ろうげつ

花より男子&有閑倶楽部の二次小説ブログ。CP :あきつく、魅悠メイン。そういった類いが苦手な方はご退室願います。

暑い夏

2020-08-19 20:32:46 | 雑記
皆様、いかがお過ごしでしょうか。
暑い日が続いておりますが、体調を整えて乗りきりましょうね。
夏好きな私も、この暑さには参っております。
そのせいで、創作が進まない進まない。

基本的には、紙に書き起こしてから一度推敲し、携帯でポチポチ投稿(非公開)してから再度、推敲して公開するという手順を踏んでおります。

・・・が!

夏はさすがに紙に書き起こす気力もなく、メモ帳のアプリでチマチマ書き溜めてから投稿するパターンばかりになってます。

・・・が!

この暑さで集中力が低下するは、メモ帳アプリに文章打ち込んでると、携帯が熱くなってくるはで中々進みません。

ええ。
皆様お察しの通り、言い訳でございます(笑)
そんな中でも「父さん頑張れ」の11話は書き終えましたので、推敲してからアップしますね。
・・・近日中に。

それでは皆様、ごきげんよう。


六花の軌跡【魅悠】 6

2020-08-09 20:35:21 | 六花の軌跡【魅悠】
「遂に冬眠から目覚めたんだね。そう彼女に言われてやっと、俺は気付いたんだ」

「何に気付いたんですの?」

「単なるダチじゃなく、一人の女性として悠理を見てたって事にな。しかも、我を見失いそうになるくらいに」

無意識のうちに抑えこんでたんだろうな。
悠理に対する想いを。
有閑倶楽部内での均衡を保つ為に。
だから、彼女の言う深意に気付けなかった。
しかし───


「悠理への想いに気付いた以上、そ知らぬ顔して彼女と付き合う事は出来ねぇ。自分の心を偽ってまで彼女と付き合うってのは、彼女に対して失礼だ」

「では、正直に『別れて欲しい』と言いましたの?」

「いや。向こうから『別れて欲しい』って切り出してきた」

彼女は大の少女漫画好きで、そういう世界に憧れを抱いてたんだと。
そんな中、俺との出会いが運命的なものに思えたらしくて、好きになったそうだ。
いや、正確に言うと『好きになったつもり』でいたってヤツだな。
で、少女漫画の世界では、その運命的な出会いがキッカケとなり、二人は付き合う様になるんだと。

「でも、いざ付き合ってみると、漫画の主人公みたいなドキドキやワクワク感が全く湧いてこないし、デートしても高揚感ゼロだし、何だかなぁって言われてよ。挙げ句の果てには『好きとか付き合うとか、それがどういう事なのかよく分からない』とまで言われたぜ」

「まぁ!つまり、彼女は恋に恋してただけで、別に魅録に恋していた訳ではないと?」

「ま、そういうこった。本人がそう言ったんだから、間違いないだろ」

「本当は魅録が好きのに、肝心の魅録の心は悠理に向いている。だから彼女は、自分の心を押し殺して身を引いた。そんな可能性もあるのではなくて?」

「悠理への想いを認めた俺に、少女漫画で得た知識を披露し、あーだこーだアドバイスしてくるんだぜ?そんな人間が、俺に未練を残してるとは思えねぇよ。仕舞いにゃ、悠理に早く告白しろってせっついてくるし」

勇気を出して一歩前に踏み出せ。殻を破れ。
後悔先に立たずを地でいくつもりか。
悔やんでも悔やみきれないだろうが。
悠理が他の男にかっ拐われるのを、指をくわえて黙って見てるつもりか。情けないぞ。
そんな説教じみた事を言われたんだ。
何かさ、拍子抜けするよなと話す俺に、野梨子はふっと表情を和らげながら、眠っている悠理にチラリと視線を向けた。

まあ、眠っていると言うより、眠っている『フリ』と言った方が正しいんだがな。
けど俺は、敢えて気付かぬフリをする。
悠理がとっくの前に目覚めていて、ずっと狸寝入りをしながら俺達の話を聞いている事に。

「魅録、うかがいたい事がありますの。宜しくて?」

「何だ?」

「その彼女と再会されたのは、今回のお仕事で?」

「ああ」

「それ以前にお会いになった事は?」

「あるワケねぇだろ」

そもそも連絡先も知らねぇのに、どうやってコンタクト取るんだよ。
例え連絡先を知っていたとしても、コンタクト取る気なんて更々ねぇよ。
そう口にする俺に、野梨子は一つ頷いてみせてから言葉を続けた。

