思春期の頃、ご近所さんで集まって近くの日帰り温泉施設に誘われることがよくあった。
我が家は、私の塾通いを口実に毎回お断り。
実際は塾がない日も、健康ランドに行くことはなかった。
何のことはない。母が皆とお風呂に入るのが嫌なのだ。
生まれ育った環境や、これまでにしてきた経験によってそういうものって生まれるから仕方ないとは思うけど、
うちの母のそれはまたちょっと違うもののように感じられた。
なぜなら、大人になってから、法事などで田舎に行った際、温泉に泊まってもわたしとお風呂に入ることが断固拒否だったから。
わたしと一緒になりたくないから、部屋のユニットバスでシャワーを浴びて済ませていた。
思えば、小学校の頃運動会などで成長の早い私の、同級生をみては、「あの子は胸がゆっさゆっさしていてみっともない」
「あの子はもう生理が始まったんだって。、はやすぎる」などと同級生の悪口を言った。
そんなな、個人差あるだろうよ、、、と子供の私はその悪口の理不尽さに震えた。
初潮がきたら、わたしもみっともないと思われる。身体が女に近づいたら、みっともないと言われる、、、
本当に恐怖だった。
その恐怖はやがて高校生になり、友達と友達のママと健康ランドに行った日まで続いた。
なんだ、普通の親子ってこうで良いんじゃん。女同士だもの。
友達と友達のママのおかげで、わたしは温泉に入れる子になった。
いまでも温泉に行って、思春期の女の子が普通にお母さんとお風呂に入っているのをみると、なーんだ!これが普通じゃん!と、安心するとともに、思春期のわたしが顔を出して心のうんと奥の方がズキンとする。
子供が本当に小さなこどもであることにこだわったのか知らないが、わたしは今でも性的虐待であったとおもっているのだが
とにかく、ことあるごとに父とお風呂にいれられた。家族旅行に行った時など、家族風呂に父と入れと命じる。
嫌がると「家族じゃないの!」と、、、
彼女はまだ、幼児だった弟と二人で。
余談だがちなみに、わたしは弟がずいぶん大きくなってから
母が脱衣所で「まだ出るかしら?」といいながら、嬉しそうに授乳するように乳首を咥えさせていたのみてしまったことを覚えている。弟はすでに幼稚園に通っていたと思う。
気持ち悪い、、、、本当に嫌だった。
母はわたしとお風呂に入ることを拒否するのに、なぜ、父とお風呂に入るように強要したんだろう?
いつも泣いていた。父が帰ってこないように願った。いたずらこそされなかったけど、胸が膨らんできたねなどといわれたときは力があればこの風呂に沈めてやるのにと本気で思った。
嫌だった。本当に嫌だった。あの頃、わたしは写真の中で一枚も笑っていない。
本当に嫌だった。
海外だったら逮捕されるような出来事なんだと知ったとき、わたしは我慢ができず、この時のことを母に訴えた。
「あれは性的虐待だった。わたしは、あんなに嫌がってたのに。何のためにあんなことを強要したのか?せめて、今、心から謝ってくれと。」
母はあざわらうかのように鼻を鳴らして
「嫌って言えばよかったじゃないな。良かれと思っていたのに」
とのたまった。
この家は狂ってる。
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