諸葛菜草叢記

 "窓前の草を除かず“ 草深き(草叢)中で過ごす日々の記

如月日抄 no.1 閑人の笑話

2010-02-24 18:43:41 | 日記・エッセイ・コラム

  2月も残り少なくなりました。「何もせず 二月はにげて 暦はぐ 」です。此のところの気圧配置で温度は上がり、3~4月のような気温が続き、過ごしやすく楽。

 世を挙げて、冬季オリンピックTV・新聞は、ここぞ!とばかりの大報道であります。同じ画面が何度も何度もニュースに流れることか。あおりに煽っております。

怪我病 家族の絆 町起こし 美談作りの ネタにあくせく  ー夢 蔡ー

  「バンクーバーの氷上に4年待たされた二輪の花が並んで咲いた。」 ( 「天声人語」から)▼ マア~好きずきだから、イイですけど。ここまで言いますか? 「 美辞麗句     提灯持ちも きわまれり 」である。

   紐ほつれ “夢” 幻の如くなり ー夢 蔡ー 

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  「ア~!」と驚いても、もう遅い。お笑い愚さ(?)である。

 競技中に、靴紐が切れるアクシデント!本人ばかりでなく、周りだって驚く。足に馴染んだ微妙なタッチが技には必要なのは解り切ったこと。従って、単に、不注意。▼さっそく、某週刊誌が、ご先祖様だったら「切腹!」だって。

  * 勝負事である。戦略・戦術は付きもの。分析もしないで、「惜しかった!デモよくヤッタ~!」と誉めまくる。* TV/新聞は、客観報道を怠けて、“スポーツ・ビジネス”の手先となっている。・・・とは言っても、結局は、テレビ見ております。

   解説者 技をほめつつ 負け惜しみ  -夢 蔡ー

  

 

  


“雨水”ー草木萌動

2010-02-19 16:27:59 | 日記・エッセイ・コラム

 雨水・・《冬至より60日。この時期から寒さも峠を越す。雨が降って土が湿る。》 

  1日約50数秒、今日で一時間程、日没が延びたことになります。土堤の菜の花は、一株だけが以前から、花を付けていました。季節到来をうかがうパイロット=“魁”(さきがけ)なのでしょうか。“蘇生” 好きな言葉です。

  山の端の はつかにかすみ春立ちて 我に続けや 菜花の一もと  -夢 蔡ー

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  枯れ園の日陽しの中に鶫ゐて 旅立つ刻を空に訊ねむ  ー夢 蔡ー

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  ツグミ  河原の枯れ草の茂み当たりから、「クエ~クエ~」 と独特な鳴き声を立てながら飛び立ちます。人影のない公園の芝生を飛び跳ね、虫を探しているようです。春が、もう少し深くなると “北へ旅立ち”、季節は動きます。

 言葉なく ただ眺めいる山の端に ゆるりゆるりと日は入りゆく  ー夢蔡ー

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    西の端は 雲ひとつなく茜染む 春を兆すや荒船台地  ー夢 蔡ー

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  過っては、この荒船台地が良く見渡せた。しかし、此の風景の手前は、工場・新興住宅地・鉄道高架・送電線が林立して、今や一望することは出来なくなりました。(画像処理でなんとかしたもの。)

  山気 日夕に佳なり  /    飛鳥 相与(ともに)に還(かえる)る  /  此の中に真意あり  /  弁ぜんと欲すれども すでに言を忘れたり ー 陶 淵明 ー〔「飲 酒」より)

 * 抄訳・・ 《この夕暮れの中に真意がある。それについて述べようと思ったが、もはや言葉など失ってしまった。》

 人は、自分の中に、「言葉など超越した世界」をひとつやふたつは、持っているのではないだろうか。言葉を必要としない「“癒し”」の世界は、「汗を流し去った心持ちに」 ( 漱石 )してくれるものです。もっとも、最早、人生そう気張って生きる時間も残り少ないのですが・・・。

   梅が香や ゆるりゆるりと 日は入りむ  ー夢 蔡ー   

  

  

   

  

  

 

 


【春 節】の賦

2010-02-14 18:24:39 | 日記・エッセイ・コラム

 旧 正月朔(11時51分) 昨夜、遅くより雪が数時間降りました。二条の雪道であります。しかし、モグラは活動をはじめておりました。

  凍てかえる 道の底より 盛りあげし 土竜塚あり 動き初む春  夢 蔡ー 

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  現代の農法=農薬・科学肥料=では、ミミズをはじめ地中棲息の虫は、畑では、生活できません。土堤、唯一、モグラの餌場です。農村も、小動物には住みにくい所となりました。

  土堤を少し下りると、しのぐむ枯れ草の間に、野の仏が鎮座しております。

   笑む顔や 御手に雪おく  野の仏  ー夢 蔡ー

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 野の仏のすぐ下は、一段と低い砂地の畑で、ここは戦後すぐの台風で水没したようです。この近郊の人たちの墓地も水に流され、野の仏だけが、その証として残っているのでしょう。▼   陽射しは、少しばかり強さを増しております。雪も 昼ころまでには、完全に解けてしまう。

 【 野 の 仏 】 * 拙い俳句を作るには便利な〈 言 葉 〉です。それ自体が、【、情 緒 的】なので、便利です。

  「 一叢(ひとむら)の 水仙匂う 野の仏 」 

  然る所へ投句しましたら、身近な風物を見つめ、なかなか良いとか言われました。かえって照れます。

  枯れ葎に鉄砲打ちの姿あり 雉鳩逃げよと念じて見いる  ー夢 蔡ー

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  雪は、解け去りました。陽射しの快い午後の事です。河原の枯れ葦の中に、派手派手しい服装をしたハンターが潜んでおりました。キジ鳩も巣ずくりを始める時期は、もうすぐです。