「再会されて、悠理との関係は話されましたの?」

「関係?・・・ああ、結婚してるって事か。当然、話したぜ?」

「その時、彼女は何と?」

「よかった。ちゃんと私の手紙を読んで、実行に移してくれたんだねって言ってたな」

「て、手紙!?」

「何の事を言ってるのかその時は分からなかったけど、取り敢えず話は合わせておいた」

厳密に言うと『悠理に託した手紙』って言われたんだけどな。
だが、そこの部分は敢えて濁しておいた。
じゃないときっと、悠理を追い詰める事になるだろうから。
だから俺の口からは言わない。

何もかもを正直に話す必要なんてないだろ!?
話したところで、悠理を傷付けるだけだ。
だったら、俺からはその部分に触れない方がいい。
もし何かあれば、悠理の方から切り出してくるだろう。
そんな事を胸の内で呟いていたら、野梨子がまたも昔の彼女について訊ねてきた。


「何だよ。まだあんのか?」

「魅録は何故、彼女と付き合おうと思いましたの?」

「はっ?」

「彼女が好きだから、お付き合いをされたのでしょう?」

「そりゃまあ、好きじゃなきゃ付き合わねぇよな」

「その割りには未練なくサッパリ別れましたのね。いくら悠理への想いを自覚したとは言え、悩んだりしませんでしたの?彼女と別れるという決断に」

「悩んだり?いや、ねぇな」

薄情だと言われようが、酷い男だと言われようが、一点の曇りもなく別れられた。
何故かって?
そりゃ、決まってんだろ。
さっきから何度も言ってるが、悠理に対する想いに気付いたからだよ。

ハッキリ言っちまうと、悠理以外の女はいらねぇと断言出来るくらいに惚れてたからな。
いや、現在進行形で惚れて「る」んだけどな。
だから、彼女と別れた事に対して何の後悔もしていない。

「悠理に対する好きと、野梨子や可憐や彼女に対する好きとは種類が違う。それに気付かぬまま付き合っちまった」

「・・・その彼女に対する『好き』は、私や可憐に対するものと同類だと?」

「だな」

「では、もう一つ。その彼女が王女チチに似ていたから、お付き合いされた訳ではありませんの?」

「はっ?」

「少なくとも、悠理はそう思ってますわよ?」

思いもよらぬ名前を耳にした俺は、思わず口を半開きにし、呆けた面を無防備にも晒す羽目となった。

えっと・・・どういう事だ?
付き合ってた彼女がチチに似てただって?
そんな風に思ってたのか、悠理のヤツ。

「似てたのは、髪の長さくらいだろ」

「えっ?」

「正直言うとよ、ボンヤリとしかチチの顔を思い出せねぇんだよな。つうか、白状すると覚えてねぇ」

「覚えてない?王女チチの顔を・・・ですの?」

「ああ。今はもう、思い出す事すらねぇよ」

「でも、その当時は覚えてらしたでしょ?王女チチを」

「だからと言って、付き合ってた女とチチが似てるとは、一度も思った事ないぜ?」

それじゃまるで、チチの身代わりとして元彼女と付き合ってたみてぇじゃねーか。
そんな、チチにも元彼女にも失礼な事、しねえっての。

マイタイ王国から帰ってきてしばらくは、確かにチチの事ばかりを考えてたさ。
だからと言って、チチの面影を追ってた訳じゃねーし、チチ似の女を求めてた訳じゃねーし、そもそも、そんなつもりは毛頭ねーし。

「チチはチチだし、元彼女は元彼女だ。比べる必要がどこにある!?」

「・・・そうですわね」

「だから、元彼女とチチを重ねて見た事なんて皆無だ」

「分かりましたわ」

「っと。ワリィ、部下から電話だ。少しだけ席を外すから、悠理を頼むな」

「はい」

そう言いながら、寝たフリしてる悠理にチラリと視線を這わせた俺は、受信ボタンを押しながら部屋から出て行った。


〈あとがき〉

悠理の憂いが一つ消えた・・・かな?
硬派で照れ屋でウブな魅録が、こんなに饒舌に語るかねぇ!?
ま、いざ腹をくくったら、誰よりも自分の気持ちをぶちまけそうではあるけど・・・。





相合傘(あきつく)

2020-08-08 11:53:23 | 短篇(花より男子)
雨の降る日は嫌いだった。
だって、辛くて悲しくて苦しかった出来事を、思い出してしまうから。
でも、今は───

「今日は、鎌倉にあるレストランに行ってみないか?」

「鎌倉のレストラン?」

「ああ。雨の日に来店して食事をすると、10%割引になるんだってよ」

「わぁ!」

「つくし、好きだよな?割引」

「もちろん大好き!」

「よし!じゃ、行くか」

「うん!ありがとう、あきらさん」

いつだって貴方が傍にいるから。
だから私は、雨が降っていても平気。
憂鬱な気持ちにはならないの。
それに、貴方に告白された日も、初デートの日も、初お泊まりの日も、全て雨の日だったでしょ。
だから私は、雨が降っていても大丈夫。

