怪しい男

秋の内に黒豆を収穫しビニールハウスで乾燥。

それを正月までに鞘から黒豆を出す作業をビニールハウスの中で行っていると近くに軽トラが止まった。

ビニールハウスのビニールは張ってから数年が経ちだいぶくすみ、止まった軽トラは良く見えない。

作業を続け、一旦外に出ると道にアウターのフードをすっぽり被った男が立っていた。

こわっ！

最近の嫌なニュースに殺される？って思った。

その男は道反対の草むらの中へ。

何してるの？怪しい。

その草むらはもう30年ぐらい前に家を取り壊わし、なぜか使用されていない水道が1本草木の中に立っている。

当然出はしない。

この水道、僕は有るのを知っているから何とか見えるが、知らない人には草木に隠れあるのか無いのか分からない。

なのに怪しい男は水道の蛇口を回し始めた。

喉乾いてるの？

怪しさはマックス。

ハウスに戻り、ハウスに居る姉に「怪しい人がいる。ヤバイよ」と小さな声で言う。

水道の蛇口は鉄だから、金になると盗る気では？

となれば家の倉庫回りなんて盗み放題ですよ。

ヤバイホントどうしよう...

万が一に備えナンバー控えるか？ん？軽トラに何か書いてある。

会社名か？

なら尚更、覚えておかないと。

とそれとなくチェック。

なんそれ？

軽井沢

え？役場？

なんだよ役場の水道課の人？

なら一声掛けろよ。