見てきました。
※ネタバレ注意
※ネタバレ注意
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動詞「暮れなずむ」の命令形「暮れなずめ」。
日が暮れそうで暮れない状態。
その状態になれ、と命令する言葉ということか。
これだけ見るとなんだかよくわからなあけど、映画を見ると「そういうことか」と一定の理解はできた気はする。
吉尾があまりにも普通にいるし、他の5人も普通に接しているから、途中まで何がどうなってんのかわからなかったです。
いや、あの途中からもよくわかってなかったけど。
でも終盤で、死んでいる(?)吉尾との会話から、やっぱり結婚式前日から一緒にいた吉尾は、皆が勝手に生み出した記憶の集合体というか「あいつがいたらこんなこと言いそうだよな」みたいな観念を現していたのかなって思いました。
もともと舞台でやっていた話を映画化したときいて、あの不死鳥のシーンもなんとなくそういうものだったんだと思うことにしました。
でも、5人が吉尾父から、吉尾の死を知らされるところはリアルというか、ほんとうにこんな風なんだろうなっていう現実味がありました。
心構えなんてさせてくれない。
突然にやってくるもの。
そのときに後悔してももう遅い。
妻との買い物の途中で気丈に振る舞うも崩れ落ちるソースとか、車のなかで呆然とするネジとか。
他の3人も、言い様のない気持ちが胸のなかで暴れてたんだろう。
誰が悪いわけでもないのに。
でも、本作はそういう気持ちを肯定しているような気もしました。
それこそタイトルが「暮れなずめ」ですから。
記憶を書き換えてやろうぜ!なんて息巻いても、結局吉尾はあの時帰ってしまうんだもん。
なんか、いつか訪れるその時の予習をした気分。