八障連ブログ

八障連(八王子障害者団体連絡協議会)運営委員会より、情報提供を行っています。(「八障連について」カテゴリーを参照)

通信317号をアップします。

2017年01月25日 | 八障連通信
八障連通信317号をアップします。



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【事務局通信 Vol.30】
2016年も、はや11月を迎え朝晩の冷えも日を追う毎に増してきており、めっきり秋めいてきましたが皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて、八障連のこの間の活動を振り返ると、10月8日の「市障害者福祉課との懇談会」を終えたところですが、引き続き年内には11月24日(木)に「市議会議員との懇談会」の開催を予定しており、現在事務局を中心に懇談内容を検討しています。また12月10日には知的障害者の学習会の開催を予定しています。さらに年を超えて、2017年の1月例会では、グッドホームさんの活動報告、その他市民向け企画で大学の学生等と「障害とは何かを知っていただく体験型のイベント」の開催、また福祉フォーラムを3月18日(土)の開催など、スケジュールが満載となっております。その他、八王子市との共同で「生活保護に関する出前講座」(仮称)の開催などなど、皆さんのお役にたてるような企画を考えておりますので、ご意見等がありましたら八障連事務局までお寄せください。
「市
議会議員との懇談会」ですが、「市障害者福祉課との懇談会」でも議題として出ておりました「生活保護の対応について」と、「農福連携」問題についての2つを中心に行いたいと考えております。生活保護については前号の通信で報告させていただいた通りですが、「農福連携」については、取り組もうとしている団体より、市の各担当課によっていうことが違い一向に手続きが進まず困っているという声を聴いています。国の推奨する事業であるのに、管轄する各省庁の意見や考え方の違いにより進められないことについて問題を提起していきたいと考えています(なお、本号において「農福連携について」の問題点などを「特集記事」として載せておりますので、ぜひご一読いただきたいと思います)。日時については11/24(木) 労政会館 第6会議室にて、18:30~行う予定となっておりますので、ぜひご参加ください。(文責/事務局立川)



【今後の予定】
✦ 11月24日(木)に「市議会議員との懇談会」を開催します。現在、事務局を中心に市議会議員各会派の皆さんと懇談会の内容を詰めていますが、本号に懇談会に向けての多摩草むらの会よりの問題提起「農福連携について」を掲載しております。ご一読の上、ぜい多くの会員の参加をお願いします。(八障連 運営委員会)

八障連運営委員会
11月17日(木)
18:30~20:30
クリエイトホール視聴覚室
「西八王子ウォークラリー」 すべての人が暮らしやすい街づくり 打ち合わせ会議
11月22日(火)
18:00~21:00
クリエイトホール第七学習室
市議会議員との懇談会
11月24日(火)
18:30~20:30
八王子労政会館の第6会議室



【《市議会議員との懇談会に向けての問題提起》
農福連携について NPO法人多摩草むらの会 松岡 都】
11月24日(木)に「市議会議員との懇談会」を予定しています。懇談会に向けて、多摩草むらの会より問題提起が寄せられました。多摩草むらの会の松岡さんにまとめていただきましたので、ぜひご検討ください。(運営委員会)


、農業においては働き手の高齢化が進み後継者のいない農地が放置され、また障害福祉においては働く場が見つからず働いても賃金や工賃が低いという状況にあります。
こうした双方の課題の解決につながる糸口のため、「人手が足りない農業」と「働く場の確保と工賃向上を求める福祉」が結びつく「農福連携」が推進されています。
今年3月には、農水省の「農福連携推進フォーラム」が開催され、5月には有楽町駅前広場において農福連携の一環として、農林水産省と厚生労働省の共同企画により、農業に取り組んでいる全国の障害者就労施設によるマルシェ(市場)が開催され、障害者就労施設等での農業への取組状況の紹介や生鮮野菜等の展示・即売会等が実施されました。東京代表として八王子市での就労継続支援B型事業所(定員60人)の当法人「夢畑」も参画し、全国の状況を知る機会となりました。
「夢畑」では生産力向上や販路の拡大に力を入れ、工賃向上に努めています。自然を感じ、ものを育て、それをいろいろな形で販売し利益を得る作業は、障害を持つ方々にとても有意義な作業であることを実感しています。
ところで、農地を直接借りるには、農業委員会に農業人として参入することが必要です。更に、農地を所有するためには、農地所有適格法人(旧農業生産法人)であることが必要となります。収益を目的とした農業をきちんとやるためにはクリヤーしなければならないことが沢山あり、簡単ではありません。

