大まゆ均の活動日誌

日本共産党 三木市議会議員 大まゆ均です。
議会のことや日々の活動を報告します。

市議会最終日 4つの議案に反対討論

2015-12-21 19:37:39 | 議会活動
 12月1日から開会した三木市議会は、市長提出議案17件、請願2件を採決して閉会しました。
今期の定例会の焦点は、理事兼企画管理部長が飲酒運転で逮捕されたことに伴う市長副市長の給与減額条例、副市長を2人にすることに議会がどういう結論を出すのかでした。日本共産党は、給与減額については逮捕された職員の処分が決まっていないこと、市長と部長が建設会社社長と飲食を共にしたしたことについて倫理条例の結論が出されていないことなどから反対しました。外部から副市長を新たに選任することについては1人が退席し、7人が反対してして賛否同数となり、議長の裁定で可決されました。

私の討論の原稿は次の通り

 私は、第68号議案、第69号議案、第70号議案、第71号議案に反対し、第76号議案に賛成の討論を行います。
 まず、第68号議案は、副市長を2人にする条例改正であります。副市長を2人にする理由として①地方創生への対応 ②市長が総合教育会議を主宰した教育改革への対応 ③市長と2人の副市長の3者が役割を分担し、よりスピーディで的確に行政課題へ対応をあげています。地方創生戦略では、山陽自動車道三木サービスエリア北側に大型集客施設を誘致することや緑が丘の町の再生、ごみ処理施設の民間委託などが挙げられています。これらは、市民の中から出てきたのではなく市長の側から提案されたものです。地方創生計画策定検討委員会や循環型社会創造研究会は限られた委員が非公開で計画策定の作業などを進めています。三木市の将来計画をどのようにするのかについて市民の中からつくり上げるのではなくパブリックコメントを取ることになっているとはいえ、トップマネジメントとして出されてきています。これでは市民本位の計画とはかけ離れたものとなってしまいます。教育改革として出されてきているのは小学生からの英語教育が挙げられていますが、どの子にも基礎的な学力を身につけるためのゆき届いた教育が必要であると思います。
 また、この間、正規職員が大きく減少して非正規で市役所に働く人が増えてきました。副市長2人にするには年間1,900万円も余分にかかりますが、正規職員を増やすことこそが必要なのではないでしょうか
以上のことから副市長を2人にすることには反対です。
 
 次に、第69号議案 個人番号の利用に関する条例改正についてであります。このたびの改正では、新たに①福祉医療費助成事務 ②就学援助事務 ③外国人に対する生活保護事務 ③心身障害者扶養共済事務を個人番号の独自利用を定めるとともに、住民基本台帳カードを廃止し、個人番号カードを使ってコンビニなどで印鑑証明などが利用できるようにするものであります。
 個人情報を各事務の間で共通の個人番号を付番すれば、名寄せ、照合することがより容易になりますが、このことが逆に情報が漏れる可能性が高くなるという表裏一体のものとなります。コンピューターのシステムのセキュリティをいくら強化しても100%安全であるとは誰も言えません。システムでいえば、つなげてから漏れないようにするセキュリティ強化を考えるよりも、最初からつなげないほうが多額の費用もかからず安全です。
 今年の1月に内閣府が行ったマイナンバー制度に関する世論調査では、
『個人情報が漏えいしてプライバシーが侵害される恐れがあること』32.6%、『マイナンバー個人情報の不正利用により、被害にあう恐れがあること』32.3%、『国により個人情報が一元管理され、監視監督されるおそれがあること』18.2%となっています。逆に、『不安は特にない』11.5%となっており、期待よりもむしろ強い不安を持っていることが分かります。
 カードの盗難・紛失による被害、発行時点でのなりすまし、ブラック企業による不正利用や倒産等に伴い適正な情報管理がなされなくなるなど、雇用先を通じた情報流出の危険も完全に否定することはできません。専門家が「セキュリティ対策は漏洩の危険性は軽減するけれど、絶対安全ではない」と指摘されているとおりです。一度漏れた情報は取り戻すことはできません。根本的な問題である情報漏えいや監視社会への国民の不安がなくならないなかでのマイナンバー制度のスタートには問題があるといわざるを得ません。国に対して制度を根本から見直すため、スタートを遅らせることを求めるべきです。本条例の制定に反対するものです。

 次に、第70号議案、介護保険条例の改正は、平成29年4月1日からとされていた介護予防・日常生活支援総合事業を平成28年3月1日から繰り上げて実施するものです。
 このことで要支援1・2に該当する高齢者の場合、基本チェックリストによって介護給付からはずされ、現在の訪問型サービス及び通所型サービスは、「介護予防・生活支援サービス事業」において「自助・互助」で取り組む住民力を活用した事業展開をしていくことになります。この新総合事業への移行で、サービスの担い手が無資格者によるサービスやボランティアに置き換えられ、今までの「命綱」を失うことになりかねません。事業の内容が良く分からいないまま実施をすることに反対するものです。
 