   * 【新詩 綺語 また安いずくんぞ用いん /  相ともに変滅して東風に随わん】 ー「蘇東坡詩選」(岩波文庫)ー  《美しい言葉を連ねたとしても、何の役に立とうか。東風が一たび吹けば、すぐに消え去って、万物の変滅と同じである。》 

 ▼ その通りであります。心致します。昨年10月以来始めました【ふもと短歌会】へ提出したものを含め書き込んだ次第です。

   落ちし日に 駆り立てられし椋鳥は 群れを乱して 叢林に落つ  ー夢 蔡ー

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 「 継続は、力なり !」 とか。続けます。

  

 


冬の大三角 夜想曲

2010-02-10 18:05:45 | 日記・エッセイ・コラム

 夜8時頃、外に出て見る。オリオン座の四角形が、見上げた空に大きく展開している。四角形の左肩の星は、ペテルギウス。「超新星爆発の予兆くっきり」と、新聞にあった。よく見ると、ここなしにほの赤く見える。もし爆発すれば、ソフトボール位の明るさになるとか。ペテルギウスーシリウス(天狼星)ープロキシオンを結ぶと冬の大三角(しかも正三角形)が出来上がる。冬空は、限りないロマンがあります。

 寒風に 吹き払われし天空に 黙だし揺らめく 蒼き天狼  ー夢 蔡ー

 ▼、手持ちのカメラでは撮れません。短歌のみに致しました。見上げる星の“夜想曲”でありますが・・・・。さて~!

  見上げつつ 歩き続けて 穴に落ち  ー夢 蔡ー

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  若い頃は、色々夢もあり、希望を持っておりました。しかし、無才能・非力・非努力であります。結果は、穴に落ちました。〈♪見上げて~ごらん~#、夜の星よ~〉ですが、遥か彼方の、そのまたむこう~#。もう手が届きません。反省を込めて以下に、‘イソップ寓話’の話を添付します。

  天文学者    ー岩波文庫 『イソップ寓話集』よりー

 天文学者が夜毎に、星を観察するのを習慣としておりました。ある日、郊外に足を延ばして、星を見上げながら歩きましたが、うっかり井戸へ落ちてしまいました。「ダレか~助けてくれ~!」と大声を上げて叫びました。近くを通りかかった人が、訳を聞いて言いました。

 「ねえ~、先生~! 空のものは見ようとなさるのに、地上のものは見えないんですか?」

  ● 大層な空理空論をはくくせに、地についた努力を大切にしない人に、この話は適用できる。  ー ごもっとも~∞

  * 後日譚

  “天文学者”は、真っ逆さまに、から穴の底へ落ちたのです。死なずに助かっただけで幸いとすべきでしょう。だだし、顔・身体は見事に変形しましたが・・・!

   先行きの 夢が持てずに また試練  -夢 蔡ー

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 「 修行が、たりませんゾ。自分が過去に賭けていたものを、余生と言う時間の中で捉え変えそう!。 」 ▼ “ 故を温ねて新しきを知る” 昔からそう言われて来ました。過去の事を考え究め、新しいことー現在・未来を考える。結構な話です。、実行出来るのは、孔子先生くらいでしょう。しかし、凡俗は、過去の思い出を虚しく語るだけと言うのは、あまりにも淋しいことです。


立春に感有り 

2010-02-04 18:04:40 | 日記・エッセイ・コラム

 立春です.、陽射しは、勢いを増して来ていますが、寒気が南下して、かなり冷たい風が吹き付けています。朝の散歩、愛犬モモタロウと土堤を駆け上がるとに「早春賦の風景」に出会います。そして、条件反射のように、歌が口をついて出ます。

 ♪ 春は名のみ~の 風の寒さや。/  谷の鶯 歌は思えど / 時にあらじ~と 声も立てず 時にあらじ~と 声もた~てず~#

 椋鳥は 音階のごと並びいて 春立つ曲を奏でおりしか  ー夢 蔡ー

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  椋鳥たちは、しばらく電線に止まっていた後、西の土手際のホウレン草畑に、一斉に降り立ちました。この時期、餌不足なので、葉物に手を出しています。

  梅の枝 赤く蕾を動かせり 春のかすかに忍び寄る径  ー夢 蔡ー

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  寒風が、吹き抜ける小道の梅の枝は、赤さを増して、こころなし太く感じます。「♪~春と聞かねば~ /   知でありしを。/ 聞かばせかるる 胸の思いを~#」 ▼ カアー・ラジオで流れました。文語調の歌詞は、曲にマッチしています。 格調あります。

  湧きいずる 水面に木々は影落とし 春の化粧の身支度をせし -夢 蔡ー

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  人影のない公園の池は静かす。湧水が流れ込んでおります。周りは高い杉や樫の樹に囲まれているので、風は来ません。 此処は、森の公園です。。季節の折節には、訪ねます。芝生の広場では、親子ずれがバトミントンに興じております。平和そのものです。

  ▼補遺 この泉の奥まった所に、高い鉄柵に囲まれた<コンクリートの建物>があります。周りは枯れ葎に覆われております。この建物は、火薬の威力を試す射爆場だったと言う事です。公園は、旧軍部の火薬製造工場の跡地の一部だったのです。それを記録したものは、何も残されておりません。しかし、消し去った過去の事実の上に立つ“平和”と言うのも、その基盤が弱いのではないでしょうか。今の生活を微温に過ごせるのもいいですが、たまには、昔の事を知らないと・・・。