介護の技術・知識のまとめ

研修で学んだこと、職場で経験したことなどをまとめた場所です

入浴介助の留意点

2021-03-25 15:56:39 | 生活支援技術

入浴介助の留意点

入浴前

  • 利用者の意見を尊重し、なるべく好みの時間に合わせる
  • 身体状況の把握
    主治医の許可と注意事項の確認、バイタルサインの安定確認、疼痛の有無や腫れ・炎症・関節可動域の確認、下肢の浮腫や足趾の異常確認、皮膚の状態確認(特に入浴前にどうなっていたか、見落とさないこと。入浴によってどんな変化があったかを把握できなくなる)
  • 食事直後(30分以上あける)や極度の空腹時は避ける
  • 水分補給は15~30分前に200~300mlの水やぬるま湯
  • 排泄やストーマの処置を済ませておく
  • 脱衣室や浴室内の温度確認(ヒートショック防止のため)
  • 衣類着脱のため、椅子があると良い
  • プライバシーの保護ができる環境整備
  • 床の濡れや敷物のずれ・めくれがないか(転倒防止のため)
  • 使用器具破損有無の確認
  • 適切な温度設定(浴槽のみならず、シャワーやカランの温度にも注意)
  • 着替えや塗り薬等の準備。事前に準備しておかないと、入浴後に体が冷えてしまう

入浴中

  • 全身状態、動作の変化など、異常がないか
  • 転倒・滑落防止。床が濡れたり、石鹸によって滑りやすくなっているので注意。泡を流すなど、転倒しにくい環境整備に努める
  • 利用者の変化にすぐ対応できるように、また利用者と介護者双方が楽になるように補助具の使用を積極的に
  • リラックスできる環境整備
  • 洗い残しや流したりない部分が無いように。洗い過ぎやこすり過ぎは皮膚を傷め外傷の原因になるので注意
  • 浴室内は音が反響するので、声掛け時に配慮する
  • 大浴場で複数人が同時に入浴する際は、利用者同士の接触事故に注意
  • 長湯になり過ぎないように

入浴後

  • 全身状態、動作の変化が入浴前と比べてなかったか確認
  • 素早く水けをふき取り湯冷めに注意する
  • 汗が引いてから衣服を着る。疲労を考慮し、なるべく座って着替えができるように
  • 移動時の転倒に注意。特に、入浴後に体調が急変することがあるので注意
  • 水分補給をする(スポーツドリンクや経口補水液は体温に近い温度で200~300ml)をすぐに摂取
  • 休息を十分にとる
  • 入浴直後の食事は避ける。30分程度は時間を空けること

 


食事の介助の観察ポイント

2021-03-25 15:44:21 | 生活支援技術

食事介助の留意点

  • 食前の手洗い(消毒)を忘れない
  • 食事環境を整備する
    衛生的な環境、安全で落ち着いた雰囲気、適切な場所の選定
    ベッド上で食事する場合は、なるべく健側から介助できるベッド位置を確保する
  • 姿勢を整える
    なるべく椅子に座る。折りたたみ車いすは、座位が不安定になりがちなので誤嚥の危険が高まる
    あごを少し引いて、イスに深く腰掛ける
    踵を床にしっかりつける
    テーブルと椅子の高さを調整する。上から食事が見えるように
  • ベッドで食事をする際の姿勢
    できるだけ座った姿勢(90度に近い角度)をとる。足を踏ん張れるように足底の位置を調整する
    介助者と同じ目線に合わせた高さにする
    ベッド上で座位が取れない場合は、体幹30度の仰臥位
    枕を高くするなどで、頸部を前屈させる
    片麻痺の場合は、やや健側を下にした軽い側臥位にする
  • 先行期の注意事項
    全身状態の変化や異常
    顔面や口の異常、舌のむくみ
    誤嚥やむせの既往はないか
    身体状態に適した食事形態と食器類の準備
    食事中の注意事項の確認
  • 準備期の注意事項
    咀嚼動作や回数の変化や異常
    食塊を作る動作の変化や異常
    食べこぼしの状況の変化
  • 口腔期の注意事項
    吞み込み動作の変化や異常
    呑み込みのタイミングの変化
  • 咽頭期の注意事項
    むせこみ、誤嚥や呼吸の異常に注意
    窒息時のチョークサインがあったらすぐに対処する!
  • 食道期の注意事項
    つかえ感の有無
    食道裂孔ヘルニアがあると、嘔吐することがあるので注意

