア(全米統一の基礎学力基準)を廃止し、教育の管理責任を各地域に戻す。職業や技術の訓練学校を拡充するとともに、学生・親の2年制・4年制大学の授業料の負担軽減を目指す。
⑧ 【オバマケアの撤廃と新制度の導入法】:
オバマケアを完全に撤廃する。代わりに、州を越えて健康保険を購入でき、各州にメディケイド基金の運営をさせる医療貯蓄口座を導入する。現在、4000以上の医薬品が承認待ちの状態で、生命に関わる医薬品の認可を急ぐ。そのために、FDA=アメリカ食品医薬品局の官僚主義を改革する。
⑨ 【育児支援と介護支援法】:
育児と介護にかかる費用を、税金から控除できるようにする。
雇用主に対して、保育サービスを事業所内で提供できるような刺激策を設ける。
若年と高齢の被扶養者の支援のために、非課税の貯蓄口座を設けるほか、低所得者層にはマッチング拠出を行う。

⑩ 【不法移民防止法】:
メキシコが、将来、建設費を払い戻すことを前提に、アメリカ南部のメキシコとの国境に壁を建設し、その資金を供給する。本国への強制送還後、不法に再入国した場合、最低2年の禁錮刑に処することを制定する。また、重罪や複数の軽犯罪の判決を受けたり、過去に2回以上、強制送還されたりした人が、不法に再入国した場合は、最低5年の禁錮刑に処することを制定する。
また、ビザの制度改革を行い、期限を過ぎて滞在した人には罰則を強化し、求人は、まずアメリカ人労働者に優先的に提示される方法を確立する。

⑪ 【地域の安全回復法】:
犯罪、薬物、暴力を減らすため、暴力犯罪を専門とする特別部局を設置し、地域の警察官に対する訓練や支援を行うための財源を増やす。
犯罪組織を解体したり暴力行為を行った人を収監したりするために、司法当局や連邦検察官のための財源を増やす。

⑫ 【国家安全保障回復法】:
軍を再建するために、防衛費の強制削減を停止し、軍事への予算を増やす。
治療中の退役軍人は、治療を復員軍人援護局の病院か、民間病院で受けるか、選択できるようにする。
重要なインフラをサイバー攻撃から守る。
移民として入国を許可された人たちが、アメリカの国民と価値観を支持しているかどうかを見極めるため、新たな審査方法を確立する。

⑬ 【ワシントンにおける腐敗の一掃法】:
政治に対する特別利益団体の腐敗した影響力を減らすため、新たな倫理改革を行う。


そして、最後にトランプ氏は次のように述べている。

これは、私のみなさんとの誓約です。
われわれがこのステップを踏めば、アメリカは再び、人民の、人民による人民のための政治を取り戻すことができるだろう。

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