八障連ブログ

八障連(八王子障害者団体連絡協議会)運営委員会より、情報提供を行っています。(「八障連について」カテゴリーを参照)

八障連通信308号をアップします。

2016年02月28日 | 八障連通信
八障連通信308号をアップします。今回は久方ぶりに開催した新年会の様子や3月19日に予定しています福祉フォーラム映画上映「風は生きよという」のご案内、コラムなどです。



八障連通信308号【PDF版】はこちらから




これより、八障連通信308号の本文となります。


【事務局通信 Vol.21】
1月28日19時より、バーミヤン八王子北口店において八障連の新年会が開催されました。日々忙しく活動しておられる当事者の方々は、こうした酒席にはなかなか参加できず、過去の新年会(及び忘年会)の参加者は非常に限られておりましたが、今回はアーサを含めて「8名プラスワンの参加があり、大いに盛り上がりました。 バーミヤンでの食べ放題コースに舌鼓を打ちつつ、少量のアルコールが入る中、普段の例会・運営委員会では語られることのないそれぞれの福祉現場の課題や現状、また八障連の今後の運営の在り方に話が及び大変中身の濃い新年会となりました。通常の運営委員会ではないので議事録(?)はとられませんでしたので、懇談の内容は参加された皆様の胸の中にしまわれてしまいますが、必ずや今後の八障連の運営の中に反映されていくと確信しております。さて、食べ放題コースとアルコール(飲んだ人の実費)で、リーズナブルな支払いを終え、最後にバーミヤン割引券をゲットして新年会を終えました。こうした会合に、普段は忙しくて参加できない会員の皆様が参加していただければ、さらに交流の輪が広がっていくと思います。
さて、今後の八障連活動は2月例会での会員団体の活動報告、3月には、第4回目を迎える知的学習会の開催、福祉フォーラムでの「風は生きよという」の上映会が予定されております。会員の皆様方におきましては、八障連活動への参加、よろしくお願いいたします。(文責/通信編集部 山田)


【今後のお知らせ】
八障連2月例会
2月18日(木) 18:00~20:00 クリエイト
八障連主催第4回知的学習会
3月12日(土) 14:00~16:00 クリエイト
八障連運営委員会
3月17日(木) 18:00~20:00 クリエイト試食室
福祉フォーラム&トークライブ(「風は生きよという」上映会)
3月19日(土) 13:00~17:00 労政会館



【初参加の新年会のこと 鈴木 由紀子】
1月28日に、八障連の新年会が行われました。仕事をやめた私には、ほかの皆さんより自由な時間があるので、お店探しを引き受けることにしました。
 お店選びの条件は、まず場所のこと。最寄り駅から近く、エレベーターなどがあって、お店まで楽に行けること。盲導犬や車いすが動きやすい広さが確保できること。そして、お手頃な料金で、そこそこおいしいものが食べられること。そんなことを踏まえて、2カ月ぐらい前から、グルメの世界に明るそうな知り合いにいろいろ聞いて回りましたが、おいしそうなところは値段も高く、適当なお店は、なかなか見つかりませんでした。
 ところが、年末のある日、知り合いと二人でお昼を食べたとき「このお店のことを提案してみよう」と私の心が動きました。それが今回の開催場所、スカイラーク・グループの中華レストラン「バーミヤン八王子駅北口店」です。そのお店はつい最近、クリスマスのころに開店したばかりですから、まさにラッキーでした。JR.八王子駅の北口から歩いて2、3分でお店に着けます。団体席はついたてで一般席と仕切られていますし、テーブルを自由に動かせるので、スペースも自由に使えます。費用的にも、2,000円代で賄えそうでした。駅近くの便利なところでお手頃なお店が探せて、ラッキー!!と思ったほどです。あとは参加者のこと。『八障連通信』の307号でお知らせはしたものの、申し込み制ではなかったので、実際にどなたがいらっしゃるのかは、当日のお楽しみ、ということになりました。2、3人ではつまらない。でも20人以上来たら、このスペースには収まりそうもないなあ等と、直前まで勝手な思いをめぐらせていました。結局当日集まったのは、介助者を加えて8人+ワン(※  )。男女比では「ワン」の分だけ女性の比率が高いということになりました。
参加予定者たちが職場からいそいそと駆けつけてくださるのを待って、7時近くから新年会をスタート。私たちは「火鍋シャブシャブ食べ放題」というコース料理をいただくことにしましたが、さらに「標準」と「プレミアム」とがありました。メニューを見ると「標準」のコース料理は、見るからに貧弱そう。「プレミアム」にすると、選べる食材の種類もグッと増えますし、メニューに記されているものなら何でも、何度でもお代わりすることができると言うのですから、誰だって「プレミアム」を選ぶように誘導されてしまうのです。それで私たちも、食べることに専念することにして、サラダや焼きギョウザ、鍋料理の材料になるお肉類各種を何度もお代わりしつつ、おなかいっぱい食べました。でも、ハクサイやネギといった野菜類は、とても少ないので、がっかりしたり、野菜高という世の中の事情を反映しているのかと考えさせられたりしました。
 外の真冬の寒さもしばし忘れ、難しい話もほとんどなしで、温かい鍋料理を囲んでおしゃべりをして9時すぎまで、人と人、そして人と犬との交流をしました。
寒い中、そしてお忙しい中 新年会に参加してくださった皆さん、ありがとうございました。普段紙面上でしか存じ上げない方々ともお会いする機会がいつか持てたらいいなと願っています。



