見てきました。
※ネタバレ注意
※ネタバレ注意
※ネタバレ注意
最初に、鑑賞から時間空けすぎて、内容がおぼろげになってしまった。
内容は、面白かったですし涙もしました。
最初は、堅物変人な言語学者と、いかれた思想を持ってるけど天才的な思考とか記憶力とかをもった犯罪者の、共同辞書編纂映画化と思ってました。
でもその実は、情熱と赦しの物語だったな、って思いました。
マレー博士の辞書編纂にかける思いは、「エジソンズゲーム」でも見たような、自分の一生をかけてでもやる価値のあるものだったろうし、それに付き合う夫人と子供たちの理解にも暖かくなりました。奥さんが本当に強くて優しい人だった。
「私たちを振り回さないで!」って言えるところを「最後までやりきるのよ」という一言。子供たちを巻き込んで雪遊びに興じるシーンも、博士もそれにつきあう夫婦の仲睦まじさがとてもよかったです。
マイナーは、戦争の体験から精神的疾患を患い、誤りで殺人を犯してしまった元軍医。
本をただせばまともな側の人だったんだな、っていうのが兵士救護の一幕で垣間見えました。あのシーン、鋸で鉄柵を切って足に刺さったまま病院に連れていくのかと思ったらギーコギーコし始めて驚いた。まあ、あの時代ではあれが精一杯できることだったのかもしれない。一命はとりとめたし。
何もしていないと幻影に追われ精神的に疲弊していくマイナーでも、絵を描いていたり本を読んでいるうちは幻影から解放される。
何百冊?の本に囲まれながらも、単語一つの用例をその中から引っ張り出せる記憶力?がずば抜けているのか、マレー博士に送った用例の塊の厚みに驚きますよね。
そんなマイナーの悩みの種の一つが、自分の過ちでつらい境遇に追いやってしまった未亡人イライザのこと。
自分の軍年金を彼女とその家族へと伝えるも最初は拒否されます。
そのイライザも、本作においては準主人公となる登場人物。
突然に幸せを奪われるも、耐え、向き合い、新たな道を進む。彼女も強い人でした。
無罪の夫を殺しておいて、精神錯乱で無罪となった男に会いに行く勇気よ。
マイナーからの援助を拒否するほどの怒りは十分に伝わりました。
しかし、マイナーとのわずかな交流を進めていく中で、次第に心を通わせていくところもじっくり描かれていてよかったです。
恨んでいたはずの男から「私の命はあなたが握っています」なんて言われた日にはどんな気持ちでいたらいいんだろう。
マイナーのこの言葉からもわかるように償い心は残っている。
そのために彼女に与えた言葉に自分が苦しめられることになるのは、なんとも皮肉で残酷な展開でした。
でも、その言葉によってマレー博士とつながりができ、決して交わることのなかった女性から愛を教えられた。
非道な実験を繰り返されるも、救いがあってよかったです。
その後も二人とも結構長生きしててよかった。
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