(この装丁は文庫版です。)
西川美和さんの作品。
タイトルから、旅が絡んだお話かと思ったら
想像もしなかった戦争のお話でした。
しかも、西川さんのおじさんの手記が元になっているとのこと。
飛行機が好きで、厳しい祖父のもとに育ち
体格のためか、終戦間近に徴兵される主人公。
所属したのが陸軍通信隊でした。
情報を扱う部隊だったため、終戦することを
かなり前に知り、部隊は玉音放送前に解散。
故郷に帰るための汽車が「東京駅五時二十五分発」
でした。
あとがきで西川さんも書かれていましたが
日本が負けることに取り乱すこともなく
淡々と上官の命令に従い、帰京する様子は
想像する終戦時のイメージとはかけ離れていました。
私が読んだのは単行本だったので、
装丁が文庫版とは違って
クリーム地に短い線がたくさんと
東海道線の時刻表の一部が印刷されているものでした。
長い作品ではなく、読みやすいのですが
後を引く1冊でした。
★実は、これ、下書きの中に残っていたもので、なぜブログに上げてなかったのか
覚えていなくて、今回載せました。書いたのは、2017年