八障連ブログ

八障連(八王子障害者団体連絡協議会)運営委員会より、情報提供を行っています。(「八障連について」カテゴリーを参照)

通信362号をアップします。

2021年02月14日 | 八障連通信
通信362号をアップします。


通信362号【音声版】はこちらから


ここからは通信本文です。

梅雨が明けた後に一気に暑くなり、今年はマスクが必須なためか、例年より
暑さを感じてしまいます。そんな中、新型コロナウイルスの感染は落ち着
きを見せたり再燃を繰り返したりと、なかなか通常の生活には戻れず大変な日々を過ごされていることと思います。厚生労働省として各市区町村に「障害者支援施設は、利用者の方々やその家族の生活を継続する上で欠かせないものであり、十分な感染防止対策を前提として、利用者に対して必要な各種
サービスが継続的に提供されることが重要」と事務連絡としてあります。しかし、現状としてそれぞれの事業を継続するための予防など提示がありましたが、実際の PCR 検査等の対策は打ち出されてなかったと思われます。八障
連としましては、ワークセンターと連名により「すべての障害当事者及び難病者及び入通所施設やヘルパー事業所、訪問看護等の当事者を取り巻く社会資源や、そのような社会資源を活用し生活されている方々に対し、PCR検査の希望があれば何度でも無料で受けられるようにしていただきたい」ということで、添付してある要望書のとおり、8 月 31 日に八王子市障害福祉課へ提出してきました。回答に関しては管轄しているところの違いもあり、時間
をもらいたいとの説明がありました。
新型コロナウイルスの感染疑いの方が出たときの状況を簡単に説明すると、保健所に相談をするとまずはかかりつけ医もしくは近隣の病院を紹介。その後結果が出るまでにかかった日から 4 日間症状の変化がなければ PCR検査を行える病院を紹介。その後予約に空きがあれば即検査となりますが、空きがなければ自宅療養。検査を受けても結果が出るまで症状が軽ければ自宅療養。検査を受け順調にいけば翌日に結果が出るが、土日を挟むとその分遅くなる。結果は基本個人情報のため施設への連絡はない。このような対応により、周りの方々が不安な日々を過ごされていたケースも少なくありません。事業所としても閉所するのか継続して開所をしていくのかの判断ができず、苦しまれた期間があったとのこと。医療機関の大変さも重々承知しておりますが、やはり厚生労働省からの通知の中で施設の開所継続をする事業という位置づけであるのであれば、可能な対策を講じていただきたいという思いはあります。ましてやこれからの時期、インフルエンザもあります。
その中でどのようにこの新型コロナウイルス対策をするべきなのか考えておかないと各事業所がクラスターになる可能性は少なくありません。今回のワークセンターさんと共同で提出した要望に関して回答がありましたら、また皆様にお知らせをしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
話しは変わりますが、毎年行っていた障害福祉課との話し合いについてですが今年は新型コロナ感染ウイルスのリスクを避けるためにも、開催方法を検討せざるを得ないのですが、皆さんからの貴重なご意見をまとめていきたいと考えております。ご意見ご希望お寄せください。よろしくお願いいたしま
す。(文責/事務局 立川)


八障連通信 362 号をお届けします。コロナ過の第 2 波もなんとなく終息が見えてきたかなと思われる今日この頃ですが、秋から冬にかけて「第 3 派」が来るとの予測もありますので油断は禁物です。さて今号では先月に続いて連載コラム 2 編と闘病記その 45 となっていますが、ともに力作ですのでぜひお読みくださいネ。(編集部 Y)


