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daiozen (大王膳)

強くあらねばなりませぬ… 護るためにはどうしても!

落椿投げて暖炉の火の上に

2014年09月25日 | 俳人 - 鑑賞
新婚早々の橋本多佳子は櫓山荘の女主人であり、
ここが北九州小倉の文化サロンの中心拠点と目されていた

櫓山荘に各界の名士が集っての俳句会が催されたが
そのとき、虚子が即興的に詠んで多佳子に贈った句がこれ

即興は居合い斬りのようで一刀のもとに斬ってすてるが
斬られた人はその見事な切れ味に斬られたことを感じない

いやいや、これは斬られた多佳子の負けにはならないなあ
斬り結ぶのなら互いに覚悟して抜刀しても、これは闇打ち

いやいや、男は勝取るために戦うのだから虚子を咎めない
斬られて好かった多佳子は程なく虚子の弟子になったのだ

落椿投げて暖炉の火の上に‥と背後から斬られて
斬られた者が「なんじゃね、それ」ではどうしようもない

立ち居・振る舞い・行儀・躾けは幼い時からの習慣です
多佳子は厳しく躾けられて育って、恥らいを知っている人

ブリブリ屁を扱いて平然とする九州男児はいくらもいるが
多佳子は家元の跡取りとして育った上品なお嬢さんなんだ

初対面の紳士らしき虚子にスキを見られてしまったら?
いやいや、現実はどうだったか私は責任を持たないけど‥

床に落ちた椿の花弁を摘みあげて何気にポイッ!
あ~ら、見てたわねぇ‥って、そんなワケないのだから

落ち椿投げて‥多佳子は落ち椿を投げ捨てた
そのようすを全て観られていてどうなっただろうか

落椿は暖炉の火の上で燃えて灰になるだろうけれど
多佳子は体の芯から火照ってカッカしてもう為されるまま

いやいや、俳句ってホント好いものですねい
だから愉しまなきゃ俳句じゃないってくらい想っていいね。






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