今日もしとしとと冷たい雨が庭の木々に落ちています。さすがに山茶花は散り果てて、枝先に名残りの小さな遅れ花の貧弱な淡い花びらが濡れていました。
ヒヨが一羽、枝を広げたこの山茶花の葉陰に雨宿り?しているのが見えます。今まであまり気付かなかったけれど、全身黒ずんだ灰色で見栄えのしないこの鳥にも、前から見ると首のあたりに白っぽい襟巻きをしていて、目の上付近にも白い筋があるようです。まことに控え目なアクセントながら、暗い葉陰ではかなりはっきりと見えました。
ふだんは長い一本の尻尾に見える尾羽を扇型に広げてバランスをとる芸も初めて披露しましたし、くちばしを羽につっこんで身づくろいもするなど、今日の彼(彼女かも)はサービスのパフォーマンスを残して去って行きました。
目を移すとほかの庭木も花芽が膨らんでいます。濃い赤紫のスオウ、淡い紅色のボケ、黄色のレンギョウ、そして斑入りの肥後椿、それぞれに春を待ちかねているかのよう。彼等が一斉に花開く春の季節は、貧弱な我が家の庭もしばし賑やかさが増すのです。
一雨ごとにその時が歩み寄ってくるのですね。