 次に第71号議案みきやま斎場の指定管理者の指定についてであります。
平成28年4月1日から5年間、新たに指定管理者として三重県のイージス・グループ有限責任事業組合に指定管理料3,000万円以内で指定しようとするものであります。
 委員会審査の中で2社の応募の中から候補者として選定したとの説明が
ありましたが、今の指定管理者が応募したのかどうか もう1つの応募者はどこかもあきらかにしていません。また、どうして候補者として選ばれたかというと指定管理料で有利だったことが主な理由と説明され、詳しい内容は公表されませんでした。これでは指定管理者の候補者として本当にふさわしいのかどうかの判断ができません。
 指定管理者制度が指定期間を定めるため、指定期間を終えれば、次に指定される保証はありません。そこで働いていた方は次の指定管理者が雇用するといいますが、指定管理料が下げられれば、これまでの雇用条件より悪くなることが予想されます。指定管理制度はこのような不安定雇用の上に成り立っているわけでありますので指定管理の在り方も考えなくてはなりません。以上のことから反対するものであります。

 次に、第76号議案、一般会計補正予算についてであります。このたびの補正は、2億2,782万円を追加して314億3,701万3千円にするものでありますが、その主なものは、保育所運営費の追加や18歳選挙権のためのシステム改修、デイサービスセンターの改修のための設計費、農業の多面的支払い交付金の追加、猪被害対策、バス一律運賃の補てん、文化会館の設備改修など必要なものであります。
 しかしながら職員の退職移動に伴い職員4人が減り、給与費で7,528万2千円減額する一方、非常勤職員の賃金や派遣職員の委託料など5,956万8千円と副市長の給与等261万2千円を増額しています。
 正規の職員を増やすことを求めるものであります。
 以上、討論とします。

所得税法第56条は廃止を

2015-12-21 17:45:18 | 議会活動
三木市議会に「所得税法第56条の廃止を求める意見書」についての請願が出されました。今日の本会議で採択を求めて賛成討論を行いました。
結果は、日本共産党の2名の賛成しかなく不採択となりました。
討論の原稿は次の通り

ただいま議題となっております請願第5号、「所得税法第56条の廃止を求める意見書」についての請願に賛成の討論を行います。
 この請願は、所得税法第56条の廃止を国に求めるものであります。
 所得税法第56条は、生活を一にする配偶者とその親族が事業に従事した際、対価の支払いは必要経費に算入しないとしています。このため、家族従事者の給料については、税法上必要経費として計上することが認められず、事業主の所得とみなされて課税されています。事業主の所得からは、配偶者86万円、家族50万円が控除されるだけとなります。これは、戦前の家族主義に基づく世帯単位課税の名残であり、現在の個人単位課税の税制とは相いれないものです。家族従事者がその他の従業員と同じように働いても、税法上その働き分を認めないということです。このことは、基本的人権を初め個人の尊重、法のもとの平等、財産権などに照らした上で憲法違反と言えます。
さらに、今も昔も家族従事者の多くが女性です。この第56条は、女性の人権を認めなかった戦前の家父長制度からのもので、日本が批准している女性差別撤廃条約にも違反しています。
所得税法第56条は、人権・人格の否定だけではありません。源泉徴収票が出ないために、業者婦人などの家族従業者は、自分の名前でのローンが組めない、保育所入所の際の所得証明がない、交通事故の所得保障が専業主婦より低いなど、様々な不利益をこうむっています。
 アメリカやイギリス、ドイツ、フランス、韓国など世界の主要国では、家族従事者の給料支払いは当然であり、必要経費として認められています。従業員であろうと、家族従事者であろうと、実際に働いた労働に対して給料を認めることは当然です。また、国税通則法の改正により日本でも2014年1月から、白色申告者にも記帳・記録の保存が義務付けられています。そもそも同じ労働を青色申告か、白色申告かの違いで給料として認めるかどうか分けていること自体差別的です。
昨年6月、小規模企業振興基本法が成立し、国と全ての自治体に5人以下の小規模事業者への支援が責務として明確化されました。
 この法律は、事業の「持続的な発展(維持)」を正面から応援することを目的としています。地域の隅々に多様な小企業・家族経営が存在することが、国民の暮らしを豊かにします。
小企業・家族経営を守り支援する立場からも、三木市議会として、所得税法第56条の廃止を求める意見書を国に提出するよう議員各位にご賛同をお願いして私の賛成討論といたします。