時どきの余寒で、春色はまだ整っておりませんが、本日は晴天。川沿いの天神山の雑木林の間をぬい、一つの小路が通っている。そこに暖かい春の陽が差し込んでおります。固い楢の芽もやがてほぐれ始めるだろう。東側の斜面に福寿草が沢山植え込まれていて、今を盛りと咲いています。
暖かき 陽の一片や 福寿草 ー夢蔡ー
空のかけらか 犬ふぐりの青 ー花盗人ー
木漏れ日を 抱き咲きいる 福寿草 ー同ー
猫のびやかに 日向に寝入る ー夢蔡ー
▲【福寿草】 東アジアの温帯山野に広く分布自生している。開花時期は2~3月。(植物図鑑) 花の少ない時期に、金色の花を咲かせ、目出度い色なので、別名「元旦草」
径(みち)あるとも 或はなくとも、眼を伏せて、大地を歩み行くは いと心地よし。
輝く花よ・・・われとともに太陽や空気のなかで、呼吸する愛らしい静かなものよ、・・・ 汝がおとなしき性質を分かち与え、我が心を慰めよ。 ー自然詩人 ワーズワース(岩波文庫)-
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大きな鯉が淵の表面に浮かび上がって、白い腹を見せて跳ねた。波紋を大きく残して、淵の奥へ消えた。深さは1m程である。春、産卵のため、近くの小さい支流へ入る鯉は、いったんここで数匹の集まりをつくる。
鯉跳ねて 波紋いくえに 春の川 ー夢蔡ー
釣り人や 下萌えはつか 岸に坐す ーゝ-
▲写真中央・左上の岸には、スパーバック・ペットボトル等の塵が見えます。こうして、自然の1コマを撮っても塵が写りこむのは残念でなりません。
釣り糸を 流すひと日や 春の川 ー夢蔡ー
浮世の塵の 去り行くを見ゆ ー鴨兆ー
ー▼ 「釣りは道楽の行き止まり」(釣り以上の道楽はない) ▼「釣り好きな百姓は子を餓えさす」 諺では、釣りは余り好意的には扱われておりません。しかし、他の道楽に比べれば、マア~「家内安全」の方ではないでしょうか。
「釣りすれども綱せず」(「論語」述而篇26)。「釣り糸で魚を取るのはいいが、川い大網を仕掛けて全部獲ってしまうようなことダメ。生きものを根絶やしにするような殺生はいけない」と、孔子は言っております。