若い絵描きさん、小怪獣ことリトルモンスターさんの絵です。
3月12日(土)に「足立市場の日」イベントがあり、「千住魚河岸俳句」の募集&コンテストが行われます。
東京都中央卸売市場足立市場は都内唯一の魚専門の市場です。その取扱量は築地に次ぐものです。ふだん一般のお客様は入れない市場ですが、通常営業日を活用して「足立市場の日」イベントを実施し、消費者の方々に市場の取引を見てその理解を深め、様々な水産物と魚食文化と食育への関心を高めてもらおうというのです。
プロの方たちが買われる仲卸の店から、活きの良い魚介類をお安く買い物できます。大きなマグロの解体ショーもあります。
「足立市場の日」イベント概要
期 日 平成28年3月12日(土)
時 間 9:00~13:00(お買い物は11:00まで)
場 所 東京都中央卸売市場足立市場 足立区千住橋戸町50番地
※ 京成本線「千住大橋」駅 徒歩5分
主 催 足立市場協会
共 催 東京都足立市場
後 援 足立区
「足立市場の日」イベントのひとつとして、周辺地域と共に連携・共創し、地域の歴史に因んだ文化的な発信をしようということになり、「千住魚河岸俳句 募集&コンテスト」が行われます。
足立市場の正門横に松尾芭蕉の像があります。芭蕉は舟で隅田川を遡航し橋戸河岸で降り、千住大橋のたもとから「奥の細道」に旅立ちました。そのときの句が「行く春や鳥啼き魚の目は泪」です。
当時、その地には何軒かの魚問屋が出ており、周辺の隅田川、荒川、幾つもの湖沼、田圃から多種類の淡水魚が獲れ、それらを商っていたのです。また千住周辺で採れた根深ねぎや、野菜や穀物も集まり、やっちゃばも賑わい、江戸の三大市場のひとつとなっています。
芭蕉の句は、魚問屋に並んだ盥や桶の中の魚を見、また見送りに来た弟子たちの泪を見て詠んだものでしょう。
また足立区六月(地名)の炎天寺は、平安末期創建の古刹ですが、小林一茶が訪れて「蝉鳴くや六月村の炎天寺」という句を残しています。寺の境内に「蛙の池」があり、池水に顔を出した石の上で蛙が二匹相撲をとっています。「やせ蛙負けるな一茶是にあり」…。代々のご住職は子どもたちに俳句を教えてきました。子どもたちの俳句大会が行われ、昨年は全国の小中学生から約11万句が寄せられたといいます。炎天寺ご住職が指導する子どもたちの中から、俳句甲子園で活躍する高校生たちも出ています。また炎天寺では毎年11月23日に「一茶まつり」が開催され、全国から一茶ファンや俳句愛好者が集まります。
足立区は俳句が盛んな土地なのです。
【千住魚河岸俳句 募集&コンテスト要項】
ご応募資格 : 性別、年齢、国籍は不問。ただし居住地は日本国内の方に限らせていただきます。
応募規定 : 当季雑詠。千住、旅立ち、さかな(魚河岸、魚市場…)などはご自由に詠み込んでください。
定型、自由律等はご自由に。お一人様で六句までとさせていただきます。(なお、投句料は無料です。ふるってご応募ください。)
募集期間 : 平成28年2月2日(火)~平成28年2月15日(月)
審査員 : 青山丈先生(足立俳句連盟会長)、吉野秀彦先生(炎天寺住職)、足立
市場長
最終選考 : 2月24日(水)
表彰式 : 入賞者のみ表彰(2月末までにご連絡いたしますので、3月12日
(土)当日にご来場ください。なお、交通費はご負担願います。)
会場は足立市場内特設会場、時間は10時~約30分(予定)です。
大賞(一句)特別優秀賞(二句)優秀賞(六句)特別賞(六句)を発表し、
表彰と金一封を授与いたします。
ご応募 : 記載事項は 1. 作品 2. 〒番号・ご住所 3. ご本名(俳号をお持ち
の方は俳号も) 4. 電話番号、Eメールアドレス 5. 句会・俳句サークル所属
の方は所属名、学生は学校名
下記事務局宛に、 FAX(A4サイズ)もしくはメール、もしくはハガキに
てご応募ください。 ※ お問い合わせも下記事務局宛にFAX、もしくはメールにて
お願いたします
株式会社 龍頭(リューズ)内 「千住河岸俳句」事務局
〒232-0022 神奈川県横浜市南区高根町3-17-12 KSビル3F
メール:adachi@ryuse.net
FAX番号/045-261-6766
どうぞふるってご参加ください。ご応募をお待ちしています。
追記
当日は「創作ねぎま鍋まつり」コンテストも開催されます。
ねぎま鍋は千住の名物です。江戸時代、名物の千住の根深ねぎとマグロを組み合わせた鍋として広まり、江戸中の庶民に親しまれました。
市場の仲卸とお取引のある飲食店が、新しい創作ねぎま鍋に挑みます。ご来場者に試食をお楽しみいただき、審査してもらいます。ぜひ新しい名物料理の誕生にもお立ち会いください。
ちなみに池波正太郎作品には、随所に「根深汁」が出てきます。単純な味噌汁なのですが、具は太くて白い甘みのある根深ねぎをぶつ切りにしただけのもの。「剣客商売」の秋山大治郎はこの大好きな根深汁で朝食をとり、「仕掛け人・梅庵」はこれに一滴ごま油をたらすのが大好きです。「鬼平犯科帳」の長官はこれに目を細めます。
さて、この企画とイベントに多少関わる者として、先ず拙い一句を…
魚河岸の 声も春めく 千住かな (天野雀空)
競馬は観戦スポーツであると認識するところから、競馬エッセイが生まれる。スポーツを演じる、闘う人馬、コミュニケーションを交わす人馬、そして彼らに関わる人々から物語が生まれる。
かつて寺山修司は「馬の個人史」ということを言った。ヒカルメイジ、コマツヒカリの兄弟は青森の盛田牧場に産まれ、雪解けの泥田のような牧場を走り回って育った。だから彼らは重馬場や不良馬場を苦にしない。
こうして一頭一頭の個人史や物語に、仮託する応援者の個人史や物語が重なる。
競馬は面白く、ファンの脳裏に競馬エッセイのアンソロジーも編まれ続けていく。