中学校時代からファンだった。
むつごろうシリーズたくさん読みました。
でも、最初に影響を受けたのは、もちろん「ムツゴロウの青春期」。
中学生の僕には、少なからぬあこがれと羨望と希望とがごちゃ混ぜになった模範の本になった。
小さいのにバスケットをしていたという唯一の共通点も、ファンになった一つの理由だったし、東京大学に、高校の授業はあまり受けずにほとんど独学で現役合格したという快挙にも憧れた。
ただ私自身はそんなに頭もよくなかったので、一所懸命勉強するしかなかったけれど、少しでも近づきたいという気持ちが勉強の糧になったのは確かだと思う。
そんな私も一浪の末、なんとか大学に入って、あっという間に4年生。研修旅行の時期が来た。研修と言っても半分は卒業祝いの意味もあって、遠く新潟と北海道のコースがメインになっていた。農業視察的なものだった。
このことは先輩からも聞いていたので、私はこの機会をしっかりと待っていた。
さあ、出発のどれくらい前だったかは忘れたが、あの憧れの畑さんの動物王国のある北海道へ行くんだ、そうしたら、訪ねるしかないだろう。
ということで、私は本の出版社である文芸春秋社(たぶん)へ、はがきを書いた。
「畑さんのファンです。ファンレターを書きたいので住所教えてください」と。
その後、教えられないから、同社経由で畑さんへ送ることになったと思うが、
「その時本人は上京していますが、私でよかったら対応します」
と、奥様、順子さんから返事が来た。しかも第2動物王国からだった。
それこそ天にも昇るような気持ち。みんなに宣伝しまくった。
その結果同級生のクラス全員20人が一緒に行きたいと。
しかも同伴の先生までついてくると。
研修中のある日に第2動物王国:馬牧場に押しかけたのでした。
馬牧場の様子は不思議なことに全く忘れてしまった。たぶん夜でよくわからなかったのかな。
畑さんと奥さんとのことを、お茶をいただきながら聞いた。私はもちろん奥様の隣の特等席に座りながら。
最後には、持っていたハンカチにサインまでしてもらったな。
もう話中身も、ほとんど忘れたが、この時のことはみんなの間では今でも話題になる。
若いときの一番いい話のひとつだ。
この話、方々で自慢しているので、たぶんこのブログでも書いたと思っていたが、イラストを描いてくれているYさんから「初めて聞いた、その話書いてよ」と言われ、嬉しくて2回目かもしれないけれど、書きました。