ちょっと下ネタ系になります。
そういった類いが苦手な方は、回れ右でお願いします。
幸運な事に、好きになった人に『好きだ』と言ってもらえたつくしは、いわゆる異性交遊なるものを始めた。
彼氏と動物園やピクニックや買い物に行ったり、レストランやカフェで飲食したりと、夢のような時間を過ごしている。
・・・んが!
一緒に過ごす時間が増えれば増えるほど、もっと相手の事を知りたいと思うし、もっと近付きたい、触れたいと願う自分がいる。
それに気付いてしまったつくしは、アレやコレやと頭を悩ませ中だ。
「私から手を繋いでもいいのかな。何か、ガツガツした女だなってドン引きされない!?き、嫌われちゃったりしない!?」
本音を言えば、腕を組んで歩きたいし、肩を寄せあいながらベンチに座りたい。
もうちょっと踏み込んで言えば、頬や額にチューなんてものもしてもらいたいのだ。
「くくく唇にチューもそのうち・・・ギャー!」
彼氏のキレイな唇が自分の唇に重なる。
それを想像しただけで、つくしの胸はドキドキしっぱなしだ。
「唇にチューなんてしたら、不純異性交遊になっちゃわない!?校則で罰せられたりしたら停学、下手したら・・・退学!?」
顔を強張らせながらそんな事を口にしたつくしは、別にふざけている訳ではない。
本当にそう思っているのだ。
っつうか、チューくらいで退学になるはずがない。
もしチューで退学になるのなら、それ以上の行為をしてきたつくしの彼氏は、とっくに英徳から消えている。
永久追放の憂き目に遭っているだろう。
しかし、今のつくしにはそこまで思い至る余裕はない。
「でも!いつかはチューしたいなって思うし、チューより先も・・・ぎゃあ~!恥ずかしい」
女の自分からそんな事を言うなんて、破廉恥だって思われないだろうか。
愛想つかれたりしないだろうか。
などと、あ~だこ~だと一人で思い悩んでいたつくしだったが、
「堂々巡りだよね」
何の解決にもならない事にやっと気付いた。
「ここはやっぱり、私より大人の階段登った人に話を聞いてみないと」
そうポツリ呟いたつくしは、善は急げとばかりに何処(いずこ)かへと猛ダッシュした。
「えっ?」
「いや、あの、だからね、優紀って西門さんと大人の階段登ったでしょ?それって、どうやってそんな流れに持ち込んだのかなって」
「大人の階段って・・・そんな回りくどい言い方しなくても、エッ───」
「うわぁ!はははハッキリ言わなくてもいいから!」
「つくし、案外シャイなんだね」
「そそそんな事はどーでもいいから、優紀の話を聞かせてよ」
「う~ん・・・確か『温めてあげます』って私が言って、西門さんが『温めて。俺がリードするから大丈夫』的な返事をしてくれたような・・・」
「温めてあげます!?そんな言い方しただけで、体の関係に持ち込んだの!?」
「体の関係に持ち込んだって言い方、何かすごく卑猥に聞こえるんだけど」
「それで!?優紀から誘って、西門さんはドン引きしなかったの!?」
「全然」
「そ、そっか・・・って、アレ?確か西門さん、優紀に『恋愛感情を抱く事はない』って言ったんだよね?」
「うん」
「それなのに、優紀と関係を持ったの!?西門さん」
「まぁ・・・男の人は恋愛感情なくても、女性を抱けるって言うしね」
「ななななんですってぇ~~!?」
「ちょっ、つくし!?髪が逆立ってるよ」
「エロ門のヤロウ、恋愛感情ないくせに優紀のハジメテを奪いやがって!女の敵め!エロ門ジュニアを剪定ばさみでチョン切ってやる!」
「何で剪定ばさみ!?って言うか、同意の元でエッチしてるからね!?」
「とんでもない色魔だなエロ門。これ以上の被害者を出さない為にも、やっぱりチョン切ってやらねば!欲望の赴くまま女性を抱くとは、何て恥知らずな男なんだ!」
「つくし、人の話を聞いてる?」
「・・・はっ!?ま、まさか・・・そんなエロ門とマブダチな美作さんも、恋愛感情ナシに女性とニャンニャン出来ちゃうって事!?そ、そうだよね。私と付き合う前って確か、夜な夜なエロ門とクラブ行って女漁りしてたっけ」
「あ、か、過去は過去だから。大事なのは今!心配しなくても今の美作さんは、つくしにゾッコンラヴだから。ね?」
「チューどころか手さえ繋ごうとしないのは、私とニャンニャンする気がないから!?女性としての魅力がないから・・・そうなのね~~!」
「多分違うよ。本当につくしの事が大好きで大事にしたいからこそ、臆病になってるんだと思う。簡単に手を出して嫌われたら元も子もないって思ってんじゃないかな」
「ささやかなオッパイに幼児並のウエストだから・・・そ、ソノ気にならないんだ・・・私じゃ勃たないんだ~~うっわ~~ん!」
「一人で暴走しないの!って言うか、恥ずかしい言葉をサラリと口にしないで・・・え?あ、コラ、どこ行くの!?つくしぃ~~!」
〈あとがき〉
ここで停滞したまま放置されていたので、蔵入り部屋に直行です。
あきつくなのに、あきら全く出てこないし(笑)