平方録

カサゴとメバルを刺し身にしてみた

3連休初日。といっても“毎日が日曜日”の身であるが…

天気が良くてポカポカと暖かいので、ウイークデーはいつも忙しくしているかみさんと散歩に。
とはいえ、なるべく観光客のいないところが良い。

家を出て鎌倉山のロータリーのバス停の手前を左に折れて細い坂道を上り、ローストビーフ鎌倉山の前を抜けると、相模湾が一望出来る開けた場所に出る。
この日は春霞がかかったように、富士山や箱根連山がボーッと霞んで見えた。
この眺望絶佳を過ぎて階段を下ると鎌倉山のバス通りに出る。
夫婦池公園の入り口脇からバス通りを離れ、舗装していない道路を曲がりくねりして進むうち、リスに出会う。
熊やイノシシでなくて幸いである。

おそらくこの辺りのリスは冬眠などしないのだろうが、実りの秋でドングリなどの木の実はたくさんあるし、ご機嫌な季節のはずである。
鎌倉や三浦半島に生息するタイワンリスはもともと江ノ島の植物園で飼育されていたものが脱走して野生化したものである。
島を抜け出して江ノ島の橋を渡るときはどんな気分だったんだろう。

再びバス通りに出て鎌倉山交番の先の喫茶店の角を左折し、閉館した棟方志功館前を通ると再び相模湾の眺望が開ける。右折して桜並木の残る住宅の間の道を進むと広町緑地の緑の丘にぶつかる。
高さ1メートルもない擁壁に鉄製のハシゴが立てかけられていて、これを使って樹林の中に入る。

ここは10数年前にあわや宅地開発されそうになった緑地だが、住民の反対運動の盛り上がりと時の知事の大英断で県が積み立てていた緑化推進基金からの支出が実現し、買取保存されることになったところである。
暖かい黒潮が流れる太平洋岸に位置しているためか、主に照葉樹で構成された森である。48ヘクタールもの緑地にはヤマザクラが点在していて春は見事である。オオシマザクラの大木も何本かあり、当時の知事や副知事と藤沢で飲んでいた際、酔いも手伝って「よし、行ってみよう」と一升瓶を抱えてタクシーで乗りつけて緑地に分け入り、満開の花を堪能してきたことがある。思い出の場所である。

途中から七里ガ浜の住宅地に下り、江ノ電の鎌倉高校前を通って海を見ながら134号沿いを西に進むと腰越である。
134号を外れて右折したすぐのところにある蕎麦屋に入ってもりそばを食べたが「新そば始めました」の張り紙が泣くまずさであった。がっかりした。
店を出てかみさんに愚痴ったら「どうしてあの店を選んだのか不思議だったわ」と白い目で見られた。

気を取り直してアマダイがないかなと、地元で揚がる魚を並べている龍口寺に近い行きつけの魚屋を覗いたが、姿なし。
でも寒い季節が近づいているためか、獲れる魚の種類が増えてきた。その中からカサゴ2匹ととメバルを1匹買った。
いずれも小ぶりだが、どちらも「さしみOK」と書いてある。刺身は初挑戦である。心が弾む。

広町緑地に接したみのもんたとかいう芸人? の、この界隈では顰蹙ものの馬鹿馬鹿しい豪邸の脇を通り、往きは素通りした夫婦池公園を抜けてウサギ小屋に戻る。

さて、刺し身。親指から血を流す苦闘を経て身とその他を切り分ける。身は薄っすらとピンクがかった白身で見た目は良い。
頭と身のはさまった背骨は味噌汁にして食す。魚から味がしみ出てとてもよかった。
しかし、身の味は今一つ。しっかりとした身で、歯ごたえも舌触りもよいのだが、味と呼べる味がないのだ。淡泊っていうんだろうか。まずいわけではないが、煮物や空揚げにすると両方ともあんなにおいしいのに…。
あのカワハギの刺身のように、肝にあえて食べた方が良いのだろうか。キツネにつままれたようである。
多分、昆布で締めるとか、さばいてもすぐ食べずに少し寝かせておくとか、ひと手間ひと工夫が必要なんだろう。

そばも失敗、刺身も失敗。ま、こんな日もあるさ。



上の2匹がカサゴで下がメバル。刺し身も美味しそうなんだけれど…


タイワンリス


広町緑地の笹のトンネル


ここは若木が目立つが、巨木の茂照葉樹林の中を小道がうねる


広町緑地のはずれに大きなサザンカが枝を広げている
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