マダムヤンのひとりごと

香港が大好き!中国の情報を発信したいと思っているのですが…ごめんなさい!子どもの話題ばかりになっていますね。

介護の難しさ

2017-10-12 | 思いつき

父の介護
11年前の2月14日、父の68歳のお誕生日の夜に脳梗塞で倒れました。
その日は友人ご夫婦と家から車で20分ほどの温泉に泊まっていました。

夜中にケイタイが鳴り、駆けつけるとそこにはまだ話も出来る、身体もまだ動く父がいました。
病院について朝まで、脳外科の先生がいらっしゃるのを待ちました。
その間に、父の身体はだんだん動かなくなり、とても深刻な状態になってしまいました。

今でもハッキリと覚えています。その夜のことも、それからの入院生活も。

その数カ月後には私もryuryuを連れて北京に戻る予定でしたが、父の世話をする母を助けるために日本に留まることにしました。
この時戻っていたら、きっと今頃家族3人で北京で暮らしていたかもしれませんね。

それから3年後の夏、母が突然脳腫瘍が見つかり、手術の甲斐もなく亡くなってしまいました。

さぁ、大変です。それまで母を助けていただけなのに、今度は私が全部介護を請け負うことになりました。

身体半分が麻痺しているというのは、本人はとても辛く、生活も大変です。
頭ははっきりしていて聡明なままの父なので、精神的にどんなに参っていることでしょう。自分の思う通りにならない身体になってしまい、今までの自由が全て奪われてしまったのですから。
もともと、自由人で、人の言うことは聞かず、頑固で、短気ですぐに大声を出して威張る。寅年生まれだけあって、本当に虎のように吠えます。

いったん脳梗塞を患った身体能力は回復はしません。6年前には脳出血も患ったので、ますます身体の調子は悪くなります。衰えていきます。しっかりと歩けていた杖歩行も、今ではフラフラ、いつ転んでもおかしくありません。
「現状維持」を目標に、毎日生活していたのに・・・


とうとう、4日前に骨折をしてしまいました。骨折と言ってもほんのちょっと。レントゲンではわかりません。動かない右足の小指の付け根を痛めてしまいました。

動かない足でも、杖をついて歩く時には床につきます。痛くてつけません。
もうアウトです、歩くことが出来なくなりました。

一昨日、いつもの通院の日だったので、病院に行き、その帰りには介護施設に入居することになりました。

さてさて、「介護の難しさ」としたその「難しさ」についてお話しますね。

父と私は干支も血液型も同じで、性格がまそっくりです。
なので、いつもケンカが絶えません。
私がお嫁さんなら、少しは遠慮というものがあって、言葉も選んで優しく接してあげるかもしれません。が、実の親子です。言いたいことはそのまま、オブラートに包むこともなく直球で投げかけます。もちろん、父もそれに答えて直球を投げてきます。

そんな時に、私は反省をするわけです。
もっと優しくしてあげなきゃ・・・あんなことは言ってはいけないな・・・
毎回毎回、反省の連続です。そして、そんな自分に自己嫌悪を感じて、とても嫌な気持ちになります。
そこなんですね、「難しさ」というのは。

父は父で、私に介護してもらうことが当然のことだと思って、感謝の態度はありません。
朝、一日分のお茶を作りますが、全部ポットに入れたのでは重くて大変だから朝と夜に分けて、夜、また温め直してポットに入れておく。
お皿は縁が高く、滑り止めのあるものを使う。ポットやコップの取っ手など、全て左に向けておく。
お料理もお皿の右側には、縁を使ってすくえるものをおく。お魚の骨は取り除く。一口大に切る。
などなど、食事の準備一つをとっても色々とあるわけです。
そういうこともわかってないのよね。だから、私もなにかあるとすぐにカッ!となってしまいます。
今日の最高気温を気にして、窓を開けて出かけるか、閉めて出かけるか、エアコンはオンにする?タイマーをかけておく?なんてことも毎日気にします。
仕事をしていて、ケイタイにお父さんからの電話が入ると「何かあった?」と、ドキッとします。
夜は尿瓶のオシッコを捨てます、またこれが鼻が曲がってしまうほどの大変な匂いのするもので、息を止めながらします(笑)
それを最近はryuryuが代わりにやってくれるので、本当にryuryuには感謝です。
最近は、「こうやって毎日毎日オシッコを捨てながら私もお婆ちゃんになっていくのかな」・・・と思って、ちょっと悲しくなります。

デイサービスを利用するようになったので、家での入浴はヘルパーさんにお願いする1回だけになりましたが、以前は私やryuryuが介助していました。
ryuryuは本当によく私を助けてくれます。ありがたいですね。

どこに行くのにも、まず父の食事の用意をしてからですしね。思いつきでサッと出かけることも出来ません。

とにかく、毎日毎日、生きている人間をお世話しなくてはならないこと、気を遣うことはたくさんあるわけです。
それは、親子だから、子どもだからしょうがない、当然のこと。・・・ですか?
ですよね。でも、私の生活は?私の人生は?私の自由は?
そんなことを考えているうちに、私も歳を取って身体が動かなくなっていくでしょう。自分でしたいと思っていたことも出来ずに、お婆ちゃんになってしまいます。

こんなふうに、頭ではわかっていても、納得しきれないことがだんだんと多くなってくるわけです。
そして、そんなことを考える私は悪い娘だと思えてきて、落ち込んだり。
心のなかで様々な「葛藤」を繰り返しています。

それが「難しさ」なんです。

私が父にしてあげていることは、あっ、もうこれが間違いかも、「させていただいていること」と置き換えなければいけないですね。
させていただいていることは、全然大変なことではありません。簡単なことです。でも、それが続いていることで私の中に色々な考えが浮かんできては消え、浮かんできては消え、自己嫌悪を感じたり、怒りを感じたり・・・それをうまくコントロールして楽しく過ごすことが難しいんです。
1週間や2週間なら、うまく出来るかもしれません。もう8年です、そしてまだまだ続きます・・・今のところ無期限です。
心のバランスをとるのが難しくなりました。

ショートステイに行ってもらったことも、半分は「よかった」と思い、半分は「ダメだよね」と思っています。

病院の帰りが遅くなり、疲れてしまいました。遅いお昼ごはんは「牛丼がいい」って。
こんな可愛い顔していいおじいちゃんなんだけどね・・・
この写真を見ていると、泣けてくるのよ・・・憎ったらしいと思っているくせに涙がポロポロ出てくるの。そこが本当に難しいところ。

介護は大変なことではありません、少なくともうちの場合はね。
「難しい」んです。




 

 

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