介護の技術・知識のまとめ

研修で学んだこと、職場で経験したことなどをまとめた場所です

質問の技法

2021-03-17 16:48:15 | コミュニケーション技術

質問の具体的な役割

  • 利用者が体験や思いを話すきっかけを作る
  • 利用者の介護に大切な情報を追加する
  • ハッキリと伝わらない話の内容や感情を明確化する
  • 利用者が自分の力を活かし、現状を変える一歩を踏み出すための勇気づけをする

 

質問を用いる前の留意点

  • 効果的な質問をするうえで最も重要な準備は、利用者との信頼関係の形成である
  • 性急で頻回な質問を避け、焦らずに適切な時を見計らって質問を用いる
  • 質問が尋問や詰問であってはならない。質問に答えるかどうかは利用者が決めるということを常に念頭に置いておく
  • 質問をする際には、答えを暗示したり、誘導したりしないようにする

 


納得と同意を得る技法

2021-03-17 16:47:48 | コミュニケーション技術

納得と同意を得る技法

大前提:「説得」ではなく「納得してもらう」!!

 

  • 明確化
    相手の話す内容が具体的でなく、また、まとまりがつかない場合に、「たしかなことかどうか」をうかがう技法。質問の形式を取ることが多いが、基本的共感を踏まえて行うと、尋問になることを避けることができる
  • 焦点化
    利用者が話したい内容に焦点を合わせて受け止め、介護職が自分の中で理解し、まとめたうえで、全体として利用者に戻す(フィードバックする)技法。利用者への共感を持って接することで、ただのまとめ作業にならないようにできる
  • 要約
    会話の内容、それが意図していることの意味、感情や思いなどを総合的にまとめ、利用者に伝える技法。要約の過程で疑問が生じた場合は、率直に尋ねることで信頼関係を促すことができる。語られる話を相手が理解できるように丁寧に細分化し、それぞれの区切りの要点をまとめて戻すことも大切
  • 直面化
    相手が自分の行動や行動がもたらす影響について、今よりも深くとらえられるようなきっかけを設ける技法。

直面化の技法を用いる際に前提となる理解

  1. 深い共感との関係性
    直面化と深い共感は、1枚のコインの裏と表と言ってよいもので、相手への深い理解と思いの通い合いがないところでの直面化は、関係性を破壊し、相手を深く傷つけてしまう
  2. 「徐々に」または「適宜」という判断
    直面化の技法は、相手の自己開示、信頼関係の形成や進展の度合いに合わせて、バランスよく用いる。バランスのない直面化は、相手と率直に向かい合うことを避けている行動として伝わる場合もある
  3. 相手への尊厳
    直面化においては、相手への尊厳の気持ちをしっかりと持ち、かいごしょくとしてのしせいやこうどうの倫理的側面を守ることが求められる

 


マズローの欲求段階説

2021-03-17 16:00:51 | 介護の基本

マズローの欲求段階説

下から順番に

  1. 生理的欲求
    食事、睡眠、排泄等の本能的根源的な欲求
  2. 安全欲求
    安全性、経済的安定性、よい健康状態の維持などの欲求、苦痛の回避
  3. 所属・愛情の欲求
    自分が社会で必要とされている、果たせる役割がある、という感覚。情緒的な人間関係、他社に受け入れられているという感覚
  4. 承認欲求
    自分が集団から価値ある存在と認められ尊重されることを求める欲求
  5. 自己実現の欲求
    成長し自分が成り得る最善のものになる、という欲求

生理的欲求から承認欲求までを「欠乏欲求」といい、人によって大きな差はないとされる
自己実現欲求は「成長欲求」といい、人によってその中身は大きな差があるとされる

生理的欲求と安全欲求を「一次的欲求」「基本的欲求」ともいう
所属・愛情の欲求から自己実現の欲求までを「二次的欲求」「社会的欲求」ともいう

 

??疑問点??
 生殖の欲求は、どの段階に相当するのか???


キューブラー=ロスの死の受容過程

2021-03-17 15:53:53 | 看取りケア

キューブラー=ロスの死の受容過程

  1. 否認(否認と孤立)
    「自分が死ぬはずがない」「何かの間違いだ」と、死の運命の事実を拒否し否定する段階。周囲から距離を置くようになる
  2. 怒り
    死を否定しきれない事実だと自覚した時、「なぜ私が死ななければならないのか」と問い、「死」に対して強い怒りの感情が現れる段階
  3. 取り引き
    「神様どうか助けてください」「病気さえ治るなら何でもします」など、死の現実を避けられないかと、取引をするかのように神にすがろうとする段階
  4. 抑うつ
    取り引きが無駄だと認識して、何をしても「死は避けられない」と分かり、気持ちが滅入って、抑うつ状態になる
  5. 受容
    「死は誰にでも訪れる自然なことだから、受け入れよう」と、死を受容し心穏やかになる

 


第1次共感と第2次共感

2021-03-17 15:44:05 | コミュニケーション技術

共感の技法が持つ2つの要点

  1. 利用者の心とともに身を置き、利用者の内側から見た思い、感じ方および考え方を、情動的かつ知的に理解する
  2. 伝わってきた利用者の内側から見た思いを自分自身の言葉と非言語を通して、利用者に応答として伝える

 

第1次共感

  • 基本的共感とも言われ、相手の話をよく聴き、その話の内容を理解し、話に含まれている思いを受け止め、内容の理解と思いをこちらの言葉に変えて応答する技法
  • その人の感情と、その感情が起こった理由を区別してとらえ、再び「○○(理由)だから、~~(感情)ですね」と理由と感情を一緒にして返答する

第2次共感

  • 深い共感とも言われ、第1次共感よりもさらに一歩進んで、相手が表出していない、心の中に込められた思いを含めて応答する技法
  • 相手が言語的に表現していない内面や思いを深く洞察し、その思いと、その思いが生まれた背景を的確に理解して、相手に伝わりやすいように戻す