つれづれなるままに

恐れ多くも、兼好法師のような文才はありませんが、日常の出来事を「ブログ」に表現できれば幸いです。’05.01.27.大安

◆インド洋に浮かぶ小国スリランカの苦悩

2009-05-16 14:31:12 | Weblog
               キャンディ(中部州)にある仏教会の至宝・仏陀の歯を収められている仏歯寺

関心のある方はお気づきの事と思われますが、連日、国際欄にスリランカの内戦状況が報道されている。

1975年頃(だったと思う)セイロンからスリランカに改称し、世界初の女性のバンダラナイケ首相時代に、私は商用で当地を訪問した事がある。

72年に共和国になり、公用語はシンハラ語、タミル語、英語(準公用)である。首都はスリ・ジャヤワルダナプラ・コッテ遷都されたが、行政庁舎の中心はコロンボにある。

当時、私はランカオベロイ(ホテル)に10日間滞在した。商用の合間に、セイロン茶(紅茶)の製造工程、ブルーサファイア、アレキサンドライトなどの原産の宝石産業、線香に煙るキャンディにある仏堂めぐりなど記憶に残る。

北海道の面積にも満たない小国だが、赤道直下に近い北側に位置。

シンハラ人74%(大半が仏教徒)、タミル人(大半がヒンドゥ教徒)18%。

ポルトガル、オランダを経て、イギリス植民地として発展。

1948年、英連邦から独立。その後、1980年代に入って政府軍と反政府武装勢力タミル・イーラム解放の虎(LTTE)の内戦状態に突入。

2002年に停戦合意したが2006年に戦闘が再燃し、戦闘やテロで、多くの民間人を含めて7万人以上が犠牲になった。

問題なのは、内戦の最終局面を迎えて、LTTEは5万~10万の民間人を「人間の盾」に、北部のわずか3平方キロメートルの地域(ムライティブ)追い詰められている。

かって、サンフランシスコ講和会議において、スリランカ代表として会議に出席していた故ジュニウス・リチャード・ジャヤワルダナ元大統領は「日本の掲げた理想に独立を望むアジアの人々が共感を覚えたことを忘れないで欲しい。憎悪は憎悪によって止むことはなく、慈愛によって止む」という仏陀の言葉を引用して、対日賠償請求を放棄する演説を行った。

人権擁護のため、国連や欧米諸国も動いているが、内戦が終結しても、宗教と人種に絡む問題だけに、平穏な生活を取り戻すには時間がかかる。同国への最大の援助国であり、政府とのパイプを保つ日本政府の責任は重い。

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