天沼春樹  文芸・実験室

文芸・美術的実験室です。

帰りつかない夢ばかりみている。

2011年11月08日 20時52分06秒 | 文芸

奇妙な夢をみた。長野かどこかの山の旅館での合宿が終わった。みんなはバスに乗りこんでいき、自分だけは自転車で東京まで帰えろうとしている。道はわかっているつもりで、いくつか町をとおりぬけていく。夜だ。どの街も暗く、人もすくない。道はわかるといっても本能的に漠然とした方角にむかうだけだ。見知らぬが、いつか見たような町の景色がいれかわり変化していく。東京まではまだ100キロ以上もありそうだ。こういう自転車で見知らぬ町を帰る夢はときおり見ているが、きまって見覚えある景色をさがしている。さて、大きな町にでてきて、夜だというのに人も車も通行が多くなる。交差点に大がらな外国人女性がたって、人の波を交通整理している。自転車のわたしになにかいっているが、わからない。わたしは、ここらで何か食べておこうと思いつく。みまわすと、ちかくにマクドナルドの看板が見える。ま、しかたない、と店のなかにはいってみると、マクドナルドは看板だけで、田舎のパン屋が座敷を休憩場にしているだけだった。汚いガラスケースに調理パンがドサドサならべてあって、店番の兄ちゃんが、どれにするか?ときいてきた。やむなく、いちばん小さいホットドッグをたのむ。畳敷きの休憩場のテーブルにはサービスなのか座布団の数だけ、ミカンが置いてあった。そこで夢が終った。帰りつかない夢ばかりみている。