法人も、定款変更や職員の農業研修等を経て農業人としての要件を満たし、半年がかりで新規農業参入を果たして直接農地を借りられるようになりました。また事業の安定した継続のための農地の所有に向けて、農地所有適格法人取得のため株式会社を設立し、土地を購入することができるようになりました。農福連携として事業を行うためには、農業と福祉と建築が絡み合っています。農業の分野では、土地を直接借りたり所有するためには、諸条件を満たして農業委員会の認可が必要になります。福祉の分野では、障害者の指定サービス事業として認可を受けるための設備基準を満たさなければなりません。天候に左右されない安定したサービスを行うための室内作業や相談室を確保する建物が必要となります。建築の分野では、農業を営む土地は用途によって建物が建てられない場合もあり、構築物を建てる場合には、土地の用途変更等が必要となります。構築物の認識も各分野によって異なり、ビニールハウスやプレハブは、建築の分野では構築物として指導され、障害福祉の分野ではプレハブは対象外として施設整備補助を受けられません。
このように、農福連携の主旨はぜひ実現してほしいことですが、福祉、農業、建築の縦割り行政の中では課題がたくさんあり、障害者が農業に従事できるよう、行政間の連携強化と各種の条件の緩和施策を望みます。



【 連載コラム vol.9 『やさしいまなざしを!』  ハーネス八王子 鈴木由紀子】


は約40年間、通学や通勤のために都心の鉄道駅を、白杖だけで歩いていましたが、実は、その間に何度もヒヤリとした体験がありました。そばにいた人たちの適切な声かけや素早いサポートによって、間一髪のところで命拾いして、〈その体験を語れる私〉がいるわけです。
<ヒヤリ体験①>
 寒い冬のある日、新宿駅から京王線に乗り、北野駅で京王高尾山口行きから京王八王子行きに乗り換えようとしたときのこと。 その日私は、退勤直後に八王子駅近くで行われる会議の開始時間に間に合うように、京王線新宿駅から高尾山口行きの特急に乗り、北野駅で各駅停車に乗り換えることにしていました。ところが、北野駅でホームに下りたら、運悪く、そこは階段の脇で大きな壁があり、向かい側に通じる通路になかなかたどり着けませんでした。
やっと適当なところを見つけたので必死で電車に乗ろうとところで「危ない!!」と、すぐ後ろの男性から声がかかりました。すぐそばの人から「危ない」と言われたのですから、それは私に向けたメッセージと捉えて歩を止めましたが、ゆっくり動き始めた電車に手が触れました。もし私がそれ以上近づいていたら、間違いなく電車と接触し、大けがをするところでした。どんなに急いでいても、安全に行動しないと、周りの人たちを心配させることになるのだと実感した出来事でした。
<ヒヤリ体験②>
小田急線のある乗り換え駅でのこと。電車到着のアナウンスが流れ、やがて電車が近づいてくる音がしたので、それに乗り込むべく少しずつ進んだら、背後から強い力で誰かに肩を押さえられました。それは進む方向は同じですが、もう一本向こうのホームに入ってきた別の電車だったのに、私はとんだ思い違いをしたのでした。もし、そのとき誰かが私を制止してくれなかったら、間違いなく線路に落ちて、やがて入線する電車の下敷きになって、いまこの文章を書く私は存在しなかったでしょう。その恐ろしい体験から、鉄道駅のホームでは極力移動距離が少なくなるように工夫するようにしました。また、「ここから動いたら危なそうだ」と何となく危険を察知する瞬間もあるので、不安なときには一歩も動かず、周りの人に声をかけて手伝ってもらうようにしています。


