芳野星司 はじめはgoo!

童謡・唱歌や文学・歴史等の知られざる物語や逸話を写真付でエッセイ風に表現。

聖火台はこう作れ

2016年03月08日 | ミニコラム
                                                  

 隈研吾設計の新国立競技場のには聖火台がなかったという。これは世界の嗤い者だ。オリンピック、新国立競技場に関わる人たちは、どいつもこいつも責任逃ればかりする呆れた連中だ。ジ・エンド五輪担当大臣はモソモソとわけの分からないことを言った。最初から議論にも上らなかったと。
 和をコンセプトにした隈案は屋根が木製のため消防法上無理なのだという。

 さて、新国立競技場は和がテーマなのだから、それを重んじよう。日本の伝統漁法に鵜飼漁がある。鵜飼漁は夏の夜の風物詩ともなっている。司馬遼太郎の「街道をゆく」にもある通り、鵜飼漁の歴史は古く、中国にもあったらしいが、夜に篝火を焚く鵜飼漁は日本独自の伝統文化であるらしい。鵜飼漁はかつて日本中の川で行われていた。このことは、このブログの「人のとなりに」の一篇に「鵜ン蓄」と題して掲載している。

 聖火台は鵜飼舟の舳先に篝火が付いているように、競技場の外に篝火のように吊せばいい。水を湛えた大きな皿と一体型にして吊すか、あるいは篝火の真下に池を作れば、その水面に聖歌が美しく映えるだろう。 夜の聖火は美しく揺曳するだろう。
参考となるデザインは、日本の伝統漁「鵜飼舟と舳先の篝火」、もうひとつは四国の宇和島あたりや九州の一部に伝わる漁船「打瀬船」の長く突き出た舳先だろう。打瀬船については「エッセイ散歩」の一篇「海亀的漂流」としてこのブログにも掲載している。
 新国立競技場の聖火台、聖火問題はこれだろう。日本の伝統文化と、胸を張って言える。


                    

格安、激安にはわけがある

2016年01月20日 | ミニコラム

 激安、爆安にはわけがある。CoCo壱番屋の廃棄処分のカツ等がスーパーに出回り、大騒ぎになっている。やっばりなと思う。無論悪いのは儲かれば良いという廃棄処分業者や、間に入った何社かの業者である。まるで中国のようで、彼らを嗤うことはできない。
 毎年、リンゴやサクランボや、柿や梨や苺などが、摘果直前に、夜の内にごっそりとトラック数台分が盗難に合うというニュースを見ている。それらの報道によれば、もぎ跡は素人とは思われず玄人らしい。犯人はほとんど捕まっていない。トラックで運び去る量は、個人やその知人友人に配るにしても大過ぎる。しかし海外に輸出されたような様子もない。おそらく、それらの盗難リンゴやサクランボなどの行く先は、ジャムやジュース等の工場や、激安、爆安を売りにする店(スーパー、ディスカウントストア)だろう。
 工場にしろ店にしろ、仕入れ担当者は盗難品と知って買っているに違いない。儲かればよいのだ。…激安、爆安の店の品は、こうした盗難品か、廃棄処分の横流し品と疑うがいい。
 格安航空も、ほとんど整備などしていないに違いない。空港に着き、搭乗者を降ろし、燃料補給と簡単な機内掃除のために駐機場に移動し、すぐ次の客を乗せて飛ぶ。コストがかかることはやらないのだ。そのうち大事故につながるだろう。もしかすると機長や副機長は本当に機長としての資格を持っているのか疑わしいほどの安さではないか。
 格安のスキーバス事故でわかったことは、大型車の運転は苦手な運転手だったこと、その他決められた台帳の備えもせず、運転手の健康チェックも点呼すら割愛している。ろくに整備もしていないだろう。コストがかかることはやらないのだ。
 規制緩和をすれば競争によって価格がやすくなり、経済が活性化につながるとしたものの、実のところろくなものでなく、トラックやバスの長距離ドライバーは過重労働を強いられ、タクシードライバーも賃金が下降し、かつその生活も疲弊した。
今回の廃棄処分食品の不正転売事件騒動も、あの杭打ち不正データ事件騒動同様に、これから全国で次々と暴かれるに違いない。
 格安、激安、爆安にはわけがある。疑うがいい。

政治制度の改革

2015年12月15日 | ミニコラム

 安倍が参議院はいらない、一院制にすると言い出したらしい。確かに今のままの参議院には存在価値がない。一院制は改革ではなく、ブレーキのない最悪な政治となるだろう。逆に「安倍の一院制発言」から政治改革を提言しなければならない。

1. 悪しき選挙制度を変えなければならない

2. 二院制を維持し、参議院の存在価値を確立しなければならない。衆院の暴走をチェックし、ブレーキ役となるのが参院で、「参院の議決は4分の3以上の賛成を必要とする」とハードルを高くしなければならない。

3. 衆参選挙で安定多数を得た与党の暴走にブレーキをかけるため、問題多き法案・条約の批准には、常に「国民投票」の機会を設けなければならない。

 選挙で獲得議席数において圧勝し安定多数を得た第一党と、獲得議席数において惨敗し第二党となった政党の、総獲得票数の差ははわずか10万票程度なのだ。そういう選挙制度では民意は反映しないので変えなければならない。
 この安定多数を得た政権与党が、強行採決をはじめやりたい放題をしても次の選挙までにはタイムラグがある。だから国民投票でノーを表明する制度が必要だ。