OGUMA    日々軌 小熊廣美の日々新

規格外の書家を自認している遊墨民は、書は「諸」であるという覚悟で日々生きている。

気楽に綴らせていただきます。

新徴組にてそうろう

2019年03月04日 | 日記
全身麻酔の手術を受けた。
というと、大袈裟にきこえるが、瘤取り爺さんと同じだそうだが、脂肪がたまってのことだった。

読みたい本を一冊持参して入院した。

『新徴組の真実にせまる』千葉弥一郎原著、西脇康編著 文学通信刊。

西脇さんは、はじめの挨拶でまず次のように述べている。

幕末の剣客集団、新徴組と新選組。
本書が主として扱うのは新徴組であり、けっして「選」や「撰」の誤字・誤植ではない。

と。
そう、新選組は知っていても、新徴組となると、がぜん知名度が低くなる。
が、新選組のもとは新徴組からの分かれだ。
その新徴組の元隊士で昭和まで生き延びた千葉弥一郎の証言禄を、史料を読み解くプロの西脇さんが私たちのような素人が読めるようにしてくれたのがこの本の価値である。

私がはまっているTVドラマに『オクニョ』があるが、この真面目な本のなかにも“明治初年の脱走組士に対する偵察・粛清の在り方は、韓流時代劇『オクニョ』で描かれるチェタミン(密偵)の暗躍を髣髴とされる”とあるあたり、西脇さんらしい。

史実と創作はきちんと区別されるべきである。

西脇さん「おわりに」の冒頭の文句である。
日野の新選組のふるさと歴史館にも関わる西脇さんだが、そこでは、先日、新選組書展の審査があって、600点近くの名作が半分に分けられ、もう歴史館に並んでいるはずだ。そう選外も並べ、選外にこそ名作あり! と審査に関わるものがいってはいけないが、選んであげないといけないと思う作品が10や20作はあった。半紙一作に一つのドラマがあるもんだ。

課題にはいつも「候文」がある。
だれもいない3月3日の病室での一句にて候。

色さした 雨にて候 紙の雛  芭蕉洟


おそまつ。
それがし、生まれ変わるつもりの弥生月にて候
以後よろしゅう御頼み申し上げ奉り候
コメント
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