風の向くまま気の向くまま

気まぐれに愚直にいきましょう

自分を憐れむ歌 - テースト・オブ・苦虫7

2009-12-05 06:48:10 | 書籍
雑誌や新聞に掲載される書評を読んでから本を買うことはまず無い。
ましてや「○○賞受賞作品」の類は、内容はともかく文書としての質を期待する先入観を抱かされてしまい、なんとなく読み前から構えてしまうからである。
読書なんていう自慰的行為がこんな心境で行われるのであれば、これは正座してAVを見るようなものだ。
ただ一方で読書には感性を磨く要素があると信じているわけで、どうもその偏読のなれのはてが今の僕の思考習性を形成するのにかなり影響していることは間違いない。

先日綱島駅近くの書店で町田康氏の「自分を憐れむ歌- テースト・オブ・苦虫7」を見つけて購入した。
町田康氏の文章を読んでいつも感じるのは思考ロジックがかなり自分と似ていることである。
自分は考え方が近い人が周りにいると安心してしまうが、むしろそのことよりも物事を見て感じた心象を言葉に置き換えるとき、彼のような才能があればここのブログだってもっと更新できるのにとついつい自分の文才の無さを嘆く。
しかし僕は物書きではないからそんな才能があろうがなかろうが社会に対しての影響は皆無。
ではなぜ文才を欲するかと言えば、たとえばここのブログの文章の仕上がりにいつも妥協点というか着地点を見つけてエントリーを完了させるための「投稿」ボタンをクリックするが、その時もっとすっきりするのではないかと思うからである。
読むことも自慰なら書くことも然り。
最近このことに気付いた次第。

自分を憐れむ歌 - テースト・オブ・苦虫7
町田 康
中央公論新社

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『裁判長!これで執行猶予は甘くないすか』  北尾 トロ 著

2009-06-06 22:28:37 | 書籍
偶然、成田空港の書店で手に取ったこの作品。
裁判の傍聴もの。
もともと法廷推理ものが好きだが、これは実際に著者が傍聴席から見たルポである分やっぱりそれなりの重みがある。
人間模様と言ってしまえばそれまで。
世の中の犯罪者にはいろんな奴等がいるなぁ。
実際の法廷で繰り広げられている裁判の中での裁判官の振る舞い、検事の様子なども知ることができる。

本書の内容とは関係ないが、北尾氏の文章は軽快でとても好感が持てる。
この印象を僕に与えたのは『考えるヒット』の近田春夫氏以来か。
『裁判長!ここは懲役4年でどうですか』も併せてどうぞ。


裁判長!これで執行猶予は甘くないすか (文春文庫)
北尾 トロ
文藝春秋

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『軽くなる生き方』 松浦 弥太郎 著

2009-04-18 07:10:44 | 書籍
「愛するとは、相手を生かすこと。
 愛されるとは、自分らしさを生かしてもらうこと」

愛するということについてこれだけ簡潔に表した言葉に、これまで出会ったことがない。
自分の意識をまるで言い当てたような言葉に出会うと、胸の中につかえていたものがすっとなくなっていく。
そしてその言葉を脳裏に焼き付ける。
ずっと忘れていたな、この感覚。


軽くなる生き方
松浦 弥太郎
サンマーク出版

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日頃の行い

2006-12-05 12:47:26 | 書籍
例えば野外イベントの時、雨に見舞われればそれは誰かの日頃の行いが悪いということになる。
以前組合の仕事でイベント企画担当みたいなことをしていたが年に2~3回程度のイベントを行って5年間一度も雨に見舞われなかったのが自慢である。
あまりそういった日ごろの行いが試されない生活をしている今日この頃。

