諸葛菜草叢記

 "窓前の草を除かず“ 草深き(草叢)中で過ごす日々の記

耕作放棄地にて・・

2017-10-17 16:31:57 | 日記・エッセイ・コラム

  背高の 泡立ち草の 黄 群れ生ふ

            荒田となりて 継ぐ者もなく   夢 蔡

 耕作を放棄した田圃は、あっという間に雑草群に席巻されてしまう。

 右側には、刈り入れ前の豊かに実った稲田が見ある。

 畔を挟んで,50~60mのセイタカアワダチソウの群落である。

 ご案内の ”セイタカアワダチソウ”は、強力な植生を持つ雑草である。

 北米原産で、明治の初めには、園芸的興味から渡来していた模様・・。

 終戦後、アメリカとの物流盛んな折に、再渡来、繁殖域を広げるスピードが速く、猛威をふるい、一挙に、その名を高める。

 理由 ① 新天地なので、天敵、病虫害がなかった。

    ② 地下茎、種(一茎 27万個)の両面作戦で繁殖

    ③ 背高である。根元には光が届かず、他の草は生えられない。

    ④ 根から、他の草には有害な物質をだし、芽吹きさせない。

        参照 「雑草のはなし」田中 修著(中公新書)より

  しかしである・・・・

 強力な繁殖力をもって、草々を絶やして、その地域を独占したとする。

 その為に、彼は、生活できなくなってしまう。

 セイタカアワダチソウに必要な固有の養分が枯渇する。

 他の草々の生育を阻害する物質の蔓延により、自家中毒で、生育出来ない。

 過度な<独占>は、自らを滅ぼす原因となるのだ。

 「 独り勝ちはあり得ない 」 どこか教訓的である。

  

      ------<>-----

  

 秋の青空をバックにすると、結構、いける花である。

 また、花の少ない晩秋では、蜜食の昆虫にとっては、貴重な食糧源である。

 ミツバチの秋の食品に、積極的に利用している所もあるとか・・。

 すべからく、全否定は、考えもの と言うことで・・・。

           

            ------<了>-----

 


昭和のひびき  VOL2

2017-10-08 15:33:20 | 日記・エッセイ・コラム

 朝光(あさかげ)に 朱を増し光る からすうり

       秋は来たりて 蔓(かずら)巻く垣

                           夢 蔡

 実った ”からすうり”は、写真の通り、美味そうでありますが・・。

 時々、嘴太カラスが、欅に飛来しますが、”からすうり”には見向きもしません。

  餌にならないことをよく知っております。

  

 しもやけ・ひび割れ、あかぎれには如何にも効果ありそうです。

  実を割って、見ました。・・・・・

 

 種子は、トロリとした果肉に包まれています。

 舌先でそっと舐めて見ました。ほんのりした甘さの後は、苦味だけです。

 種子は、食用・薬用とされております。(何に効くかは、未調査です。)

 ご近所のご同輩が、村民運動会の徒競走の出場前に、足を軽くするために、           

 ふくらはぎに塗ったとか  

 「 効き目は分かりませんでした。」・・・ 「負けましたので!」

          ---<>----

  からすうりの根は、実は、<芋>である。

      

 からすうりの茎をもって、シャベルでおおよその深さに掘り入れる。

 塊根が掘り出せました。引っ張た茎の先には、実は無かったので( ♂ )

 これからとった澱粉は、天瓜粉(てんかふん)の代用にした。

 また、生薬の土瓜根(とかこん)として、利疸(黄疸治癒)・利尿・催乳剤

   少し早かったが、柘植の生け垣のために、からすうり・藪からしの

  蔦を取り去ることにした。

   赤く実った”からすうり”が、50個の収穫となった。早速、届けることにした。

    

    からすうり 自然の力 教えられ    夢  蔡

    観 光 道 路  土砂に埋もれて   群  峰

   <付録>-----

                  

        

      

        自然は大切に  ----<了>-----

                

 

      


昭和のひびき  VOL1

2017-10-02 14:01:37 | 日記・エッセイ・コラム

  しもやけの 友に効きたる からすうり

          死語になりたる 昭和のひびき      美  芳

 昭和20~30年代の中頃まで、ひび割れ、あかぎれは、普通のこと、

 頬っぺたや手の甲が、ぷっくら赤く膨れ、しもやけの子供達が多かった。

 薬は、ここ農村部では、富山の置き薬が主体で、そう簡単に使わなかった。

 ”からすうり”の赤く熟した果肉は、荒れ止め化粧水にしたと言う。

  

  我が家の”柘植”の生け垣には、毎年、 "からすうり" がよく実る。

 昨年、家人の友達が、熟した "からすうり”を持ち帰った。

 冬に悩まされる ”しもやけ” に使うと言う。厳冬期が過ぎたころ、

 「”しもやけ”に、よく効きました。」と報告があった。

 そして、「今年もよろしくネ!!」

 かくて、我が”生け垣”は、刈り込めず、烏瓜と藪からしに、覆われている。

         ----< 参照 >-----

 からすうりは、ウリ科のつる性多年草、雌雄異株である。

 真夏、夕間暮れになると、蕾が膨れ始める。

 八時時頃になると、白く妖艶なる美花を開く。そして、辺りに甘い香りを放つ。

 匂いに誘われて、夜行性の昆虫たちが集まりだす。

 

    < 開花した雄花 >ーーーーー  しかし・・・・。

 翌朝、日の出とともに、役割を終え雄花は、すっかり萎んで落ちてしまう。

 垣根の根ぎわには、あわれ萎んだ姿の雄花が、るいるいと散り敷かれている。

              

 写真右 雌花 (花茎の下部に膨らみがある)

 左  雄花に取り付いて、花粉にかじり付いているカナブン。

 やがて、雌花に取り付き、受粉仲介の役を果たす。

 

        --------< つづく >-------