八障連ブログ

八障連(八王子障害者団体連絡協議会)運営委員会より、情報提供を行っています。(「八障連について」カテゴリーを参照)

八障連通信297号をアップします。

2015年04月05日 | 八障連通信
大変遅くなりました。
八障連通信297号をアップします。

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【例会報告】
2月19日の例会では、前半、報告・告知事項として、市政100周年記念事業実行委員会に出席している杉浦氏から、今年度はマスコットキャラクターの公募や広報に関する内容や媒体の検討を行う予定になっていますと報告がありました。また、2月14日(土)に高尾スターレーンにてボウリング大会が開
催されました。昨年は大雪のために中止となったので、2年ぶりの開催となりました。参加された皆様、ご苦労様でした。さて、今年は参加者が少なく、担当の山田氏や参加した運営委員から、「参加団体が2団体、計24名と少なかった事で、毎年、参加人数が減少している傾向から、来年度の開催については、意見交換の必要があります」と報告がありました。
検討事項としては、初めに、市と来年度予算についての意見交換の報告として、参加した多田氏、杉浦氏、脇田氏から、家賃補助について、中核市移行や市予算が逼迫している関係で、維持が困難になっている旨の説明があり、市はその点を含めた説明会を予定しているとの事です。また、特別支援学校卒業後の自立支援法利用に関して、来年度から就労継続A型が難しい場合は、アセスメントを経てのB型利用の方針を打ち出している事の説明がありました。
後半、隔月企画としての団体報告では、NPO法人55の会(ぱすてる・晴れる屋)小林施設長から、最近の様子を説明して頂きました。近年、周辺地域に株式会社等を母体とした放課後デイサービスが次々と設立されている事。その背景として、新法になり間口が広がったことで、経験や知識の薄い他業種の事業体でも法人さえあれば安易に参入できるようになった事が上げられます。但し、支援の内容や質を前面に挙げて利用者を募るケースは少なく、送迎の有無等のサービス重視の傾向が強く、この先ぱすてるの運営にどのような影響が出て来るのか危惧しながら、運営を続けていますと報告がありました。それを受けてフリートークでは、放課後デイの運営の難しさや課題など、職種を越えての意見交換が行われ、とても有意義な例会となりました。(文責/川出)