昨日帰宅したらメールボックスに冊子が入っている。
現在購読しているのは朝刊のみで毎朝出勤の際に持ち出しているので新聞でないことは確かである。
開けてみると中には「GOLF DIGEST」1冊と「Number」が2冊。
そういえば以前朝刊の購読者からの抽選で3ヶ月の無料購読(幾つかある冊子の中から2誌選ぶ)に応募したことを思い出した。
どうやら当選したらしい。
「GOLF DIGEST」はついでに選んだのだけど、「Number」をしばらく定期で読めるのは嬉しい。
「Number」は日本のスポーツ関係マスコミの中で最もジャーナリスティックな視点を持つ。
また掲載されている写真も美しい。

現在定期で購読しているのは月刊のビジネス関係のものが2誌。
それ以外は日経新聞のみ。
日本にいたときはあまり枯渇していなかったが、情報誌に限らず日本語の書籍は高価でなかなか手に入らないことに適度なフラストレーションを感じていて記載されている記事は以前飛ばしていたところも読むようになった。
貧乏性だね。

というわけで今回抽選に当選した(確かアジア地区で300名だったと思う)のは
少し早いクリスマスプレゼント。

『タイは今日も海色』

2006-11-10 04:47:27 | 書籍
近くに「東京堂書店」があって、なんとなく手にした本の挿絵が気に入ったので最近購入した。
シーラチャーというバンコクからはパタヤビーチに行くちょっと手前にある町の日々の暮らしを描くエッセイ。
今、僕の住んでいるバンコクが東京あたりだとすると、シーラチャーって沼津あたりか?
いやあまり行った事ないな、沼津。
日本人にも人気のあるタイ、特にバンコクについては沢山の紹介本があって、僕も何冊か購入したけどなんだろう、このゆるーい感じの伝わる本が少ないように感じていたらなかなかこの本はタイのゆるーい感じが伝わる内容で、実際に住んでいる自分も普段感じていることを確認できて面白い。
タイは、日本と比べると人口が約半分(結構多いでしょ?)、国土面積は約1.4倍(結構広いでしょ?)、人口の9割以上が仏教徒の国。
国土の広さだけ見てもきっといろんな町があるはずだ。
ガイドに載っているところはやはりわずかで外国人の多いところがほとんど。
それなりに魅力満載で素敵なところなんだろうけど自分の感性に訴える町もきっと沢山あるに違いない。
まだ、バンコクの一部しか知らないのだけれどいつかそんな町に出くわさないかな。
せっかく何年か住むのだから、バンコク以外に居場所を見つけられたらこのタイ生活はもっと興味深いものになるに違いない。
平日は仕事、たまに飲みに行って週末はゴルフというありきたりな生活にぼちぼち飽きてきていてもっと感性のおもむくままに潜ってみよう。


タイは今日も海色―田舎町シーラチャー、のんびり暮らし

出版芸術社

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「東京飄然」を読む

2006-05-04 17:59:01 | 書籍
ここ数年で好きになった作家、町田康氏の「東京飄然」を読み始めた。
まだ30ページくらいで連休中の1冊に決める。
ミュージシャンでもある彼の感性には惹かれる部分が多い。
学校で教わるような文法で書かれていない(この説明は適切なのだろうか?)ところがまたいい!
侮ることなかれ、直木賞、芥川賞、川端康成文学賞、谷崎潤一郎賞他総舐めであるということは時代が彼の文章を絶賛しているということに他ならない。
年令は僕の1歳上、井上陽水とも親交が深い。
いいな、町田康…。

『BIG FAT CAT と雪の夜』を読む

2006-04-17 02:59:51 | 書籍
とても英語を楽しめる本のシリーズもの。
偶然本屋で数年前に見つけて以来はまりました。
はまるのは何もポールダンスばかりじゃない。

教科書とは違った構成だけど、こんな教科書だったら僕はもっと英語を好きになっていたに違いない。
そう、英語が出来ないのは、教科書のせい、先生のせい、高専に行ったせい、みんな自分以外のせい!
度重なる海外出張時のコミュニケーションは度胸だけを磨きこなしてきた。
この度胸をつける努力が正面から英語を楽しむことにつなげられなかったのは今更言っても仕方ないさ。

