「さあ今日は蝶ヶ岳までや」
「稜線やから楽勝やね~~」
早朝モルゲンロートに輝く槍ヶ岳・・・そして北穂高に続く山々・・
綺麗という言葉は当てはまらない・・・荘厳な景色です。
空は快晴360度・・・雲も無く・・・今日は紅葉を見ながらゆっくり稜線のお山歩を・・・、
楽しめると思ってました。
6時半、朝日に向かって岩の登山道を常念岳山頂へ・・・・。
結構大きな岩を乗り越えながらです。もうこの時点で・・・「・・・ふぅ・」
槍を横目で見ながら・・・踏むとカランカラン音のする岩の登山道を、ひたすら登るのみ!
やっと山頂が見えてきた・・・女の子との距離が早くも離れ始め・・・。
常念岳山頂だ~~~~
標高差約400mを1時間半この標高でこの荷物でです。辛いのはバテている訳ではなかった・・。
槍ヶ岳から穂高連峰を・・・The北アルプス南部をバックに
山頂の祠でいつもの構図
360度どこまでも見えます。双眼鏡で見ると日本海も見えたとか・・。
富士山から標高の高い順に20位ぐらいまでほとんど見えました。
常念小屋や表銀座方面・・・燕岳や燕の合戦尾根も見え・・その奥は戸隠?かな。
手前の谷は槍ヶ岳に続く槍沢、左奥の奥穂高岳の下に広がる涸沢カールに巻いて入る涸沢の谷も・・・紅葉してますね~~~。
反対の松本側を見ると・・・どこまでも雲海が~~~、
浮かんでる八ヶ岳や南アルプスの峰峰・・・その奥に富士山、いつまでも見ていたい気分でした。
今日は中央奥の蝶ヶ岳に続く尾根道が今日の行程です。
先に下っている集団は・・なんと鹿児島からのグループで・・言葉のアクセントからすぐに南九州だと判りました。
女の子はかごんま弁で・・・。
「うちもかごっひまじゃいよ~」(わたしもかごしまです~)
「かごっひまはどこじゃいもんそかい?」(かごしまのどこ?)
「きりっひまじゃいよ」(きりしまだよ)
「あたいたちゃかのやじゃいよ」(わたしたちはかのやだよ)
・・・まだまだ続きました・・
ほぼ私達と同じ行程でしたが先行させていただきました。
富士山や南アルプスの山々・・
富士山の手前に伸びる尾根が日本3第急登の甲斐駒黒戸尾根・・標高差1800m・・・一気です。
あの南アルプスの稜線の縦走・・・あこがれです。
「いつ行く」「まあ来年か・・再来年か・・」「早く行かないと体力無くなるよ」「そうだけど.....」
今日の行程の1/3を過ぎ・・蝶槍がはっきり見えてきましたが、
小刻みに数10mのアップダウンに・・お疲れ気味・・「また下って登りや...」
北アルプスのど真ん中を・・・紅葉を見ながらの縦走・・・
「お天気最高~~景色も最高や~」「そうなんだけど・・疲れてきた...」
足元の紅葉を見・・そして山々の紅葉に見とれ・・なかなか進みません。
「また下って・・・また登るよ・・・」「うそやろ・・・甘く見てた・・・」
確かに地形図でもアップダウンするのは確認していましたが....等高線図に出てこない程度の登り降りが多かった。
紅葉の樹林帯を登ります・・・確かに綺麗なのですが・・・「疲れてきた......」「アップダウン多すぎ」
振り返ると・・・下りて来た常念岳!・・大きいです。
画像で見ると素直に下って来た様に見えますが・・・50m程度のピークを3回越えています。
蝶槍が目の前に・・そして蝶ヶ岳がしっかり見えてきました~~~。
しかし・・・ここから150m下って200m登らないと行けません...この登りが一番辛かった。
全く無言で登ること約30分・・・やっと蝶槍に~~~もう少し~~。
「早く来て~すごい景色~~」「・・・判ってる」
ますます近づいてくる穂高連峰・・そしてその手前の”屏風の頭”「紅葉してるね~~~」「明日が楽しみ~~」
蝶槍山頂から振り帰ると・・・登ってきた道や・・・槍ヶ岳に続く表銀座の稜線も紅葉しています。
蝶槍から・・・高低差の少ない稜線を・・、
正面に噴煙を上げる御嶽山・・・・。
「こんなに楽しんでいて、被災された方々や救助活動をされて居る方々にごめんなさいだ.....」
「ほんとにね...」
蝶ヶ岳の稜線は今までとは・・雰囲気も・・・景色も・・・紅葉も違います。
ハイマツの緑とドウダン系の赤、草紅葉の黄色の織り混ざった紅葉です。
この紅葉の景色も良いですよね~~
気持ちの良いい場所ですね~~。
実はこの頃二人とももうヘトヘト・・・目的地は道の一番奥、
一番高い所が蝶ヶ岳山頂でその手前に蝶ヶ岳ヒュッテ・・・見えるのに・・・遠い....。
何とか13時前に到着し、お昼を食べて・・蝶ヶ岳山頂へ・・・
風が有り・・結構寒いので女の子はダウンパンツを・・・。
蝶ヶ岳山頂よりヒュッテを・・・そして北アルプスを~~~。
蝶ヶ岳ヒュッテは水場が無く、雨水を濾過して飲み水に・・・貴重な水です。
実は常念岳の下りですれ違った若い女性と出身地の話になり・・・
「宮崎ですか・・蝶ヶ岳ヒュッテにも宮崎出身の子が居ますよ~~」「え~~ホント」
「声をかけてください、きっと喜びます」との会話が有り。
ヒュッテに着くなり
「宮崎出身の方いらっしゃいますか?」「あ・・IUちゃんね」
お会いすると20代の可愛い方で・・もう何年も山小屋の仕事されてるとか、
「ここ蝶ヶ岳からの景色が大好きでここに居ます」との事。
「両親も山好きで韓国岳によく行ってますよ~~」と、「お会いしてるかもね」
笑顔の素敵な活発そうな女の子で、
宮崎弁で色々お話させていただき、ビックリの出会いでした。
「IUちゃんありがとうね~~。山の生活を楽しんでお仕事頑張ってね~~」
29日の行程はGPS計測で距離6.3km、時間6時間15分、累計標高差登り834m下り652mのお山歩でした。
2日目も快晴に感謝・・・
ヘロヘロになったといえ、筋肉痛や足腰の痛みなど全くなく、健康な身体に感謝・・・
心地よい疲労感でした。
あまりの充実感に夕焼けや、星空、朝焼けを見たいと言う気持ちも起こらず・・・
19時に就寝・・周りが騒がしくなっても5時まで熟睡で・・・寝たね~~。