諸葛菜草叢記

 "窓前の草を除かず“ 草深き(草叢)中で過ごす日々の記

万物が次第に満つる日々

2011-05-30 16:44:08 | 日記・エッセイ・コラム

 二十四節気 小満(5月21日)から、1週間後、5月27日午前、気象庁は「関東甲信と東海は入梅入りしたと見られる」と発表。平年より12日早い。加えて、台風2号が列島を通過中です。連日の雨模様。時折りはげしく・・。窓前は、草木が繁り放題です。

  雨降れば 庭に来たりて鳴く鳥も 繁りし葉陰に身をひそめしか ー夢蔡ー

 降りしきる雨を眺めながら、詠じたりしております。「小人閑居」をなしている次第でありますが、「不善」をなさないよう気をつけて、今回は、ツツジについて申し述べます。(*写真の撮影日は、5月6日 5:30pm頃、薄暗い夕刻、フラッシュ効果)

  光たて 白き舞台に 舞いし巫女  ー夢蔡ー

  妖艶なりし 祈りいる容姿(かた)  -漢流好人ー

2011050_033 ▲【 ツ ツ ジ 】 北海道から沖縄の山野に生える半常緑低木,レンゲツツジ、キリシマツツジ・ヤマツツジ etc  の総称。晴れた五月の青空には欠かせない、色とりどりで爽やかな花です。

2011050_038_2 ▲ 【ツツジ】は、「におう」にかかる枕詞として「つつじ花 香へる君が・・」のように、万葉集に登場しております。ただ、この「つつじ花・・」は、「天地の 神祗(かみ)を乞い祈る・・」 挽歌(長歌)の1節に使われているのをみると、万葉人は花の様子に《儚さ》を見たのかもしれません。

 ー〈別 例〉

 「風速(かぜはや)の美保の浦廻(うらみ)の 白つつじ 見れどもさぶし亡き人思えば」   ( 万葉集 巻3-434)  

  河辺の宮人が、姫島の松原に美人の屍を見て、哀慟(かなし)みてつくれる歌と断り書きのある「挽 歌」があります。「白いつつじ」に人の命の果かなさをの重ねたようです。

2011050_037 ▲【 ツ ツ ジ は漢字で 躑 躅 】と書きますが・・・・。

 ーー《覚え書き》ーー

 中国の古い本草に 「羊この花を食えば躑躅(てきちょく)して斃(たお)る」とあり、ツツジの漢名となり、日本に伝わったようです。躑躅=「てきちょく」は、〈足踏みすること、ためらうこと、ちゅうちょする〉の意です。(広辞苑)

 参考 (てき) 行きなやむ・たたずむ。たちどまる。蠋(ちょく) 踏む・軽く飛び上がる。 (小学館 漢和辞典)

 ーーは去ったようです。愛犬モモタロウが、散歩を要求して、唸っております。椋鳥が飛び交い始めました。ツツジについては、これで終わります。ーー

 西の端の空きれぎれに蒼み行く 雨はあがりて 雲雀なき揚(あ)ぐ ー夢蔡ー

 

 

 


夏の気が立つ日

2011-05-06 22:44:35 | 日記・エッセイ・コラム

 立夏 (5時23分) 木々の緑は重量感を増してきました。紫木蓮もハナミミヅキも散りかかっております。諸葛菜は、花の盛りを過ぎてしまいました。

 Q, 「飽食終日、心を用うる所無くば、難いかな。=孔子」(腹いっぱい食べて、一日ごろごろしているようでは、ろくなもんではない)の日々を過ごしておりましたところ、少々、無気力な症状となりました。

 A, 早起 きをしなさい。朝の光を浴びなさい。軽く散歩をするか、ご近所の皆さんのラジオ体操会にでも参加しなさい。それだけでも、頭に血液がしっかり廻り、前頭葉に《体力》が附きます。*(質問に知ったかぶりの引用は止めた方がよろしいでしょう。)

 すかんぽの 花穂ゆらして 風は過ぎ きじ高鳴きて 野べ夏に入る  -夢菜ー

20110501t_041 ▲ ♪~土手のすかんぽ、ジャワ更紗。/  昼は蛍が、ねんねする。 /  僕ら小学、尋常科。/ 今朝も通って、またもどる。 / すかんぽ、すかんぽ。川のふち / 夏が来た来た、ド、レ、ミ、ファ、ソ~# ー「酸模の咲く頃」-北原白秋 大正14年「赤い鳥」ー

 ~「いま、太陽は静に輝かしくのぼり、遠くの森に小鳥は囀る。きじ鳩は美しい自らの歌に酔い、~~ 大気は快い水音で充たされる。/  太陽を慕うものみなは戸外に出て、大空は朝の誕生を喜ぶー~ 」 ▲ 19世紀、自然のために自然を歌うことに一生を捧げたイギリスの詩人ワーズワースは、朝を絶賛しております。ー「ワーズワース詩集」(岩波文庫)よりー

 ▲ 起床5:30AM 目覚ましコーヒー・タイム。新聞の題字拾い読み。6:10AM 入り口付近の雑草をけずりながら、朝の外気に身体を慣らす。6:30AM 集会所にて、♪~新しい朝が来た~、希望に・・・~#。ラジオ体操 10分間。この後、愛犬と共に、すかんぽの咲く土手の道を歩く。爽快!!

  やはらかき若葉の覆う道の朝 行き交う人を緑に染めむ ー夢蔡ー

20110501t_044カラスノエンドウ【烏 野 豌 豆】 マメ科の越年草。春、葉腋に紫の小花をつける。莢(サヤ)=豆果が黒く熟するのも、烏の名にふさわしい。花ー蝶形花ーは、可憐。

 昨今、人間は、自然エネルギーの利用が叫んでいる。だが、この小さな花はそれをとっくにやている。しかも、そのエネルギー資源は、太陽光、水、CO2で、殆んど無限であり、動かずとも手に入る。この季節が巡るごとに繰り返すシステムは、美しいばかりでなく、「生命」のもつダイナミズムをみせつける。