そう言えば、告白された日はしとしと雨が降っていたっけ。
相合傘をしながら帰路に着く途中、さりげなく『好きだ』と言われたのを、昨日の事のように覚えている。

初デートの日は、これまた雨が降っていた。
相合傘をしながら博物館に行き、貴方の博識ぶりに驚かされたのを、今でも覚えている。

初お泊まりの日も、当然の如く雨が降っていた。
相合傘をしながら竹林に囲まれた高級旅館を訪れ、湯上りした貴方の色気に胸を高鳴らせた事を、鮮明に覚えている。


「ニヤニヤしてどうした?」

「へっ?べ、別にニヤニヤなんて・・・」

「思い出し笑いか?スケベだなぁ、つくしは」

「ちょっ!?スケベって何よ!?」

「違うのか?」

「あきらさんと一緒にしないでよ」

「それは残念。つくしもスケベなら、あ~んな事やこ~んな事も試せるのになぁ。ベッドの中で」

「あきらさん!」

「あははは」


雨の日の嫌な思い出を、貴方が塗り替えてくれた。
だから私は、雨の日が嫌いじゃない。
むしろ、雨の日が好きになった。


「食事の後、行きたい店が湘南にあるんだけど、寄り道していいか?」

「うん。私は構わないけど」

「よかった。つくしと一緒に訪れないと、意味がないからな」

「意味がない?」

「ああ。本人不在で指輪なんて買えないだろ?」

「・・・えっ?指輪って」

「ペアリングだよ。取り敢えず今は、それで我慢だな」

「我慢?」

「結婚指輪は、俺の抱えてる仕事が落ち着いてから買いに行こう」

「結婚指輪!?」

「何を驚いてんだ?」

「だ、だって・・・何の前触れもなく急に・・・それに、その・・・」

「プロポーズもされてないのに、それをすっ飛ばして結婚指輪だなんて~ってか?」

「ゔっ!」

「図星か。何だ、つくしはロマンティックなプロポーズを夢見てたのか。そういうのは苦手だと思ってたよ。まだまだ勉強不足だな、俺は」

「ち、違───」

「じゃ、つくしの退社時間に合わせて、真っ赤な薔薇の花束を持って勤務先まで迎えに行くよ。で、退社する人達の前でプロポーズするか!?」

「げっ!」

「それとも、夜景の綺麗なホテルのラウンジで、カクテルの中に結婚指輪を入れてプロポーズするか!?」

「どっちもイヤぁ~!」

「ぷっ!」

「あ、私をからかったのね!?あきらさんのバカ!もう知らない」

「悪い悪い。今日の食事はご馳走するから、機嫌直してくれよ」

「・・・デザートは?」

「そりゃ勿論、ご馳走してもらいます。つくしちゃんっていう甘いデザートを」

「ばっ、バカー!意味が違うっての!」

「あははは」


今ではもう、雨が降っても悲しくない。
苦しくも辛くもない。
だって、いつでも貴方が寄り添ってくれるから。
笑顔と元気と、生きる活力を与えてくれるから。

だから私は、貴方との思い出が沢山詰まった雨の日が大好き。


〈あとがき〉

何を血迷ったか、急に「ベタな恋愛話を書きたい」と思ってしまい、この様な話を書いてしまいました。
突発的に書いた話なので、駄作も駄作です。
ま、突発的に書かなくても、駄作だらけですけどね・・・(泣)


うまずたゆまず(あき→つく←総) 5

2020-08-04 10:34:58 | うまずたゆまず(あき→つく←総)
「私の人生に関わらないで下さい」

そんな思いもよらぬ言葉を投げつけられ、動揺するなと言う方が無理である。
現に、取りつく島もないほどつくしに拒絶されたあきらは、驚愕のあまり全身を戦慄(わなな)かせている。
おまけに、口の中がカラカラに渇き、まるで舌の根が喉に貼りついたかの様に、言葉が出てこない。
そんなあきらの姿を一瞥したつくしは、再度同じ言葉を口にすると、必ず私の望みを叶えてほしいと付け加えた。
しかし───

