~すてっぷ ばい すてっぷ~

川の流れに、雲のながれに身を任せるように

くれなずめ

2021年06月02日 12時48分07秒 | 映画

見てきました。

 
 
※ネタバレ注意
※ネタバレ注意
※ネタバレ注意
 
 
 
動詞「暮れなずむ」の命令形「暮れなずめ」。
 
日が暮れそうで暮れない状態。
その状態になれ、と命令する言葉ということか。
 
 
これだけ見るとなんだかよくわからなあけど、映画を見ると「そういうことか」と一定の理解はできた気はする。
 
 
 
吉尾があまりにも普通にいるし、他の5人も普通に接しているから、途中まで何がどうなってんのかわからなかったです。
 
いや、あの途中からもよくわかってなかったけど。
 
でも終盤で、死んでいる(?)吉尾との会話から、やっぱり結婚式前日から一緒にいた吉尾は、皆が勝手に生み出した記憶の集合体というか「あいつがいたらこんなこと言いそうだよな」みたいな観念を現していたのかなって思いました。
 
 
もともと舞台でやっていた話を映画化したときいて、あの不死鳥のシーンもなんとなくそういうものだったんだと思うことにしました。
 
 
でも、5人が吉尾父から、吉尾の死を知らされるところはリアルというか、ほんとうにこんな風なんだろうなっていう現実味がありました。
 
心構えなんてさせてくれない。
突然にやってくるもの。
そのときに後悔してももう遅い。
 
妻との買い物の途中で気丈に振る舞うも崩れ落ちるソースとか、車のなかで呆然とするネジとか。
他の3人も、言い様のない気持ちが胸のなかで暴れてたんだろう。
誰が悪いわけでもないのに。
 
 
でも、本作はそういう気持ちを肯定しているような気もしました。
それこそタイトルが「暮れなずめ」ですから。
 
 
記憶を書き換えてやろうぜ!なんて息巻いても、結局吉尾はあの時帰ってしまうんだもん。
 
 
なんか、いつか訪れるその時の予習をした気分。
 
コメント
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