私が惹かれる俳句は哲学があるものだけど人はそれぞれですね
「俳句に哲学ってなんや」とお思いのかたも多いと思いますし
俳句に哲学がないからといって決して駄目なわけがありません。
哲学は人の生き方に関わる概念と言えば好いかもしれませんが
コンセプト?テーマ?構想? ドラマ作りも同じと思いますが
とにかく笑いをとろうとか、温かい中身にしようとか考えます
行き当りばったりで五七五に作る作業はかえって難しいもので
与えられた命題を満足させる作業のほうが楽ではないだろうか
急に命題を作るのも難しいから行き当りばったりになりやすい
漫才屋は四六時中笑いのネタを考えることに忙しいだろうし
饅頭屋は美味しい材料や加工の仕方を工夫し考えるのに忙しい
それで皆も自分の目標を意識しつつ暮らすことになるのだろう。
なにを目標にするも人それぞれだが、私的には哲学が断然いい
また哲学といえば人を幸せにしたいと願う哲学は居心地がいい
恋愛・旅行・スポーツ等など‥好みは人毎に異なって当然です。
人間をコンセプトにした俳句が大好きな私は橋本多佳子を選る
温かい人間性が感じられる‥これは橋本多佳子の持ち味なんだ
このように理解して鑑賞するときに私好みの解釈が叶えられる
いなびかり北よりすれば北を見る‥句が導くから私は楽ちんだ
方程式に則って句を眺めると方程式どおりの結果が露わになる
古語・文語体の約束に則って答えに導かれるから当然ですよね。
いなびかり‥辞典のままに読み解くだけな私の解釈ですが
稲妻・稲夫・稲を実らせる実りの秋の自然の力と想像は膨らんで
いなびかりは怖ろしい存在でなく、人々に有り難い知らせでしょ?
北よりすれば北を見る
それほど有り難い存在が北の方位で合図を送ったのに無視はない
多佳子にとって有り難くて威厳に満ちた存在と言えば夫でしょう
敷地の北側に高い樹木を植えるのは玄武の護りに通じるでしょう
北で稲夫(いなづま)の気配がしたのは多佳子が護られている証拠
そのように捉えるとき、妻・多佳子は咄嗟に夫・豊次郎を想った
護られていると思って感謝して暮らす多佳子は天の摂理に適う人
夫婦・家族・地域・社会のあり様を謳った句とも捉えられますね。
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