覚障害者にとって、鉄道駅のホームは、道路上の信号と並ぶ危険箇所の一つです。「欄干のない橋」とか「柵のない絶壁」などと言われて恐れられています。多くの駅では、線路際、白線の内側に〈危険〉を意味する黄色の線状ブロックが敷かれ、私たちはそれを〈足がかり〉にしています。私自身は盲導犬のアーサと歩きますが、私の足はいつも、そのブロックよりも内方に置くことにしています。しかし、目の見えない私たちにとっては、それだけでは不十分で、駅ホームを歩くことに大きな不安を感じて「ホームドア」や「ホーム柵」(注参照)を付けてほしいと、切実に望んでいるわけです。駅のホームには大きな柱や自動販売機、売店、階段やエスカレーターなど様々な設置物がありますし、乗降客が立っていたり、歩いていたりします。それらを避けて左右にずれて歩くうちに体の向きや方向がずれたりして、大きな危険にさらされることがあるのです。構造的にも、ホームの幅や形が様々で、先端に行くと驚くほど幅が狭くなり、その場所に立つと、怖くて足がすくんでしまいます。国の基準では、1日の利用者が3,000人以上の駅にそれらを設置すべきとされています。しかし、いま鉄道駅は全国に約3,000あり、現在その6分の1ぐらいの駅にそれらの設備があります。しかし、財政面や構造面の問題があり、すべての駅で実現するかどうかわからないと聞きます。障害のある人たちが自由に外出するためには、当事者自身の冷静な態度と慎重な行動ぶりが求められます。しかし、それに加えて、その場に居合わせた方々の「優しいまなざし」も不可欠なのです。誰でも、初対面の人に声をかけたりするのには戸惑うでしょうが、目の見えない私の立場で言うと、相手の人がどこにいるのか、誰に対して「SOS」と言えばいいのかがわからないのです。したがって、是非勇気を出して、皆さんから声を出して、会話のきっかけを作っていただきたいのです。

(注) ホームドアとは、ホームからの転落や列車との接触事故防止等の安全対策として、プラットホームを壁面で囲い、ドアを取りつけて、列車の乗降に合わせて開閉させるもの。「ホーム柵」は、高さが腰高以下の可動式の柵。



【連載コラム B型肝炎闘病記 パオ 小濵 義久】
闘病史 その9 




性肝炎でも、炎症が激しくなることなく、慢性肝炎のまま寿命を全うされる方もいらっしゃる。激しい炎症が繰り返されることで、肝細胞の破壊が進み、細胞が正常に再生されなくなると線維化が進み、再生結節が生じるようになる。そうなると肝臓が凸凹になる。この状態が肝硬変である。全く再生されなくなると肝不全となり、たちまち死に至る。つまり、繰り返される激しい炎症を鎮め、肝硬変にまで進行することを阻止するために、これまではステロイド剤が使われてきたし、現在も使われている。他に手がない中で生命をより長く存続させるための最後の手段とも言える。
 慢性肝炎で肝機能値が上がってくれば、入院することを勧められる。何より安静が必要だし、炎症を抑え、病態の進行を食い止めることが大切だから、栄養剤と肝保護剤の点滴などが行われる。安静、高蛋白、高カロリーというのは、今でも肝臓病養生の常套句である。1977年8月から肝臓科の臨床に携わるようになった熊田Drは、当時部長であった吉場Drの指示で、ひとりひとりの患者の血液中(※)のウイルスを調べていた。その中で奇妙な患者を発見した。治療法を全く変えていないのに、突然ウイルスが激減している。ただし肝臓の働きは悪くなっていた。翌月、肝機能は回復し、今度はなんと抗体ができていたのである。
 そこに何か隠されたヒントがあるのではないかと考え、その老婦人に最近変わったことをしなかったか根掘り葉掘り訊いた。当初白(しら)を切っていたが、根負けしたご婦人は処方されていたステロイド剤をある時から勝手に飲まなくしたとついに白状した。薬を飲むと夜眠れなくなるのに耐えられなかったと言う。副作用のひとつでもある。
それを聞いた先生の脳裡に突如閃光が走り、研究者魂に火が付いた。カルテ室に入って、過去のデータを全てチェックしてみると、他に2人同じような経過を辿って、抗体ができていた人を発見した。いずれの患者もステロイド剤が投与されていたものを勝手に止めていたことが後ほど分かった。


テロイド剤を急に切ることで、リバウンドが起こり、急性肝炎状態になり、その結果、本来生体が持っている免疫機能が強く賦活され、抗原抗体反応が起こり、ついにはウイルスを駆除してしまったのではないかと仮説を立てた。その仮説を吉場Drに話し、他の患者に試してみたいと申し出たところ、賛同を得ることができ、早速取り組んでみたら、全員成功した。後ほど「ステロイド離脱療法」と名付けられ、学会に発表されることになる。※消化器科(肝臓)では受診した肝炎の患者の全ての血液が冷凍保存されている。研究のために使うのである。その為か一般の病院より採血量が4倍ほど多い。不満を持つ患者も中にはいるみたいだが、私は瀉血療法のつもりで有難く感じている。


八障連通信317号本文はここまで。






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