食べ残しがあった場合、その理由を確認する。普段との違いに気付くように日常の観察が重要


移動・移乗における観察のポイント

2021-03-25 15:32:23 | 生活支援技術

観察ポイント

  • 「いつもと違う」をキャッチできるように
  • どのように違うのか、言語化できるように
  • 行動の変化と心身の変化を関連付けて考えられる(科学的・具体的な原因を考える)
  • 普段から観察ポイントを意識しておく。「この人はどこに注意して観察すればよいのか」を意識する
    実際には、動作が複雑になったり利用者の状態の変化によって観察ポイントはどんどん多くなるが、それを怠ると事故になってしまう
  • 過剰介護は機能低下を引き起こす危険を含んでいる
  • 生活変化の観察が病気やけがの治療に大きく役立つ
  • 介護計画を立てるために、今後の病状の変化を理解する
  • 福祉用具の取り扱いを正しく理解し、不具合を早期に発見し報告する
  • 環境の変化が身体状況や行動範囲に影響するため、多職種間の連携に努める

 


高次脳機能障害

2021-03-25 11:42:36 | 高齢者に多く見られる症状・疾病

高次脳機能障害

  • 記憶障害
    短期記憶、長期記憶ともに障害を負うことがある。様々なタイプの記憶が複雑に障害を受ける
  • 注意障害 下記の4つの注意力が低下する
    持続性(続ける力) 集中力を持続させ、一定の行動を行う
    選択性(見つける力) 多くの中から的確な一つを選べる
    転換性(変えられる力) 一つの行動から別の行動へ集中が変換できる
    分配性(同時に見つける力) 一度に2つ以上のことに同時に集中して行動を行う
  • 遂行障害
    目的を持った一連の行動を自立して有効に成し遂げることができない
    計画を立てる、計画を実行する、目的を達成するなど
  • 社会行動障害
    行動や言動、感情をその場の状況に合わせてコントロールできない
    意欲・発動性の低下 何事にも意欲を持てない
    情動コントロールの障害 怒りを爆発させる、暴力・性的行為などの反社会的行為を起こす
    対人関係の障害 親密すぎる発言や行動、急な話題転換に対応できない、抽象的指示の理解困難
    依存的行動 人格機能が低下し退行を示す
    固執 新たな問題に対応できず、一つの事柄に固執してしまう

介護上の留意点

  • 本人が障害を認識できてないことがあることを理解する
  • 体調不良等、本人が気づいていないこともある
  • 症状や障害の気づきが不安や気分の落ち込みを引き起こす可能性を理解
  • 家族も不安や気分の落ち込みなどがあることを理解
  • 発症前の生活や家族関係等を踏まえたうえで、現在の症状を理解し支援する
  • 持っている力を最大限に活かすため、その力を見抜く支援者の力が必要
    最も近くで利用者に接している介護職の役割である
  • 情報を共有し、チームアプローチが必要

 


肝機能障害の生活上の留意点

2021-03-25 11:29:50 | 高齢者に多く見られる症状・疾病

肝機能障害の心理的理解

  • 正しく病気を理解できていないことからくる不安を抱いている
  • 間違った日常生活管理をしないように
  • 長期管理のために受診の継続が困難な場合がある。費用負担の問題
  • 他者への感染の危険の不安を感じている
  • 補助金や助成等は、自己申告のため、高齢者には特に手続きが負担になる

介護上の留意点

  • 正しく病気を理解して、利用者に不安感を与えない
  • 過剰な予防は人権侵害につながる
    対策をされてしまう利用者の気持ちを考えてみること!
  • 施設内で定められた感染対策方法にのっとりケアを行う
    糖尿病でインスリン治療を行っている人の注射針、血糖検査器具、採血針、消毒綿などの扱い
    褥瘡、傷からの血液や滲出液、それらを含んだガーゼの扱い
    嘔吐物、吐血、喀血、喀痰、鼻出血の扱い
    歯肉出血など口腔内出血時の口腔ケア
    出血、滲出部位があり、介護職にも傷がある場合の清拭、フットケア、入浴介助
    おむつの扱い