このまちで暮らす目の見えない生活者の一人として、私がいつも心がけていることがあります。それは、目が見えない私が一人で街に出て、そこで出会った人に働きかけて、サポートを受けつつ生活すること、常にあゆみ寄りをし続けることです。
一人暮らしになった私は、必然的にそうせざるを得ないこともあるのですが、買い物や手続きに単独で出かけて、実際に接客してくださる方に、必要なサポートをしていただきながらサービスを受けるのです。私はとてもずうずうしいので、「こんな手間のかかるお客が来ても、きちんと接してくださいね」という思いも持っているほどです。
その家電量販店では、いつも私向けの様々な個別サポートをしていただいています。レジやエレベーターなどに案内することはもちろん、購入した時計を実際に使えるようにするまでの初期設定をしてもらったり、使い方を教わってメモしたり。
そんなやり取りを何度も繰り返すうちに、見えないお客への対応方法を店員さんが身につけて、私が黙っていても、店員さんの側から「エレベーターまで案内しますね」などとすすんで声をかけてくれるようになりました。八王子市で以前出した福祉ガイドマップにも、「障害者にやさしいお店」の一つとして掲載されています。
そして、そんな中で出会ったのが、私が「おしゃべり扇風機」と呼んでいる家電品です。今回は、その商品を購入しに出かけたときの様子や私の思いを書かせていただきます。
暑がりの夫がいなくなったあとの我が家では、以前夫が経営していた洋食店
で使っていた数 10 年選手の大型扇風機が、昨年の夏までずっと活躍していました。しかし、羽が割れたり保護カバーのねじが抜け落ちたりして傷みがひどくなったので、この夏の初めに、ついに買い替えることにしました。
私にとって、それはエアコンの冷気を室内に散らす、いわばサーキュレーターの役割を持たせるためのもの、また、夜間に寝室で、眠りに入る前に心地よい風を得るために必要なものなのです。そこで 6 月の初旬、いつも利用している、家の近くの量販店に、盲導犬のアーサと出かけました。
家電品コーナーの受付カウンターで、扇風機の商品選びの手伝いを依頼すると、女性の店員さんがてきぱきと私に対応してくださいました。そして、しばらく陳列棚を見て「声が出るものが 1 機種あるんですが、触ってみますか」と言うので、もちろん興味を持って、詳しく説明していただくことにしました。
その扇風機は、山善(Yamazen)という家電メーカーで出している高級モデルです。それは私がイメージしていたコンパクトなものとは違って、最長の高さが床から 90 センチ以上、羽の外周の直径が 35 センチという大きなものでした。でも、音声による操作ガイドがあり、モーターの駆動音がとても小さいというお話に魅力を感じて、見本品を私自身で動かしながら、店員さんの説明を聞くことにしました。
扇風機の風の量や首の動きは、肌に伝わる空気の流れで容易にわかります。しかし、入り/切りのタイマーの時間をセットすることなどには、音声ガイドが欠かせません。その機能は、本体かリモコンのボタンを手で押すごとに作動します。「電源が入りました」「首振り運転を開始します」「切りタイマーを 1 時間にセットしました」などと、若い女性の声で元気に伝えてくれます。首振り状態にすると、羽部分が私の前で左右にとてもゆっくり動いて、やさしい風を運んでくれました。
また、温度センサーが付いていて、設定に従って自動的に風量を調節して、エアコンほどではないけれど、室温を調節する機能があるという説明も魅力的でした。そして、扇風機の風量が、いちばん弱い「そよ風」から「最強のターボ」まで 5段階あるのですが、どのモードも、機械の駆動音がとても静かなことも好ましい点の 1 つでした。昨年まで我が家にあったものはモーターの駆動音が大きくて、周りが静まった深夜など、その音が気になって眠れないことも、私にとっては悩みのタネだったのです。
「音が静かで、いいですね」と私が感心した様子を示すと、「この機械では直流モーターが使われているので、音も静かなんです」という説明が、すぐに返ってきました。
その扇風機の値段は約 15,000 円、想定額の 3 倍の、私にとっては高額商品でしたが、その店員さんの適確な説明ぶりに納得して、私は迷わずその扇風機を購入しようと決めたのでした。道具というのは、自分自身に使いやすいものでなければいけません。だから、家電品を長期間使い続けるには、値段は高くても、自力で操作できるものを選ぶことにしているのです。
さて、その扇風機を我が家で実際に使い続けて困ったことが一つありました。それは、居間の板張りの床に扇風機を直接置くと、その底面が滑りやすいことです。私が不注意に動き回って機械にぶつかったら、倒れてしまいました。羽の部分が本体の柱から外れて、実際にメーカーで修理もしていただいたほどです。そこで、扇風機の下に少し大き目のゴムマットを敷いて、衝突する前に扇風機の存在を確認できるようにするという対応策を講じています。
夏の季節が終わろうとしている現在でも、その「おしゃべり扇風機」が心地よい風を運んでくれて、私はゆったり気分で過ごすことができます。商品の当たり外れと言いますが、これは「当たり」の商品だと私は確信しています。そして、今後必要なもの、欲しいものがあったら、同じ店に出かけて探したいとも思える、この夏の酷暑も吹っ飛ばすほどの、うれしい体験でした。


