平方録

立憲主義が泣いている

朝ご飯を終えて姫と2人で新江ノ島水族館に行く。
相模湾は雲が低くたれこめて、今にも降り出しそうな雲行きである。
平日の午前中だから空いているだろう、という予想は見事に外れた。
昨年の暮にも空いているだろうと思って遊びに来たら大賑わいだったのでびっくりした覚えがあるが、その時ほどではないにしても人が多い。
卒業式を終えた学校は多いだろう。早いところは春休みに入っているのだろうか。
年がら年中込み合っているという印象である。

わが家に来るたびに行くので、館内をよく覚えていて、1人でずんずん進んで行く。
イルカとアシカのショーの開始直前だったので、わき目も振らずに一直線にプールへ向かう。
ダイナミックなものが好きなようである。
ショーの中身は昨年末とほぼ同じである。動物に教え込むんだから、そういくつものレパートリーがあるわけもないか。

昼ご飯を食べに家に戻って、午後は雨が降り出したので買い物。
約束の鉛筆削りと普段着を数点買う。
ショッピングモールにあるアメリカンブランドのお店。
今の子は大人の選ぶものには首を縦に振らない。
すたすたと歩きまわって好みのものを探す。驚くことに、それが今年の注目カラ―の一つだったりする。
淡い薄グリーン。えっと思うのだが、よく似合うんである。
その眼力には恐れ入った。

昔の自分を振り返れば、自分で探すどころか、どっちでもいいから早くしてよ、としか思わなかった。
選んでくれたものの中で、どちらか選べと言われても、もじもじしながらあさっての方を向きながら、どちらか一方を指すような按配だったのだが…

今の子は着たいもののイメージがあって、それを探し出す目があって、もじもじするどころか「これ」といえる決断力を備えているんである。

それにつけても…
世の中に格差がじわじわ広がっているという。
母親の細腕に頼らなければいけないような家庭では、食べるだけで精いっぱいなところも少なくないようである。
大人だけならある程度やむを得ないとしても、子供はどうなんだ?
世界第3位の経済大国で格差が拡大して行くというのは、どう考えたって社会に歪みが生じている証拠だろう。
富の分配の仕方が間違っているんである。

憲法25条。
「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」

非正規労働者の拡大をはじめとするワーキングプアの問題、大企業優先の優遇税制の拡大など、近年顕著な経済政策の誤りが社会の歪を生んでいることは間違いない。
格差の拡大は単に経済的な部分に影を差しているだけでなく、秋葉原の通り魔連続殺傷事件の犯人は明らかに非正規労働という立場に対する逆恨みによる犯行という側面を持っているように、社会の安寧秩序の維持にも影を落しかけているのが現実である。
あの、川崎で起きた中1生徒の惨殺事件の根底にも、さまざまな格差の問題が横たわっているんじゃぁないか。

憲法9条は風前の灯だし、25条はとっくに踏みにじられてしまっている。
これが立憲主義の日本の真の姿なんである。
立憲主義の国家における憲法と云うのは、マグナカルタ以来、権力を縛るものとして主権者である国民が手に入れた大切なものなのである。
承知して踏みにじっているなら確信犯じゃぁないか。
国民は馬鹿にされているんである。




若殿をあやす姫
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