出張中、「何も本持って来てないなぁー」なんて思っていたら『BIG FAT CATと雪の夜』(向山 貴彦 (著)。シリーズの最終)がスーツケースに紛れ込んでいてあらためて読み直してみた。
だって週末はほんとホテルに閉じこもりっきりだったんだから。
暇で暇で…。
主人公のパイ職人Edoとその仲間達、そしてもう一人(一匹?)の主人公、デブ猫君との心温まる物語。
イラスト(たかしま てつを)はとても親しみがもててこれがまたいい感じなんよ。
物語りもとても面白い(これから読む人のために詳しくは書かないけど)!
また1冊目から読み直そうっと。
タイ語の実力をつける前に、まずは英語力アップですね。

やっぱ時差ボケかな?3時なのに眠くない…。
CHAPPYから誕生プレゼントでいただいた栄養ドリンクの選択誤った?
というわけでまたもや週末、怒涛の投稿と相成りました。
ネタはまだまだあるでよ(乞うご期待)。

BIG FAT CAT と雪の夜

幻冬舎

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117パウンド1/2

2006-03-20 09:35:27 | 書籍
近くの古本屋で『あしたのジョー』全巻を購入。
連載が始まったのは'68の1月。
寺山修司氏の主催による力石徹の告別式が行われたのは'70の3月24日。
あれから36年が過ぎようとしている。
全12巻のうち、読み終えたのはまだ半分くらいで今日読み終える予定。
117パウンド1/2は矢吹丈のウエイト。

あしたのジョー (12)

コミックス

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(再)「花田少年史」 一色まこと

2006-03-12 18:13:41 | 書籍
 
(注)本稿は再アップです。著書の表紙、音源等のジャケット掲載のための著作権対応として"Amazon"と契約しました。


「花田少年史」 一色まこと
僕は、この漫画が大好き。

実家に文庫を揃えていて帰ると必ず読む。
よく飽きないなあ...
20回、いやもっと読んだか?
全話におばけが出てくる。
「りんこ」の話は特に好き。

舗装されていない道、オート三輪、木の廊下…
カラーテレビがそれほど普及していない時代のこと。
「憧憬」ではなく、明らかに僕が見てきたそれと同じ「童景」。
もちろん、こんな日本語は無いのですけどね。
名作である。

一色まことが女性であることを2年ほど前に知った。
最近では休載していた「ピアノの森」がモーニングで始まり、反響を呼んでいる。
こちらのほうも今後の展開に目が離せない。
彼女の描く少年少女達はいつも魅力的で、そして皆夢を持っている。

花田少年史 (5)

講談社

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ピアノの森―The perfect world of Kai (1)

講談社

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※「書籍・音源等の紹介には表紙やジャケットは必須!」との結論に至り、Amazonのアフィリエイト(読者がその広告を通して商品を購入すると、契約者が企業から一定の報酬を貰えるシステム)参加することになりました。
以前のエントリーでやってみるとこんな感じですね!

「天才ファミリーカンパニー」

2006-02-05 15:57:44 | 書籍
「天才ファミリーカンパニー」【スペシャル版】(二ノ宮知子)を読む。
「のだめカンタービレ」の作者によるこの作品、またもや主人公は一人の天才。
ストーリーの詳細はこれから読む人のためにとっておくとして、この主人公は「のだめの~」の千秋が正統派天才だとすると、こちらの主人公の夏木君はかなり屈折しているもののエピソード毎に徐々に人の気持ちに気付いていくといったストーリー。
思うに彼女の作品はコミックの命と言うべき個々のキャラが立っていてなるほど面白い。
一週間仕事でばたばたしていたのでリフレッシュするのに丁度良かった。
それにしても家の本棚は加速的にコミックが増えつつあり、文庫・単行本の類を超える勢いだ。
両親はコミック読まないしなぁ。
BOOK OFFか、やっぱり。