「い・・・やだ」

「えっ?」

「嫌だ。そんな事・・・できな・・・い」

やっとこさ絞り出すように声を出したかと思うと、自分の要求を突っぱねてきたあきらに、つくしは眉間にシワを寄せ不快感を露にした。

「何故?」

「何故って、それは───」

「左目だけではあき足らず、右目の視力も奪わないと気がすまない。そういう事ですか?」

「バカを言うな!」

「では何故、私の人生に関わるなという要求を突っぱねるんです?」

私の命が尽きるまで、とことん追い詰めないと気が済まない・・・そういう事ですか。
徹底的に叩き潰すつもりなんですね。
それほど、私が目障りで邪魔って事か。分かりました。
と、怒りの炎を静かに燃やしながら、地を這うような低い声でそう言い放ったつくしに、あきらは必死に「違う」と否定した。

「牧野が目障りだとか、邪魔だとか思った事ねぇよ。勝手に決めつけんな」

「そうでしょうか?」

「牧野!」

「もしそうだとしたら、私の人生に関わる必要はないでしょう?なのに、貴方は出来ないと言う。でしたら、その理由をお聞かせ下さい」

「それは・・・だな」

「・・・」

「牧野と繋がっていたいからだよ」

「繋がる?」

「そうだ。これから先もずっと、牧野と繋がりを持ちたい。何故かって?それは、俺が牧野を好───」

「あきらっ!!」

今まで傍観していたあきらの父親が突然、鋭い声色で息子の言葉を遮った。
その声色から察するに、何が何でも先に続く言葉を言わせまいとする強い意思が伝わってくる。

「その先は絶対に言うんじゃない」

「親父!?」

「言えば、何があろうと受け入れてもらえん。お前の存在自体を拒否される。そもそも、今のあきらにその言葉を言う資格はない」

「っ!」

「いいか?あきら。もう一度だけ言う。今はまだ言うな」

「・・・今は?」

「そうだ。今のあきらに信頼は置けん。血へどを吐くような努力をし、血の滲むような思いをしなさい。一人の男として、誠意を見せろ」

「それが出来たら言ってもいいと?」

「それは、あきらの努力次第と、牧野さんの気持ち次第だ」

牧野さんの気持ちを無視したり、心を踏みにじったり、傷付けたりする事は許さん。
相手の迷惑省みず、自分都合で突っ走ったりするな。
そう付け加えた父親は、

「牧野さんも疲れてる。ママと一足先に帰りなさい」

家に帰るよう、あきらに促した。
その物言いは、有無を言わさぬ程の強さを秘めており、さすがのあきらも従わざるを得ない。
だからあきらは、渋々ながらも父親の意に従い、母親と一緒に病室から出て行った。

そんな息子の姿を横目で見、気配が完全に消えるのを確認したあきらの父親は、つくしへと視線を移すと軽く頭を下げ謝罪した。

「牧野さんの都合も考えず、息子が押し掛けるような真似をして申し訳なかった。さぞや、不愉快な思いをしただろうね」

「・・・」

「あきらには灸を据えておくから、今日のところは許してもらえないだろうか」

口先だけではない心からの謝罪に、つくしは頷いてそれを受け入れた。

他の三人の親とは違い、あきらの両親は心の底から申し訳ないと思っている。
それがヒシヒシと伝わってくるからこそ、つくしは頷いて是と応えたのだ。
そんなつくしの様子を目にし、ほっと胸を撫で下ろしたあきらの父親は、穏やかな表情をのぞかせながら、引き続きつくしに話しかけた。

「そうそう。あのお寺に行って、琵琶奏者の名前を聞いてくるんだったね」

「・・・」

「名前だけ確認すればいいのかな?何だったら、演奏会の予定があるのか聞いてこようか。その上で牧野さんが嫌でなければ、チケットを取ろうかと思うんだがどうだろう」


別に、へりくだる訳ではない。
あくまでお伺いをたてるカタチをとり、最終的な判断をコチラに委ねようとするあきらの父親に、つくしの頑(かたく)なだった心が、ほんの少しだけ和らいだ。

雰囲気も口調も穏やかだが、話の持っていき方は少し強引。
だが、それを不愉快とは感じさせない独特の空気感。
コチラを卑下する事もなく、あくまで一人の人間として接してくれる誠実さ。
それらを肌で感じたからこそ、つくしはこの紳士を信じてみようと思った。


「・・・もう1つ、お願いがあります」

「なんだい?」

「牧野つくしという存在を、跡形もなく消して下さい」

「はっ?」

「生まれ変わりたいんです」

権力者や権力者に追随する人間に馬鹿にされ、コケにされ、虐げられる。
娘に愛情のカケラすらなく金蔓扱いし、利用する。
そんな世界から抜け出したい。
新しい世界に行ってみたい。
だから、

「この世から、牧野つくしを抹殺して下さい。お願いします」

自分の存在を消し去ってほしいと、あきらの父親に懇願した。


〈あとがき〉

思うように話が進まない。
当初とは違う流れになってきてるなぁ。