諸葛菜草叢記

 "窓前の草を除かず“ 草深き(草叢)中で過ごす日々の記

冬の鳥 vol Ⅰ

2013-11-16 10:28:12 | 日記・エッセイ・コラム

 立冬から10日程の間、いきなり真冬なみの荒れ模様の日が続きました。早くも北の国々からは大雪の便りです。
 ここ関東平野北隅は、特有の“空っ風”が吹き荒れ、枯れ草をなぎ倒し、神社の木々の葉を舞い散らせ、人の身を縮みあがらせました。

 やっと訪れた“小春日和”。昨日とはうって変わった、温かく柔らかい陽の光りが辺り一面を包み込んでおります。
 野辺を歩きますと、開放感にひたれます。すこし路をはずれて、刈田の畦の奥の枯れススキの小群落までと、踏み分けて行きますと、何か蠢き・・・

飛び来たり ふくろう坐い)ます 羅漢顔 *智を失ないて 嘘まかる時代(とき)  ー夢蔡ー  

20131022_033_2 ▲ 【 コミミズク 】(フクロウ科) 体長は3~40cm 冬季に越冬のために飛来する“冬鳥”。休耕の荒田の水たまりの横に座っておりました。水を飲み来るネズミでも狙っいたのでしょうか?
ーあまりにも突然の出会いでした。コミミズクは、大きく羽ばたいて数メーター先に着地しました。そうしてこちらの様子を覗っておりました。

20131022_031_3 ▲ さらに刈り田まで飛んで、数秒後、大きくジャンプして羽ばたき、神社の森の方角へ消えてゆきました。

I-ー{*智}についての備考ーー

 「智」は、「知」に始まるーー。
 「知」は、会意文字で、矢+口を組み合わせた形である。「矢」は神聖なるものとされ、誓約のときにその印として矢を用いた。矢は、「ちかう」と読む。「口」は、人の口ではなく、サイと読む神への祝詞を入れる器の形である。神に祈り、誓うことを「知」と言う。神に誓ってはじめて「あきらかにしる・しる・さとる」ことができるのである。
 「智」のもとの字は、「矢+口+干」を組み合わせた形。矢のほかに、聖器としての「干」=かん=盾
(たて)を加えて、神に誓うことを示す字である。 (白川 静 「常用字解」より)

ー 「われわれの美徳は、ほとんどの場合、偽装した悪徳にすぎない。」 ラ・ロシュフコーは、その箴言集の巻頭に掲げた。
  故に「美徳」とは、常に作り、作り変えられるものである。その「美徳」を、あたかも、神への祝詞を入れた「神輿」の如くに、大勢の人々がかつぎ上げる。
  ある時に、ふとしたきっかけで「神輿」の塗装が剥げ落ち、壊れる。すると担ぎ手は、いっせいに逃げ出す。そうして、他人事のように、はやし立てて評論する。
  「あれは、材料が悪かった・・・・

みみずくや 耳は痛かり 世の騒ぎ ー夢蔡ー

             ーーーーー<了>-----