【連載コラム vol.7 『キャリアウーワンとのお出かけ日記から(2)』 八視協・鈴木由紀子】
今年に入って、アイメイトのアーサにとっては一大事が起きました。アーサが八王子に来てから4年間一緒に活動し、本当のお兄ちゃん犬のように接してくれていたオアシスが盲導犬を引退し、ほかのまちに行ってしまったのです。そこで今回のこのコラムでは、この間のアーサとオアシスとのふれ合いについて振り返ることにします。
「アイメイト」というのは、練馬区にあるアイメイト協会で育った盲導犬のことで、オアシスも、アーサもアイメイトなのです。 盲導犬の活動期間は平均8~10年ぐらい。視力が衰えたり、足が弱くなったりすると、私たちユーザーは安全に歩くことができなくなるので、盲導犬の引退について考え始めます。オアシスはまだ十分アイメイトとしてお仕事ができるのですが、ユーザーの靖子さんがいろいろな事情を考え合わせて、いまがその時期と決めてオアシスをほかの方に託し、別の犬と新たな生活を始めたわけです。
 4年前、それまで犬の世話など全くしたことがなかった私は、期待いっぱいでアーサを我が家に迎えたものの、アイメイト協会での4週間の訓練だけではわからないことだらけでした。ですから、協会から帰って3カ月間ぐらい、毎日のように靖子さんに電話をかけたり、我が家に来てもらったり、あるときにはお宅にまでお邪魔したりして、食事のことやワンツーのことなどで、あれこれ相談に乗ってもらっていました。ワンツーというのは、アイメイトに対する指示語の一つで、「ワン」はおしっこ、「ツー」はうんちのことです。そんな中で、アーサとオアシスも自然に仲良くなってくれたようです。アーサとオアシスは相性がいいらしく、2頭で出会えると、それは、それはうれしそうにしているのです。
 アーサがこの街に来て間もないころのある日、私とアーサは、横山町のバス停のそばのスーパーに買い物に出かけました。ところが、買い物を済ませて外に出た途端、突然リードが揺れて、アーサが何かに、たぶんほかの犬に興味を持ってじゃれついているのがわかりました。アイメイトはほかの犬に無関心でいられるように訓練されていると聞いていたのに、そのときのアーサの突然の行動に「ああ、どうしよう。アーサが何かいけないことをしているみたい」と私は困って、しばらく立ちつくしていました。でも意を決して「すみません。この犬は盲導犬なので、噛まないように訓練されていますから・・・」と、相手の飼い主に謝ったつもりで声を出しました。ところが次の瞬間に返ってきたのは「あら、鈴木さん!」という靖子さんの驚きの声。アーサとオアシスは「やあ、偶然だね、会えてうれしいよ!!」とでも言いたそう。2頭で顔と顔をくっつけ合い、しっぽをクルクル回しながら、それぞれのリードがごちゃごちゃに絡み合うほどに飛びはねて、突然の出会いを喜んでいたのです。アイメイトたちが街なかで突然出会って、これほどうれしそうにしている様子を見て、私も、靖子さんも思わず大笑いしつつ、アイメイトたちからもらった何気ない幸せに、思わずにっこりしたことを覚えています。
2頭で一緒にいるとき、アーサはオアシスに対して、良く言えば天真爛漫です。何とかしてお兄ちゃんを困らせちゃおうと考えているらしく、いろいろなことを試みます。でも、厳しい見方をすれば、どれもお行儀の悪いことなので、本当は私がしっかり「チョーク」をしなくてはいけないのです。「チョーク」というのは、犬のしつけのために叱ることです。ですから、目に余るいたずらをしたときは犬社会のマナーを守るように、飼い主の私が仕向けるのですが、アーサはオアシスに対して、妹犬としての特権も、しっかり主張していました。 あるとき2頭で並んでフードを食べていたら、自分の分をさっさと食べてしまったアーサが、隣りでのんびり食べているオアシスの器に顔を突っ込んで、オアシスの分まで食べ始めました。私たちは2頭のそれぞれの体の位置で事態を知り、もちろん私は急いでアーサをオアシスの器から遠ざけました。また、おやつをあげるときも、2頭が同時に食べられるようにタイミングを考えて渡すのですが、私の準備が少しでも遅れると、靖子さんがオアシスのために用意したリンゴをアーサが食べてしまう、などというハプニングも起こりました。このような行為は犬同士でもマナー違反なのですが、アーサはきっと、たくさんの兄弟犬の中で、こんなやんちゃぶりを自然に身につけてしまったのかなと、親ばかな私は考えていました。さらに、長時間アイメイトを落ちつかせるために、私たちはよく専用のシートを用意するのですが、そんなときもアーサは、自分の敷物には載らずに、オアシスを押し退けてシートの真ん中にどっかとお座りをして「私がこっちに来たいの」と靖子さんのひざに顎を載せて甘え始めます。一方オアシスは「あれー、僕の居場所がなくなっちゃった!」と、困り顔で脇でじっと立ち尽くしています。