とある大学の授業で、ゲストティーチャーとして講話を依頼された時のことです。授業前の打ち合わせを終えて、あとは聴講生が来るのを待つだけという時の、ちょっとした雑談の話題です。私と一緒に授業を進めてくださる先生が...こんなことを仰っていました。
《障害のある子どもと障害のない子どもが、同じ教室で過ごすためには》というテーマで、学生さん同士が討論するという形式で、授業を進めていた所...、「私は教室のバリアフリーに反対します!」と、妙に熱を帯びて話す学生さんがいたそうです。
「なぜ反対なんですか?」と、先生が尋ねたところ...、「障害児なんて、何考えて、何するかわからない。だから怖い!ってその子(学生さん)が言うんですよ」と、先生が苦笑しながら、私に伝えてくれました。
よくよく話を聞いてみたらばその学生さん、小学校の時にクラスの中に知的障害の同級生がいて一緒に授業していたそうなのですが、知的障害の子がなんの前触れもなく奇声をあげて暴れだし、巻き添えで、そのとばっちりで怪我をしたということでした。小さな子どもの頃でしたから、機会の均等、権利の平等なんてものは理解できず、『なぜこんな怖い人(知的障害児)を同じ教室にいさせるのか』という疑問ばかりが募ったそうです。難しいテーマです。
「私と同じように怖い思いをする健常児を増やすのですか?」・「あの時受けた心の傷は、どう癒せばいいんですか?」とは、その学生さんの言葉。無理もありません。怖かったでしょうね。それを聞いた先生と、その話を先生から聞いた私の意見は、奇しくも同じでした。つまり、《お互いに未成熟で経験値が少ない子どもなのだから、摩擦があるのは仕方ない。
問題なのは、トラブルが起こったあと、周りの大人が何もしなかったことだろう》ということなのです。この場合パニックを起こした知的障害のお子さん、とばっちりを受けて傷ついたお子さん、どちらも被害者だと認識します。
知的障害のお子さんは...、何かしら脳と心にストレスが溜まりそれが奇声や問題行動を誘発したのだと思います。おそらくは、『誰それちゃんにいじわるをしよう。傷つけてやろう』という周到な計画性までは持ち合わせていなかったと思います。
巻き込まれたお子さん(学生さん)は、ただ気の毒です。何も悪いことはしてま
せんからね。ただその場にいただけです。とても気の毒です。
また、私と、大学の先生は結論も同じでした。《だからと言って、同じ場所で学ばせないという理由にはならない》というものです。
そもそも、同じ年代の子ども同士。学校のクラスメイト、同じ教室で学ぶ児
童というだけで、たとえ障害が無かったとしてもお互いに『何をするか分からない』、『何を考えてるのか分からない』ような他人と一緒にいるのは同じです。
誰でも、腹の底が読めない。本音が分からない者同士が、同じ教室に一緒にいるということには、やはり変わりがないのです。互いに、誰と仲良くなるか、誰と距離を置くかを、善し悪し含め様々な経験の中から学ぶのが、集団生活の目的です。(次号に続く)