【八障連福祉フォーラム 映画「風は生きよという」上映会&トークライブ 八王子聴覚視覚障碍者サポートセンター 伊藤 薫】
昨年2月1日、この映画の先行上映並びにシンポジウム「人工呼吸器とともに生きるということ」に行きました。東京国際フォーラムD5ホールはぎっしり満員で、障害児の家族連れの方も多くみられ、人工呼吸器を利用する人々のネットワークのつながりの広さ、力強さが、強く印象に残りました。
 映画は、呼吸器ユーザーグループ「呼ネット」の副代表海老原弘美さんの、仕事も含めた自立生活の映像が全体的なベースとなり、北海道、東京、大阪でそれぞれに自分の思う人生を送る10代から約50歳の5名の方の暮らしや思い、家族の証言などでつづられていました。呼吸器を補聴器、車いす、白杖などのように日常に使って、働き、学び、旅もする、それぞれの当事者と町の人々との間に生まれるコミュニケーションが無脚色で淡々と映されていて、本当に風のようなさわやかさ、力強さが心に残る映画です。
 今回、八障連フォーラムでは、この映画を、バリアフリー字幕、音声ガイド付きの、バリアフリー上映会とします。
バリアフリー字幕とは、通常の洋画における日本語字幕とは異なる、話者名(話をしている人)を表記したり、効果音(例:「呼吸器が風を送る音」等)の説明を入れたり等の、聴覚に障害のある人が、平等に音の情報を知ることのできる字幕方法です。
音声ガイドとは、視覚障害がある人のため、映画の視覚情報を音声で説明しているものです。視覚障害がある人は、セリフのないシーンではどんな場面、情景なのか理解しづらいという状況がありますが、イヤホンで映像説明(情景や登場人物の動作などを解説したもの)を聞きながら一緒に映画を楽しむことができます。
今回は、音声ガイドの受信機も余裕をもって準備していますので、ぜひ、条例のある街八王子での、合理的配慮を1歩前進させた「バリアフリー上映会」にも注目、体験してみていただければと思います。
 フォーラムの後半は、映画の出演者でもある、「呼ネット」の副代表海老原弘美さんのトークライブを行います。国の差別解消法の施行を目前とする今、いわゆる尊厳死法案の問題、そして誰にも等しくあるはずの「尊厳のある生」について、改めて講演頂き、みなで考えあいたい、語り合いたいと思います。


【連載コラム vol.8 『最高の友』  視協・鈴木 由紀子】
私が一人で暮らすことになって、まる4年になる。夫の肺が、がんに冒されていることがわかり、受診すると既に手遅れと診断されて、結局夫は亡くなってしまった。夫の発病とともに、それまで勤めていた職場をやめてしまったので、結果的に私が一人で過ごさなくてはならない時間が増えた。
一人暮らしを余儀なくされた私を絶えず和ませ、元気にしてくれる最大のものは、夫の病気が見つかったのとほぼ同じ時期に盲導犬として我が家にやってきたアーサである。だから私にとって、アーサは盲導犬であるとともに「かけがえのない家族」であると言って過言ではない。私は毎日アーサに助けられて、買い物や散歩など、いろいろな用事をこなしている。道の曲がり角や段差、商店街の荷物なども、アーサのお蔭で首尾よく避けて歩くことができる。万が一、自転車がスピードを出して走ってきても、ハイブリッド車が突然静かに迫ってきても、アーサが即座にピタッと止まるので、危険な目に遭わずに、安心して出かけられるのである。そして、帰宅してハーネスを外して自由にしていていいと言ったときでさえ、アーサは絶えず私の姿を追っている。
そんなけなげなアーサと暮らしていて、もはや私は一人ではない、生活をともにする立派な家族がいるのだと思うようになっている。ある著書の中で、どなたかがご自身の盲導犬のことを「しっぽのある娘」と称していたが、私にとっても、アーサはまさに「しっぽのある愛娘」である。 アーサは高性能な体内時計と賢い頭脳で私を操って、自分の意思を伝えてくる。その一つが食事時間のこと。アーサの夕食の時間は5時であるが、その時間が迫っているのに私がいつまでもキイボードを打ち続けていると、カタカタと床にぶつかる爪の音がして、アーサが近寄ってくる。そして「ねえ、もう私のご飯の時間ですよ。準備を始めてよ」とでも言いたげに、手元にかわいいお鼻をすりつける。それでも私がキイボードからなかなか手を離さないと、今度は元気なしっぽで私のひざをポンポンたたいて、「ねえねえ、私のご飯のこと、忘れてない?」と催促する。
私は「うーーん、もう少しで切りがつくのに!」とも思いつつ、結局根負けして、アーサの夕食を準備し始めるのである。アーサはラム肉をベースにしたフードを食べているが、それにキャベツ、ニンジン、ジャガイモなど、手元にある野菜をゆでたり、刻んだりして少しずつ載せている。 私が台所で動いているとき、アーサは、おとなしくお座りをして私のすぐ後ろで待っている。しかし、出来上がったものをボウルに入れて「オーケー」と声をかけるやいなや、ものすごい勢いで一気にフードを食べ尽くすというのが、我が家の夕方の光景である。
ア ーサの体内時計が働くもう一つの機会が就寝時。特に寒いこの季節は、夜の9時ごろになると「さあ、私が寝る時間よ。お布団を用意してください」と、やはり、お鼻や、しっぽで催促しにくる。アーサは私よりも規則正しく日課をこなしていて、本当によくしつけられた犬であると、つくずく感心させられる。そんな姿を見るにつけ、アーサを大切に預かり、こんなにかわいい愛犬、そして優秀な盲導犬に仕上げて渡してくださった、たくさんの方々のお気持ちに少しでも応えなくてはと、気が引き締まる思いがする。アーサはいま7歳4カ月。やがて、元気な盲導犬として働けないときが、確実にやってくるだろう。しかし今は、とにかくアーサがいつも元気に過ごせるように配慮して、楽しいお出かけを二人でたくさんしたいと思う日々である。


八障連通信308号本文はここまで。

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