花のアート写真工房

Ⅰ:透明水彩画集
Ⅱ:旅エッセイ(海外編)

【アートに対する情熱は、青春そのものです!】

フォトエッセイ:老後へのシミュレーション~その6「手を握る」

2009年04月12日 16時23分42秒 | 老後へのシミュレーション
                

 デパートなど混雑したした場所で、小さな子が迷子にならないように手をつないでいる親の姿を見かけることがある。その光景は、他の人が見てもほほえましい。
 私は、夏の風物詩である花火大会に父と一緒に行った事がある。終了と同時に混雑する道を、年老いた父の手をしっかりと握り、はぐれないように家路に急いだ。年をとってくると普段の生活と違うリズムついていくことが難しい。それ以後、父を花火大会に誘ってもいい返事は返ってこなかった。。
 母は、立ち上がるのに相当長い時間がかかる。その事情を知らないものにとっては、一見滑稽で不思議に思うかもしれない。また、歩くときに手を差し伸べると、力強く握り返してくる。母の握力は、すごく強い。そのためなのか手のひらの血管は、太く浮き出ている。ひとえに、年をとってからの骨折で周りに迷惑をかけたくないとの思いからである。
 年をとるにつれて、足や腰のわるい人が増えてくる。私も、50歳代ですが過度の運動すると膝が痛くなる。医師に変形性ひざ間接症と診断され、膝の周りの筋肉を鍛えるように言われた。明らかに私は老人予備軍である。

フォトエッセイ:老後へのシミュレーション~その7「長生きをする」

2009年04月12日 16時23分14秒 | 老後へのシミュレーション
            
 昔は、人生50年と歌にも詠まれた。今は、50歳というと人生の折り返し点で、「さぁ、第二の人生を満喫するぞ!」と意気込んでいる私みたいな方もいらっしゃるかと思う。
 年を重ねるにしたがって、病を自ら治す免疫機能が低下し感染しやくなる。しかし、医学の進歩によって、病気に迅速に対応し治療することを可能にした。
 以前、父は胃がんで手術をしたことがある。がん細胞は相当大きく、医師から転移の可能性もあると告げられた。不安な日々を送っていたが、転移する事もなく体力は徐々に回復した。その当時は、がんと聞いて遠い親戚の方も見舞いに来ていただいた。
 それから10年後、今度は持病の間質性肺炎の悪化で、深夜救急車で病院に運ばれた。血圧も下がり担当医から、家族の方にも至急知らせて下さいと言われ、北海道に暮らす姉にも連絡をした。その後、体力は回復し日常生活が送れるようになった。
 母も、父と同様に何度か救急車のお世話になっている。
 人は、入退院を幾度となく繰り返しながら生き続ける、強い生命力を持っている。

フォトエッセイ:老後へのシミュレーション~その8「夢も中で散歩する」

2009年04月12日 16時22分45秒 | 老後へのシミュレーション




 
     
          
 
 人はそれぞれ性格が違うように、いろいろな生き方があり実におもしろい。
 一見平凡そうにみえても山あり谷ありの人生を送っている。その人のものの見方や考え方は計り知れなく、誰でもドラマの主人公である。
 ひとつ書き添えたいことがある。それは、人は時として老化に伴って肉体的、精神的に衰えてくると突拍子もない言動をすることがある。
 ある精神学者が、その行動を子供に帰るのではなく、無垢(むく)になると言う。子供は、子供なりに社会環境に順応しようとして人との関わりを持っている。無垢は、その人のおもむくままの行動であると言う。ですから、もし身近な人で不可解な言動をしたとしても、決してその人の本意ではないと事を理解しなければならない。
 今回の「老後へのシミュレーション」は、老後をむかえる前に少しでも「老いと死」について考える機会になればよいと思い筆をとった。そして、来るべき人生の終焉に、すべての人々が「本当に生きていてよかった」と思ってもらいたいし、私も「本当に生きていてよかった」と言えるようになれば幸いです。
 最後に、写真を掲載させていただいた方々に、深く感謝します。 

上海水郷フォトエッセイ~その1「ツアーは運命共同体!①」

2009年04月08日 17時28分42秒 | 旅エッセイ②~上海
           
           

           

 2008年10月に「さわやか水郷の江南地方8日間」の旅に出かけた。出発ロビーに座りながら、見ず知らずの乗客を観察した。私と同じくらいお腹が膨らんだ中年男性が気になった。たすきかけにカメラを2台ぶら下げ、私と同じ様に写真目的の旅行とすぐわかった。たまたま機内の席が近く,私のほうから声をかけた。まずカメラ機材から話を始めた。同じ趣味の人との会話は、話題に事欠かない。彼は世界の各地を旅しているとの事。私は、8日間全部食事がついて39800円と言う安さから選んだ。時間はあるがお金がない私には、サン・キュッ・パーのお買い得感に霊感商法のように引き込まれた。あとで他のツアー客にも聞いてみたが旅慣れた人が多かったのに驚く。
 見ず知らずの人々が、8日の間、寝起きを共にするのだから出発前のそわそわ感も当然なのかもしれない。
 それは、宴会前の静けさに似ている。冗談を言っても何かぎこちない。これから起こりうるポテンシャルエネルギーの高揚の前ぶりのように低く感じる。
 ツアーは、旅先で繰り広げる光景もさることながら、人と人の出会いが織り成す人間模様もドラマであり醍醐味である。 
 そのつづきは「ツアーは運命共同体!②」で!!

上海水郷フォトエッセイ~その2「ツアーは運命共同体!②」

2009年04月08日 17時28分18秒 | 旅エッセイ②~上海
          

          

          

 10月の上海は、暑くもなく寒くもない。私は、生活感漂う路地裏とかそこに住む人に関心があり、今回もそれを捜し求めて精力的に歩いた。
カメラの被写体を求めて、周囲をキョロキョロしながら歩いていると、突然つまずき体ごと倒れた。周囲にいる人々は、「カメラ大丈夫」「カメラよかったですか」ときずかってくれた。私もとっさに「カメラ大丈夫」と答えた。10人ぐらいの方に声をかけていただきありがたかったのですが、誰一人私のからだのことを心配してくれる人は現れなかった。私もカメラをかばうあまり、大げさな転び方だったのでしょう。
 ツアーで8日間旅をしていると、いろいろなハプニングに遭遇する。そのつど皆さんのありがたさを感じる。それは、大海原で航海する乗組員の連帯意識かもしれません。
 もっと飛躍して、広い宇宙の太陽系の小惑星である地球に住む人が、どうして争うのか?どうして餓死するひとがいるのか?
 why?why?why?