でも「いいわよ、一枚のシートで十分。ここで二人でおとなしく寝なさい」という靖子さんの寛大なお言葉をいただいて、やがて本当に1枚のシートの上で体を寄せ合い、安心しきって、まあるくなって寝てしまうのです。アーサにしてみれば、オアシスと一緒なら、どんなに狭いところでも安心なのです。
 私たちが盲導犬と歩いていると、不意にこんな問いを投げかけられることがあります。「あなたたちは盲導犬に可哀想なことをしているとは思いませんか。だって、率直に言って締め付けが多く、それが犬には相当負担なんじゃないですか」と。でもユーザーの私たちとしては、そんな思いは全然持っていません。私たちユーザーにとって、アイメイトは可愛くて、かわいくてたまらない存在なのです。あるときはユーザーにとって楽しい時間を、あるときは犬たちにとっても楽しい時間になるように工夫しながら、楽しいことを探して、一緒に歩いているのです。あるグループのご好意で、2頭が一緒に日帰り旅行に連れていっていただく機会がときどきあります。そんなときは、坂道を上ったり、お店の入り口を案内したりして盲導犬としてのお仕事をしたあとは、犬たちの手綱も少しゆるめます。「私たちも思いっきり楽しんでいるのだから、アイメイトたちにも、1年に1度ぐらい楽しい思いをさせてあげたいよね」と話し合って、芝生で駆け回らせたり、アイスクリームのかけらをなめさせたり・・・。そして帰りのバスの中では、一日中はしゃいで疲れが出るのか、やさしい人のひざの上で2頭が頭を並べて、すやすやと寝込んでしまう、そんなリラックスタイムもあるのです。
オアシスと靖子さんは、時々学校を訪問し、子供たちの前で目の見えない人の盲導犬との暮らしについて話をします。¬アーサが来てから、私も同じことをするように言われますが、もともと、きちんとしたお話をするのは苦手なので尻込みしてしまいます。でも、アイメイトのアーサがしっかり「親善大使」の役割を果たしてくれています。1頭のアイメイトがいるだけで部屋の雰囲気が和み、子どもたちにも、おとなたちにも、みんなの心に何とも言えない温かい気持ちを育むのです。さて、私には〈犬語〉が話せないので、オアシス引退という一大事をアーサに伝えることができないので、アーサはその事実をまだ知りません。ですから、ボランティア活動などでオアシスとよく出会った台町の心障者センターに行くと、いくら待ってもオアシスが現れないので、アーサはとてもつまらなそう。それに、私が用事を終えてそのまま帰る準備を始めようとすると、アーサが向かい側の部屋や廊下の奥をのぞいたりして、どこかにオアシスが隠れていないかと、その姿を探しています。「今日オアちゃんは、いないのよ。もう帰ろう」と私が促しても、「うーん、まだ。オアシスに会ってからね」とでも言いたそうに細い足を踏ん張ってその場から動こうとしません。やがて諦めて一旦バス停に向かって歩き始めるのですが、「オアシスはまだ来ないなあ」と振り返ります。ある時には、もう一度センターに戻ろうよと言うかのように、来た道をバックし始めたので、二人でセンターに戻って館内をあちらこちら歩いて、「ほら、オアちゃんはどこにもいないでしょ」と言い聞かせるようにして、それから帰ったことさえありました。
 私は今、小さな望みを抱いています。それは、もし先方の家族がいいと言ってくださったら、いつかオアシスの新しいおうちを靖子さんと訪ねて、仲良しの二頭を再会させてあげることです。それが実現できたら、「そうか、オアちゃんはここに来ちゃったんだ」とアーサも納得できるでしょう。そして、2頭が再会するときは、以前と同じようにお互いの鼻と鼻をくっつけて、体を寄せ合って、しっぽも思いっきりクルクル回しながら飛びはねて、出会えた喜びを全身で表すことでしょう。
 そうそう、靖子さんとの買い物の帰り道、オアシスがそっと食べて、いつの間にか全部なくなってしまったというだいこんの葉っぱも、特大のをおみやげに持っていって、バリバリと豪快に食べる姿も見たいな。そんな犬たちの偽りのない心根にふれると、やがて私たちの心も洗われて、ほかでは手に入れられない「心の栄養剤」をたくさんいただけるような気がするのです。
オアシス、アーサとたくさん遊んでくれて、ありがとう。そして、幸せにね!