もうちょっとで三途の川を渡るところだったが、祖父母と母の身振りで此岸に留まることができた。その後も Dr の診察、Ns のバイタルチェックや処置以外の時はウトウトまどろんで夢か幻か幻覚か不思議な世界を彷徨っていた。1 回目の手術の時より術後の経過が良くないような気がした。正確に言えば、良いも悪いも感じることなくいろんな夢ばかり見続け、殆どを寝ていた。何度かそれらの夢が普段夜見る夢より現実感が強く、夢の中へ現実の私が乗り込んでドタバタしているような体感が伴った。当然他の登場人物もリアルであった。
一般病室に移って 4 日目の午前中、ある瞬間にハッと気が付いた時、今となっては中身をよく覚えていないのだが喧嘩だか騒動だかの渦中で大暴れし、大声を上げている自分がいた。普段よく見る夢と違って、実際に身体を動かす感覚や声を出す感覚を伴っていた。それと共に病室内の物音、人声もおぼろげながら聞こえてきはじめた。その状況は意識がはっきりと覚醒しないまま暫く続いた。そのうち段々意識がはっきりしてきて、夢というより幻覚じゃないかと認識し始めた。
そうすると、それまでのいくつかの幻覚が走馬灯のように頭に浮かんだ。言い争いがあり、取っ組み合いがあり、艶めかしいものもあった。登場人物は誰それと分かる日常的に行き来がある人達だった。その点も普段夜に見る夢とは違う生々しさを伴っていた。痴話ものの相手の女性が誰だったかは忘
れてしまったが、どんな風に周りには映っていたのかなとヒヤリとした感覚がよぎった瞬間はっきりと目が覚めた。
とても居心地の悪さを感じ、隣のベッドの人に「私何か言ってませんでしたか?」と尋ねると、「いろいろ言ってたよ」とすぐ返事が返ってきた。他の人からも「目付きが違っていたよ」と言われた。苦笑いしているようでもあり、にやけているようでもあり、意味ありげ風。ただの寝言だとは感じていないような気がした。目付きってどういうこと?隣の人以外の人も私の目付きを見たという事は、、、。 しかし、それ以上突っ込んで訊く勇気が出て来なかった。わずか数日の偶々の同室者、親しくもなっていなかったので、気まずい気持ちは旅の恥は掻き捨てと思い直して自分の感情に蓋をしてしまった。
手術から 5日目の午後になってやっと長いまどろみ状態を脱し、平常の感覚を取り戻した。日曜日の午後だったので、他の人達には家族やお見舞客が出入りし、賑やかだった。日曜日は午前中から見舞客も病室に来られるので、ひょっとしたら誰かに私の戯言を聞かれたかなと思うとちょっとばつの悪い感じがした。寝言と思ったか、独語と思ったか、まぁ、#勝手にしやがれ#。世の中いろんな事がゴタール。
意識がはっきりすると、身体のいろいろな処が不愉快に感じられた。口の中は何か粘っこいし、顔には何かがへばりついた様な感じがするし、身体全体も数日間の排出物(汗や毒素)でゴワドロしている感じがして気持ち悪かった。ナースコールを押して、来てくれた看護師にその旨伝えると、直ぐに蒸しタオルを持って来てくれ、しっかり顔をぬぐった後うがいをさせてくれた。Dr の許可が出ないとベッドからは降りられないとも言われた。ふと、ベッドサイドの床にバスマット程度の大きさのマットが置かれていることに気付いて。はてな?
後程、結構身体を動かされていたので、危ないと思いセンサーマットを置きましたと言いながら、看護師が取り去って行った。幻覚と言いセンサーマットと言い、そうか肝性脳症を疑われていたのだと暫く経って気付いた。肝不全・肝癌など肝臓病の末期に現れるある種の精神症状で、肝臓で解毒でき
なくなったアンモニアが脳に至り、引き起こされるものだ。肝性脳症かと思い至った時に全て合点がいった。普通の夢じゃなく、幻覚だったから、あれ程リアルだったのだ。統合失調症の世界に一歩近づけた気がした。(続く)

通信本文はここまで。


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