平方録

富士山は噴火のデパート !?

「災厄は忘れたころに…」という題の、一昨日のブログで富士山噴火の懸念に触れた。
そうしたら昨晩、寝る前にたまたま読んだ某月刊誌の12月号で怖ろしい記事を見つけた。
「火山と日本人」と題する一文で地球物理学者の島村英紀という人が書いている。

「ともに生きる知恵」という副題が付いていて、日本では大規模地震や火山の噴火は避けて通れないから、そのことをよく理解したうえで、対応を考えておかなければならない。そういうリスクの大きいところで原子力発電所を持ち、廃棄物を数万年単位で長期間にわたって管理しなければいけない核燃料を扱うことは何とも無謀なことに見える、と結んでいる。

「富士山は噴火のデパート」という項目があり、デパートとは如何にもセンスのない表現だと思うが、それはさておき「あわやの状態」が続いていることをうかがわせている。
いわく 1) 富士山はいつ噴火してもおかしくない活火山である 2) 1707年の「宝永噴火」以降噴火していないが、その後300年間も噴火していないのはとても珍しい。例えば平安時代の400年間の初めの300年間に10回も噴火した。今の静けさは異例である 3) マグマの動きと連動しているとされる「低周波地震」が富士山直下15~20キロのところで増減を繰り返していて、2001年にはこの低周波地震がいきなり増えて地球物理学者に緊張が走った。 4) 噴火する場合はマグマが富士山の地下に上ってくる。そうすると山体が膨張するはずで、精密に観測されているが、山体膨張は継続的に進んでいて、1996年以降はそのペースが加速しているように見える 5) 1960年のチリ地震以降、世界でM9以上の破格の規模の地震が7つ起きていて、このうち6つは4年以内に近くで火山が爆発している。東日本大地震が唯一の例外だったが御嶽山の噴火で例外がなくなった。しかも他の6つの大地震では複数の火山が噴火している。日本では御嶽山だけで済むのか――というのである。

ゆゆしきことじゃないの !

ちなみに「デパート」とは噴火口がどこにできるかわからない、どこにもできうる、ということのようである。噴火口の位置によって被害想定も異なってくるという。

一昨日は北風が吹けば噴煙と火山灰は太平洋に、などとノー天気なことを書いたが、富士山上空には偏西風の通り道があって強い西風が常に吹いているという指摘を受ければ、例え北風が吹いても吹き飛ぶ火山灰は低空のものだけだろう。1万メートルもの高さまで火山灰を噴き上げるとすれば、地上に吹く風など気休めに過ぎない。

今も噴煙の上がる大涌谷を見れば一目瞭然だが、大勢の観光客が集まる箱根が噴火したら…、宮城と山形の境にある蔵王や十和田湖近辺の活火山も、近くで起きる火山性地震が増えているそうで「いずれ噴火しても不思議ではない活火山は多い」とも指摘している。
しかも噴火予知は今の段階では出来ない相談なのである。

温泉が湧き、風光明媚な地形が完成し、はっきりした四季の移ろいを味わえるのも火山活動の産物である。
地震、台風、火山噴火…。自然界の活動は致し方ない。阻止しようがないのだから、噴火ありうべし、を頭に入れておいて冷静に対処するしかないが、原子力の暴走事故だけはご免こうむりたい。フクシマをみれば終息への道のりは険しすぎるように見える。第一、短期間に終息なんかできない。場合によっては手がつけられなくなってしまうかもしれない。そうなりゃ列島放棄だぜ。いったいどこへ逃げればいいんだ。

原子力のリスクを取り除いておくことは可能である。
しかし、アベちゃんには理解できないだろうな。国民が馬鹿に見えるのかもしれないが、案外そうでもないかもしれないぜ。
大自然や国民をなめちゃあいけません。


名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「日記」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事