サロン・風変わりな人材開発の宴 

人の育成について、色々な視点から書いていきます。これは、体験記であると同時に、次の人材開発施策に対するトライアルです。

経営者を育てる際には、ペアとなる人も考えて育てられるとよいですね。

2016年12月06日 20時46分22秒 | 経営者
 「歴史を見直す」こと。簡単に言えば温故知新。いま、色々な歴史が従来とは異なる視点で見直されていることは御存じの方も多いと思います。歴史は勝者の視点から書かれるため、どうしても、敗者を悪者扱いにしたり、無能な評価を下します。故に、勝者側からの歴史の記述は歪曲されて書かれている。
 これは、人材開発でも同様で、勝った側、もう少しどぎつい言い方すると、経営者側からも見たちきの人材と、我々人材開発部門から見たときの人材の見方はイコールではないことがございます。但し、釘を指しておきたいこととしては、これがイコールではないからダメだということではないのです。経営者から見たときの優秀な人材は、あらかた人材開発部門はわかる。しかし、だからと言ってその人を「ヨイショ」するのは、人材開発部門として恥ずべき行為です。何も経営者に対し、反旗を掲げろということではありません。大事なのは、その人物上に立った時、サポートする人材を挙げて、育てる施策も考えられるとば理想なのです。
 これって、目新しい考え方ではありません。戦国時代・江戸時代でもありました。例えば、上杉謙信の養子となった上杉景勝には直江兼続がおりました。二人は子供どものときからの付き合いです。直江兼続の優秀さを見抜いた人がいて、景勝につけたのでしょう。小姓というのは、まさしく将来のご家老なのですね。
 現代の会社には、こういう長い年月をかけてペアを組ませながら育成することは少ないようです。最も著名なのはホンダさん。本田宗一郎さんと藤沢武夫さんのペアですが、しかし二人は創業時からの仲間であり、上司が組み合わせて育成したわけではございません。
 私は、多くの経営者を直接、間接に拝見させていただきましたが、直属の部下に自分のコピーみたいな人ばかり集める経営者は、やはりもうひとつだなという感じがいたします。だからといって、これで業績が良否が決まる程、経営というものは単純ではございません。
 経営者を育てるとき、その個人だけを着目するのではなく、どういう人を集めて「連合チーム」を作るか。それを考えて育てておくとよいかもしれません。しかし、上場企業の子会社の場合、いきなり親会社から落下傘で降りて来るシステムがあると、これは難しいですね。この場合、子会社の人は、「どんな人がくるのだろう」と戦々恐々だと思いますが、移籍する経営者の方も、右腕になるような部下がいない場合は、大変気の毒なものです。孤独なお立場だと思います。

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