“世間(よのなか)はちろりに過ぐる ちろりちろり” (「閑吟集」より)
「ちろりちろり」とは、瞬く間に過ぎ去ってしまうと言う意味合いで、常ならぬ世をユーモラスに表現いたしております。それにしても、時流の変化は早すぎます。なにか騙されれいるような感をぬぐえませんが、これは、なんとかの‘‘ひがみ‘‘でしょうか。
また、陶 淵明に申せば、「歳月は人を待たず」であります。あっという間、四ヶ月が過ぎ去ってしまいます。
選ぶとは いかなることか 人の踏む 道のすきまに 生(お)ふほとけのざ -夢蔡ー
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▲ 【ホ ト ケ ノ ザ】 花のつく葉を仏の蓮華座に見立てた名。(←春の七草の「ホトケノザ」は、キク科の「オニタビラコ」のこと)
花の形は、「唇形花」という。可憐であり、いかにも愛くるしく、甘え誘っている感じが致します。春の小さい羽虫が迷わず花の奥へと導かれて行きます。
▲ 欧州・アジア・北アフリカの温帯から亜熱帯にかけて広く分布する。(←北アメリカには交易が盛んになってから帰化した。) 結構メジャーな草本なのである。
日本では、本州から沖縄の田畑の畦・道ばたに生える1~越年草。この近郊では、冬出荷のホウレン草専業農家に嫌われている。
ー【ホトケノザ】の成長戦略とは、ニッチ=すきま利用の戦略である。ーー
他の植物が動き出す前に、活動を始める。1月の厳冬期でも、畑の畦などの南面傾斜地に花をつけ始め、3~4月に最盛期となる。
①春盛りの植物との競合をさける。②背丈を大きくしなくても,陽光を十分浴びられる。③多数の花を段階的に咲かせて時間差を利用する。そのうちいくつかは開花することなく、蕾のまま自家受粉で実を結び、危機管理する。④背の高いイネ科の植物が成長を始めるころには、種子をばら撒き休眠に入る。
この様に生存競争のためのコストをできるだけかけないで繁殖する知恵者なのである。
ー 見習うべしである。ーー
春雷に 一瞬白き 竹むらの ざわめきたちて 四月尽きゆく ー夢蔡ー
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