◆急激なドル安で「ACU」を考える

　　　　　　　　　　　　　アジア開発銀行総裁・黒田東彦（はるひこ）氏

急激なドル安で、１２年4ヶ月ぶりに基軸通貨としての信頼性が問われている。

97年に、ドルにリンクしているアジア経済は、通貨危機という深刻な打撃を受けた。

02年、統一通貨ユーロー（欧州共同体）を目標に、アジア開発銀行（本部マニラ・黒田東彦総裁）では、06年からアジア通貨の加重平均値を示す「アジア通貨単位・ACU」を公表している。

アジア共通通貨構想は現段階では夢だが、「ACU」運用に軸足を置いた決済で、アジア経済圏の成長を期待したい。

こうした大局的な構想に、日本はもっと存在感を示すべきだと思う。

後任の日銀総裁問題で衆参において政争中だが、武藤氏の代案として、同じ財務省出身の黒田東彦氏も候補に上がっているが、国際的視野から納得。参議院でも賛成が期待できる。