(引用文)
人殺しをした人々の魂が、毎年きまったある月のある日の夜中に墓の中から呼び出される。 そうして、めいめいの昔の犯罪の現場を見舞わせられる。 行きがけには、だれも彼も 「正当だ。おれのしたことは正当だ」 とつぶやきながら出かけて行く。 ……しかし、帰りには、みんな 「悪かった。悪かった」 とつぶやきながら、めいめいの墓場へ帰って行くそうである。 私は、……人殺しだけはしないことにきめようと思う。 (大正十年二月、渋柿)
(大正十年二月号掲載文を読んで)
死後の住まいが墓の中と定められているなら、
恐竜に丸呑みされた人の住いは恐竜のお腹だろうか。
それとも、恐竜が排泄した大便の中だろうか。
恐竜の大便が風に飛び散ったならどうなるのだろうか。
こんな他愛無い考えからも哲学に突き進めるのです。
ともあれ、人殺しをしない結論に結びついて結構です。