【55の会を知っていますか? 「NPO法人55の会」理事 夛田 靖史】
NPO 55の会」と言われてもピンと来る人は先ず少ないと思います。では、「ぱすてる」「晴れる屋」ではどうでしょう。〝あぁ、革ジャンのライオン丸がやっているところだ〟そんなイメージを描く人が多いでしょうか。因みに、ディテールはワイルドでもハートは結構なコアラだったりします。
改めて紹介すると、八王子の南東に位置し多摩市に隣接した、下柚木文化圏で活動を展開している、放課後等デイ事業所「ぱすてる」と、生活介護事業所「晴れる屋」の運営母体が「NPO 55の会」です。その命名の由来は〝何事も前向きにGOGO〟あるいは〝三々五々に集まれる場所〟そんな思いが込められています。
活動の始まりは約20年前、多摩ニュータウン地区の知的障害児を持つ親たちの自主活動が基で、学校が半日で終わる水曜と土曜の午後に、子どもたちが自主的に集まれる場として、地域デイグループ「ぱすてる」を開設しました。そう最初は子どもだけでした。
しかし、当然ですが子どもは時の流れで大人になり、5年・6年もすると進路の問題が出てきます。就労等の進路が見つかり出て行く子もいますが、どうしても就労の難しい重度の知的障害者は残されてしまいます。そこで、〝行き場が無ければ自分たちで…〟と「ぱすてる」の一角を間借りして始めたのが、「晴れる屋」の前身となる自主グループでした。この辺りの件は、大なり小なりどこの知的障害の団体にも共通していると思います。
その後、幾多の波風にさらされながらも、順調に「晴れる屋」が育って来た中で、大きな転換期となったのは、やはり法内移行の問題が突き付けられた時でした。法制度が大きく変わり、いち早く法人化と法内移行を進める団体があれば、都や市の動きを窺(うかが)いながら最後まで踏み止まろうとする団体もある中で、「55の会」も遅かったグループに入ると思われます。勿論、簡単な作業ではありませんが、早い時期に移行することも可能でした。しかし、国の方針が転々とする中で、都も市も独自性が無く、それに翻弄(ほんろう)されるばかりに感じられ、安易に移行の道を選ぶことで、本来の自分たちの目指すものが歪められてしまうのではないか? そんな思いが常にありました。
結局ギリギリまで待って、都の補助制度は完全に廃止されることがはっきりした段階で、生き残り策の最終的な選択肢として、先ず「晴れる屋」のみで法人化をし、後から「ぱすてる」を組み込む形で、順を追って移行作業を進めました。まさにドタバタ状態で移行を進め、ようやく2年が経過してやっと現場に集中できる環境が整って来たところです。
そんな中、「55の会」では昨年から3つ目の事業として、地域の障害当事者を対象とした余暇支援事業「ひまありくらぶ」を始めました。まだ、月2回ペースの実施ですが、今のところ制度は使っていないことから、その分誰でもが気軽に参加できて企画も自由に組めるので、今後どんな形に育って行くか、日中支援事業所以外に行く場を持たない当事者に取っての、余暇支援のあり方のモデルケースとなって行くことが期待されます。
最後に、ようやく現場の状況が落ち着いて来たところで、困った問題も出て来ています。これまでは厚労省の管轄だった児童デイ事業所が、文科省管轄の放課後等デイ事業所になり比較的安易に参入できるようになったことで、多摩ニュータウン地区にも雨後の竹の子の如くその数が増え始めています。個性を競い合うのであれば、利用者には選択肢が増えることは望ましい事ですが、実態は単にサービス合戦になってしまい、新規事業所の中には割りが合わないと判断すれば、即座に撤退してしまうことも充分に予想されます。実際に他の事業ではそれが現実となり、利用者が困惑する事態も起きています。
事業的に競合する「ぱすてる」には現状大きな影響はありませんが、安易なサービス合戦に踊らされることなく、冷静に状況を見極めながら対策を立てて行くしかないのが精一杯のところです。なにはともあれ、制度や地域がどう変化しようとも「55の会」は下柚木文化圏というコミュニティの中で、重度の知的障害者が安心して生きて行けるシステム作りを目指して、今後も地道な活動を進めて行きます。ご理解とご協力をお願い致します。


【今後の予定】
福祉フォーラム
3月14日(土) 13時30分~16時30分 八王子労政会館
臨時運営委員会
3月19日(木) 18時~20時 クリエイトホール
八障連4月例会
4月16日(木) 18時~20時 クリエイトホール
2015年度八障連総会
5月30日(土) 13時30分~16時 クリエイトホール



八障連通信297号は以上。

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